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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
7章 分かるかな?
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049 乗れば分かる。

実際に歩くのイメージすれば良いから、当たり前にできるって思ってた。

そうなると出来ないのが分からない。

で、困ってる。


今日もアリガトウ。

 昨日は良かった。切羽詰まった感があった東の人達。最後はピリピリしてたのは消えたみたい。居場所や目標があるって、やっぱり良いこと。もう町の仲間だからね。

 ステキな人達と話すたび、すごく自己嫌悪になる。きっと尻尾のオモチャなんかより、作り物っぽいよ。


 巫女ちゃんどうなるかな。ここじゃ正しく空気だし。アノ国で寄生してた僕みたいって思う。いや僕の方が勝手でヒドかったかも。

 それもあって、このままでもいいんだけど、お一人様、つまんないだろって。

 いや考えるまでも無いよね。実はみんな気付いていたって僕がにぶかっただけ。

 嫌われていないというのは良かったね。で、猫に鈴ならぬ、ペンダントを付けられて今日から町民。となるとフラフラできないって学校に引っ張られていった。巫女は普通の子だし、名前からだよね当然。でも、良かったと思うよ。いつかアノ国に戻る時、おバカじゃない方が何とか巫女って、付きやすいと思うし。


 アノ国では巫女は何にも知らないし、教えないでチヤホヤする。学ぶ材料がいっぱいあるんだけど、とがめる人どころか教える人がいないから、知りたい気持ちがどっか行っちゃって何もしないで食べるばっかり、すぐまん丸になる。巫女と言えば、まんまる体型のナゾ生物。いや同じ種族には見えないよ。鏡に映る自分がスリムに見えるナゾの眼を持ってるらしいし。


 それでね。街に出没するの丸いのが。とっても人気、面白いからなんだけどね。よくドアにつっかえるの。「通行阻害そがいの呪いが掛かってる!」とか言ってるのをお付きがが押し込むと周りでわあっと笑いが起きるっていう楽しい球。

 何故かよく現れるのが服屋。入ると窓やドアにびっしり人が張り付く。でね、服を着るの、試着のはずなんだけど、ビリってじゃないなバリ〜ンって破ける。やった〜!とか1回目っ!って声が掛かる。それからもバリバリ〜ンってね。みんな楽しそう。賭けが始まったりする。


「やはり結界の外は危険よ」「呪いの浄化を!」でた〜とかカッコイイとか周りが大爆笑する! 

 服屋さんの商売的には、ウハウハなんだけど、お笑いのために服を作ってる訳じゃ無いから、丸いのが居なくなった後で泣いちゃったりしてる。そうして、屋台に引っかかったり、商品をなぎ倒したりしながら帰って行く。全部弁償されるから、わざと置いたりもしてるんだけど、大事な商品なんだから「儲かった」って言いながら泣きそうな複雑な顔をしてる。これは巫女たちの「街に掛かる呪い」で七不思議のひとつになってるもの。あの目ってどうなってるんだろうって、いつも思う。


 他にも長く居るのとかだと、大きさがすごいので、床がミシミシいったり、踏み抜いたりする。「悪魔のささやき」とか言って、霊力が高いことにしてる。いや本気で言ってるよね。これも七不思議。

 僕はあの丸いのが何体。いや球、個、頭、いるのか分からない。巫女ちゃんなら知ってるかな。


 僕は昨日の情報を元に車の改良はとっくに終わっているというか、直すのは一瞬だし、前に南のお買い物の時に仕入れた素材を加工して車輪をおおうのと、ガタゴトを無くす仕組みを頭の中で構築しているところ。

 町の道は、作って間もないので、急な穴とかへこみは無いけど、外に行くと凹凸が激しいところばかり。急な上下動を吸収して、一定の高さを保つため1つずつに緩衝装置を付けるというのが最新というか、アノ国でおじさん達と開発して、内外のお金持ちに売ったり特注したりで、かなり儲かった。


 それに加えて細かな振動を吸収するため、固いゴムで車輪を覆い、空洞にして中に空気のチューブを入れてある。最初ゴムの利用法がオモチャしか思いつかなかったけど。輪投げの輪を木からゴムにしたものが安全で良いとなったところから着想されている。チューブはもちろん。腸詰めの時に子供がふざけて膨らませていた事から。腸詰めが中を空気にして詰まっている感じかな。ゴムは木や鉄より地面への食いつきが良いから、出だしで滑る気持ち悪さが無いはず。


 これからお楽しみと銘打った試乗会で悪く言えば人体実験だなあ。くすくす。

 ルートは、丘かお城の往復って言ってあるけど、きっと違う事をするのがいる。それを含めてのテストだしね。想定外使用だから事故になった、とか言い訳にならない。速度超過での事故は怖いので、性能上限を勇車にして、利用時間を延ばしてある。さあどうかな。


 使い方は、授業で説明されるから、出てきて乗るだけ、誰とも決まっているはず。

 4人乗りでゴ〜。3人と弟子〜ズという形、途中で交代するし、聞き取りや様子観察がいるでしょ。わ〜、きゃ〜、お〜と楽しそう。乗るだけ興行もアリかなあと思った。爆走するのもいるけど、ゼロMaxにならないようにした。じわじわ速度が上がる。前走車があればスピードが落ちる。追い越しは技術。この町程度では勇車も速すぎなんだけど絶対っていうのがいるので仕方なく。一人乗りの馬くらいの速度なんだから、早すぎなんだよねえ。


