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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
4章 あれもこれも。
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027 子牛は可愛いです。

パンは美味しかった。種類もいくつか。

さらに増やすから戦争は止めてもらいたい。

ぼくの戦いはここ。美味しいを増やしたい。


よろしく。

 小麦粉の解説で出したサンプルが好評で、ノリノリになって、パンを作りまくったら大好評! 美味しいショックの連続は危ないと思った僕は「幸せの味」のおやつを中止し、ほんのり甘いクッキー生地で包んだパンに変更。さすがに知ってるお姉さん達をごまかせず、調理室で幸せの味を作らされた。まあ、いつもの試食みたいなもの。僕が大好きの、なので例の状態を心配したけど、耐性は付いてたみたい。


 翌日の朝食に宣言通り白パンを出したら、また大騒ぎになり食べ過ぎで動けないという事態。食べ物で幸せはうれしい。でも騒ぎすぎ。よくこの量を出せたと思っていたら昼の分と夕食分を食い尽くしたらしい。しばらくの間、パンを個数制限としたのは正しいと思った。


 白パンと言えば、欲しくなるのは柔らかいハムとやわらかいチーズ。肉は、焼く煮る燻製くんせいだけだし、チーズはカチカチだけ。火であぶれないときは多いしくさい。臭みは料理のジャマをするから、僕はいらない。

 子牛が生まれたとのことなので、おさんどんが済むと時間ができる食堂のお姉さん達と子牛を見に来た。食欲に忠実な僕は、可愛いではなく狙いは子牛のお腹、正確には第4胃の酵素。・・・のはずだったんだけど。

 とっても子牛が可愛いくて、無理。今は増やすときだしね。

 あっさり断念。まあ、保険はある。最初に牛全部潰していなかったし、そりゃあ考えるってば。


「食材グループを作ろうと思うの」

 子牛を見て、ほのぼのしているなあって見ていたお姉さん達はびっくり。ああ。あの話とすぐ思った。昨日、試作で作ったあの長いのをたくさん作るようになるかもというのは、調理中の雑談で話に出ていたから。

「メン」までは良い。たぶんあの長いもののこと。その後に「チーズ」「ハム」「ケーキ」「油かす」「調味料」「缶で・・」「ビンに・・」「乾燥して・・」と続く。嫌な予感しかしない。


「「「「ちょっと待ってぇ」」」」

「すごくいっぱい、何? 何のこと? 説明〜〜」


 言葉は焦っているけど、雰囲気は普通。さすがだなあ。

「この間から、べ〜姉が勇者になりそうなのばっかりを弟子にしてる。

 それを見てね。ぎゅ〜で、ばあ〜んなら大丈夫かなあって。

  

