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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
6章 変わるコト、変わらないコト。
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042 勇者のいない町。

あんなに喜ばれるのにね。勇者。

もうこりごりって。

扱いヒドい。


今日もヨロシクね。

 うむむと考えてるところ。夏祭りのポスターの前。

 勇者もどきをなんとかしようと足した、残高マイナスの聖都見学ツアー、その代わりみたいにゼロラインをプカプカしてるのがいっぱい。あの時みたいに明らかにマイナスじゃないし、分かってやってるからダメだとも言えない。とはいえ、入ったら使いきるというのを止めて欲しい。

 誰かが言った「宵越よいごしの金は持たねえ」がカッコイイ生き方だって、広まってしまった。ここに居る限りは、食べ物に困ることは無いし、お金を貯める必要が無い。必要な服はタダだったり、安く手に入る、古着ではなく新品。

 ブームみたいなものかなあって、ことにしといた。


 ツアーが元勇者や勇者もどきには効果が無かったのは当たり前だよねえ。

 ・・は分かったから言えるんだけどね。やる意義というか、必要なの。説明を面倒くさがって罰みたいに言ってるけど、つもりもないし。2〜3人で良いんだけど、せっかくだから何かあった方が面白いかなあだけ。

 それにしても遠くへお使いに行った人達はいつ帰ってくるんだろう。お使いの遅れは前のこともあって、すっごく心配なの。南の方も根回しでかなり時間が掛かったっていうし、良い意味での遅れだと良いんだけど。

 東は聖都を越えて行くから帰りに情報を拾ってくれるはずで、とっくに帰って来て聖都見学ツアー無しって予定だったの。

 僕の計画って、行って帰ってのロス、雨で足止めとかね。現地のどの店で何をいくつ買うまで書いてあって、数日の自由時間もあるから遅れるはずが無いって思ってたんだけど、交渉日数は入れて無かったなって。アノ国の交渉は武力だもの。普段は無いの。南のお買い物隊が交渉にすごく時間が掛かったのはビックリだったけど、そういうものだっていうし。だとするとずっと遠い東のお買い物隊は秋になっちゃうのかなあ。北は? 南くらいなんだけど。


 東の狙い目は、暖かい地方で手に入る生の菌やその発酵食品、香辛料と油の採れる木や草に砂糖の草。全て手に入って作りたいものがいっぱいあるの。もちろん香辛料で料理の幅が広がるし、油は必要なもの。砂糖はこの前の南のものと合わせれば、安定の生産ができるようになって、おやつがステキなものになる。商材としてもどれも優秀だし。ここから北の市場いただきって感じかな。

 北の一番の狙いは、毛足の長い動物たちで馬っぽいの、山羊のなかま、うさぎのなかま、毛皮より軽いし、何より織物だから可愛いものになる。草に〜あと果実。お菓子にはこっちの方が合うから、僕には早く欲しいもの。

 

 これらの北、東、南の産物や動物はそれぞれの特産として届いていたけど、大体が加工品になって届く。来るまでに味はすごく落ちるし、傷んで届かないものもかなりある。それを全てここで植え育て、増やしていきたいって思ってる。もう少しで最初に欲しいものが全部揃う。足りなければ、また取りに行けばいいこと。動きたくない僕みたいなのや作りたい者、育てたい者がいる。好きは色々。行商が好きっていう人もいる。お買い物隊は帰って来てしばらくしたら、また行ってしまうと思う。

 南のお買い物隊は、ちょっと休んでから、例のクズ勇者の行った町で、お買い物ついでにその後の事を聞いてくれた。あの人達なんか心配だったので売り物は安物ばっかりにしておいたから、今回のがうちの町としての行商で、新作の称号ゲームはかなり売れたそうだ。町は勇者が現れた事で、かなり賑やかになったと皆が喜んでいたそうで、良かった。

 南のお買い物隊は売り物がたくさん出来たって喜んでくれたから、これから帰って来る人達にも、喜んでもらえるかなって見せるのが楽しみなの。

 この前の遠足で居なくなった人の中に知り合いがいるそうだけど、行商ならアノ国にも行けるから、大丈夫かなと思う。


 べ〜姉から、もうじきOK出すよってことで、採石場に工場をって相談をしに向かっているときに色々考えながら歩いているところ。今は近いけど工場は丘の向こうの予定で今は近い管理棟もそこになるから大変。足がいるなあとか、名前変えなきゃとか考えながら・・・


 いつもは休憩所に行くんだけど、ちゃんとした話合いってことで久しぶりに管理棟の方へ行く。

 入ってびっくり、博物館みたいになってる。石スキーが自分勝手じゃ無いどころか展示の仕方がすごい。みんなにも紹介したいっていう熱意が伝わってくる。これはって思った。すごく良い!