 弟子のチェンジや指名はありません。イヤなら無しで操作不可扱いになるけど良いの? 操作の優先順位はあるけど、ちゃんと操作するつもりで乗らないと、他の人に操作されて、操作不可認定されるよとか、改めての注意はしてない。元気な人をラクさせるつもりもないしね。最低限の能力があるかのテストだって話もしてるはずなんだけど。


 走行テストの結果、問題無しと言うことで、GOになったんだけど、爆走するアホは周りが怖いということで5U制限で、解除は各王に丸投げした。面白いからと成績を発表。下2つクラスとゼロライン、こども達は、元々選外、中位で1割、上位でも半分だった。おじさん達は事前に道具操作について確認や練習していて全員合格だった。再テスト要望がすぐあったんだけど、道具と安全の操作テストだって言ってたでしょ。

 僕は頭が痛い。車っていう、すごく単純な操作もできないとなると、道具を作っても動かない。車は予定の半分で。


 勉強のモチベーションになると良いな。選外の人達は、お姉さん達に乗せてもらってた。巫女ちゃんは、誰も特別扱いしないことにキーキー言ってたけど、叱られたり、笑いあったり、学ぶことが楽しそう。良かったね。

 そういえば、車お披露目のを採石場イベントにするとか考えていたんだっけ、秋の初めにって。商店街もあるし、よく考えたら収穫間近って忙しいよねえ。となると、採石場でのイベントのネタが無いよ。何か思いつくと良いな。


 お昼で、待ち構えてる僕。夕食の方が確実なんだけど、うるさいし、お疲れでしょ。聞きにくいよ。団体さんじゃないもの。狙いはエルフちゃん。ぼくがすすっと行くと、ワラワラってくる皆さんもいつも通り。

「エルフだよね」って聞くと、ええって驚く。いや周りが。

 キレイだから、あだ名って思ってたんだけど。どうして?って言われるので、キレイな羽あるから。エルフの特徴だし。あれって思う。もしかしてみんなは見えてないの。

 今度はエルフちゃんが驚いてる。「見えるの?」うん、ハッキリとって見えるままを言う。


「空飛べる?」って聞くと、「ははは。エルフで最初にそれなの」って言うけど、大事な事なの。童話で空飛んでるでしょ。飛ぶって意味があると思って、羽見たときからずっと聞きたいって思ってて。

「飛べるはず、なんだけど」

 飛べなくて捕まったらしい。普通の奴隷にされて、メイドをやらされていたってことだって。エルフって珍しいから、捕まって観賞用にされるけど、この子のは見えないから気がつかなかったらしい。飛べるからまず捕まらないって。


 周りがハテナってしてるから、妖精さんにお願いして仮の羽を出してもらう。

「見えてるのはコレ」

 わああ。キレイ。ステキっていう。精霊寄りの種族だから変わった外観があって、捕まえようとされるけど普通の人だよね。「うん、そう」ってエルフちゃん。

 小鬼たちと一緒で、外観で掴まえられたり、殺されたりする。怖いよね、人間族。

 ぼくも人間族だけど、ほとんど精霊だから気持ちは分かる。妖精さんの力を借りられるから負けないだけ。無かったらどうだったか分からない。

 精霊?って言うので、僕をよく見ると分かるって、じぃっと見るエルフちゃん。

「ホント、おぼろげ」

 よく見ると、ぼやけるなんて僕のこと空気っていった事、上手くあらわしてるなあって思う。


 どうしたい? どうなりたい? たぶん、僕とみんなで何とかなる。ひとりってさびしくない? すごく警戒してるなあって思って、なかなか言えなかった。遠足で残ってくれて嬉しかった。よくやく声かけても大丈夫かなって思って。でも、小鬼ちゃんは、もうちょっとかなあって、すごく傷ついてたの。

 僕は最近は弱くて、一人はイヤって思ったりする。前は平気だったのに。

 

「助けさせて」

 僕はお願いする。手をぎゅっと。

「私も」「ぼくだって」「うん」「仲間を守る」「「「だいじょうぶよぉ」」」

 次々にぎゅっと。

 最初ビックリして眼がまん丸になっていたんだけど、じわぁってなって・・

「怖かった、すごく怖かったの〜」

 エルフちゃんはポロポロと、キレイな涙がほんのり光って消えていく。【特別にキレイな普通の人】あの本に書いてあった、学者の私見。うん、そうだねって。

 怖がりな人達を、獣人やエルフちゃんや小鬼ちゃんや他の迫害されてきた種族の仲間達を見つけてここに呼ぶ。僕はそのためのたくさんの称号なんじゃ無いかなって思ったよ。


 それにしてもって、べ〜姉は言う。

「その次から次へと、手を伸ばすのは何なの」

 忙しいったらって怒ったフリをする。みんなやエルフちゃんも笑う。


 僕は何となく分かる。みんなを助けようと頑張って頑張ったけど。何も助けられなかったあの人の気持ちがここにあるんじゃないかって。

みんなはキレイだからエルフちゃんて呼んでただけだった。

あまりに普通に接してるから、アレッって思ってた。

気付よだよね。僕じゃ無いんだから種族名じゃ呼ばないって。


次もよろしく。

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