 道具って言うのは、色んな事ができる。ただし精霊石が必要ってなるんだけど、作る方法が失伝していて遺跡発掘頼みで、かなり高価。だけど、ここでは大量に作れる。作る方法と環境があって。それはもう大量に。パーンって紙吹雪を飛ばすオモチャの材料に使えるくらい、いくらでもある。で、道具を作るには完全理解が必要でそれを操作するには、その半分くらいの理解が必要になる。だから学校をつくって勉強してもらってるんだけど、理解がね。進まないの。

 この前の遠足を町の利益視点で言うと、理解に一番近い人がごっそり抜けて大打撃。カス頭が大量に居なくなった事は、元から戦力じゃ無いので影響はあんまり。町崩壊の因子が無くなった事はプラスと言ったところで、道具で作業の負担を減らすということが遅れると思っていたの。


「工場をね。1月後に作るの。特訓をして、とにかく製鉄をできるように」

 製鉄の道具を作るからって、お願いしたんだけど、石スキーの知識とその正解を実践する称号持ちがいるから習得は可能だと思う。1つ出来るようになれば、力となり自信となるから、これからいっぱい出来ることが増えていく。ここは大丈夫そう良かった。


 上手く丸投げできた。

 ウキウキと食堂まで戻ってくると、何か騒がしい。何々って行くと東に行ったお買い物隊が帰って来ていた。馬車が行きの3倍になっているそうで、連れてきた人もいるとのこと、さすがあ。


「お帰り〜。おつかれさまぁ。とりあえずお風呂。連れてきた人も任せて」

 2回目だし、みんなも心得たもの。介助がそれぞれ付いてくれてお風呂に連れて行く。着替えを運ぶ人。動物に餌をやる人。食堂の準備をする人って分かれる。家族や友達を呼びに行くのは、こども達がするって、た〜っと散っていった。伝令係、頼りになるなあ。ぼくは食堂に行く。


 簡単に食べられるものやお茶を用意して待って、しばらくすると何人かやってくる。ほとんどの人はお風呂の2階に置いてきたってことなので、そちらに軽食とお茶を持って行ってもらう。

 僕が、購入を希望したモノは種や苗木でたくさん手に入れたし、他にも買ってきてくれたそうだ。特産の保存食や調味料って言われたときにすぐ見たいっていうのを我慢したのは、偉い(自分基準)。食器が面白かった(ぴくっ)、連れてきたなかに尻尾種(ぴくくっ)、水棲種すいせいしゅ(ぷるぷる)がいてって聞いたときには走って行ったのは仕方ないと思う。聖都に偵察で行った時に荷物に入り込んでいたのが、を聞き逃したのも。


「何ですこれ」って首の所を持たれて、ぶら〜んと食堂に帰ってきた。

 急に来て、ハアハア言ってるし、尻尾に抱きついたり、水棲種の子の周りをぐるぐる回ったりしたので、捕まえて持ってきたってことなんだけど・・・。


 我を忘れちゃってゴメンなさい。すごく嬉しくってって、ブラブラしたままで。

 お買い物隊の人「あ〜それ、ここで一番偉いヤツで。知るのが好きなんだ」で、ぼとっと。


「ようこそ。僕達の町へ。歓迎します」

 何事もなかったように宣言した。それから、なにかありましたって感じで、お買い物の様子を聞く。連れてきたのは、似た境遇になってた知り合いと、ほとんど奴隷の尻尾種たち。説得にかなり時間とお金が掛かった。水棲種の子は、かなり払った。体の悪いのがいたので、それからは真っ直ぐ戻ってきたらしい。小箱にちょっとずつ入れた物が置かれる。説明する時にラクだからって、購入する度に入れるのをお願いしていたもの。ほら、便利だったでしょ。

 面白い調味料の原料とその匂いや味で、僕の知識に当てはまるのがあって、調理室から「野菜を煮だしたスープ」「特上水のお湯」に器などを持ってきて、器にスープとお湯を入れ、調味料を溶かし入れた物と垂らした物を作って、一口。探してたの、これ。アリガトって言う。回し飲みをすると、おおっとか、なかなかとか言う。これとこの水田の麦で作ったお酒をここで作るよっていうと、ずっとキョトンとしていたお姉さんが、ええって驚いてた。

 入口から入ってきた食堂のお姉さん達が手を振ってたので「具合の悪い人も直したって、あと今削り直して、揉んでおいたって、出て左の外の方の建物で一休み中」って言うと、またええって。お姉さんこそ、この後に削られるからね。関係無いって顔してる他の人もね。


 この前と同じように、夕食前のファッションショーになって大騒ぎ、尻尾種と水棲種の子の時は「可愛い!」って一際ひときわ大きかった。先に手を打っていて、ぼくを含めた子供達から一度に花束を渡す。泣き出す人も出て、向かえる側で、もらい泣きする人がいた。服は、新作の普段着で前回は着替えが大変だったという反省から。

 夕食には、手に入ったばかりの調味料のスープに東風の味付けで、来た人にも馴染みのお腹に優しいモノ。想像でシミュレーションは何度もしているから、知識にあるものなら、そこそこのものは作れるし、計量具で同時にみんなで作れるから早い。故郷の味を再現してるって驚かれたし、割とおいしいって、良かった。


 楽しいみんなを見て、やっていけそうと思ってくれたなら嬉しいな。

 来てくれてありがとうって。妖精さんにもありがとうって。

新しい人来ました。スパイスもこれでアレが作れる、うれしい。

やたら喜んじゃったけど、尻尾種って尻尾が付いてるだけで最強ステキ!

水棲種の子も首に小さなえらあるだけ、水にちゃぽんしても平気。

人型だし、泳ぎはそんなに上手くなさそう、すっごく可愛い!

獣人もモフモフ耳だけだしね。

作為を感じるけど、カワイイは正義だから良し、でしょ。


南のお買い物隊が着いて、すぐに東が着いているの。

南の人は、しばらく休んでから、例の勇者の街に行ってる感じ。

今度は予定通りでハテナしてる。

あと文が時間の流れ通りじゃなかったりしてる。分かりにくくてゴメンネ。

あれれ。東ってすごく遠いんじゃなかったっけ。

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