 心配だった、畑と採石場がね。じゃあ、ばあ〜んやろう。なの。

 安心。なら、ごはん。美味しくしたいなあが、昨日の。


 でね。チーズ食べたいなあって、柔らかいの。おいしいの。

 今のって臭いの、料理に合わせにくいし。苦手な人、多い。

 子牛さんのおなかに欲しいのがあって取りに来たんだけど、

 可愛すぎて、ダメ。

 まあ、可愛いってだけじゃないんだけど・・・


 念のため〜って。ちゃんとあるから平気。

 空いてる建物あるし、じゃあやってみたいなって。

 見てたら、お兄さん達は、こら〜ってしてもらうの、うれしそう。


 お姉さん達が教えてあげるの。うまいし。こら〜ってするの。

 ときどきお願い。

 いつも、ばあ〜ん出来る子見つけてるから、大丈夫。

 やってほしいのは、新しいおいしいの作って・・・なの」


 しゃべるの大変、伝わってると良いんだけど、どうかなあ。


「ん〜。ちょっとずつなのね。ならいいんじゃない」「そうねえ」「ん」

「あれをほっておく方が困るからしねぇ」「良いって事で」

「じゃあ、この子達を見に来たのって、チーズのためってことかしら」


「はじめに大事なの。チーズって熱くするのと、潰すのだけでしょう。

 やるのは違うやりかたなの。

 子牛はお腹にお乳をチーズにする基を持ってるの。

 それが草をむようになると無くなるの。

 だから取りに来たんだけど可愛いし、

 もっと美味しくして大きい方がいいかなあって。

 お腹の中ぜんぶ捨てちゃうけど、美味しいのになあ。

 チーズできると、豚も美味しくなるなあって、見てたの。


 育てるの大変。馬鹿みたいに元気な人がぴったりだなあって。

 でも、ばあ〜んが出来る人がいないと難しいって分かった。

 お姉さん達なら、もう誰か分かってるでしょ」


 お姉さん達はお互いを見合わせて「あの子とあの子でしょ」「うんうん」「う〜ん、でもお」


 そう、ちょっと難しい子達なの。奴隷にされて、ひどいこといっぱいされてて。

 最初は僕と関わりがある人達だけって思っていたのだけど、こんなに可哀相かわいそうな人がいるって知って、みんなで逃げだそうっていうキッカケになった。「見える世界は地面」って言った子達。

 身体の傷やアザはもう消えたけど、心はまだ傷だらけ。でも、もうそろそろ。

 意外にも、子供達はイタズラはしても、人を思いやれる心が強くて、辛いこともいっぱいあったから、傷ついた子には優しい。そして子供の考える優しさはベタベタ甘い。認められ続けて、ようやく顔が上を向くようになった。お馬鹿達の中で笑顔を取り戻して欲しいと思う。


「もう自分の居場所を持つ頃かなって。心が光りたがっているの。

 それより笑顔を見たいと思って」

「そうね。じゃ賛成」「ん。じゃ、狩りね」「トリ!美味しいアレ」「お泊まりしちゃう?」


 ずっと、見守っていた子達で、そろそろ大丈夫なのは分かっていた。後はキッカケかなと。でも、お姉さん総出らしいから、ごはん僕がやるって事だよね。がんばる!から、是非ともお姉さん達からばかの操縦と魂の会話を覚えてもらいたい。

 泊まりで狩りかぁ。鶏しかいなかったのがいっぱいになりそう。池を掘らなきゃ。巣を作れる環境をと。

 お姉さん達の捕獲だから、柵はそのままで良いよね。う〜ん、手加減しなさそう。その土地でのしゅは、いくつか消えるねえ。まあ、バランスがおかしいようならあとで調整すれば良いし。肉が増えて、安定するのは嬉しいこと。


 翌日は早めの朝食をして、半分夢の中の子供達に見送られて出発した。小さく手を振る姿が可愛らしい。お姉さん達は、非常に軽装でピクニックに行くような感じ。両方に下がっているガントレットを見なければだけど。食べ物は現地調達ということだろう。見送りを終わった子供達は、家に帰って一眠り。

 僕はしばらくするとピークを迎える朝食を一人でさばく。というか今日は各自で取って、なので補充だけ。お弁当は自分でツメツメしてもらった。食料庫の冷やす方に行って、肉を切る。今日から学校が拡大しているはずなので、お昼はいっぱい来ると思って、いっぱい。といっても僕の力では一度には無理。何度も往復する。今日のお昼は、パンと野菜にこれから作るハムを出す予定。

 僕の時はよく試作がある、美味しくなかったらゴメンね。チーズはお好み。自分で切ってあぶって乗せてね。ハム切るのも。一人なんだから、お世話は無理だって。

 パンは美味しくなったライ麦パン。と言っても小麦粉の方が多い。歯ごたえが〜って声があるって聞いたので木の実を混ぜておいた。変わらない黒っぽい色が美味しそう。

 新しいのやるって、バレてるときは5割増しでって言われてるので抜かりなく。ってすごい量になった。並べようと調理室から出てきたら、何か人が多い?

「ノラネコのために手分けして、みんなに言ってきた」とニカッと笑う子供達。

 よ・余計な事を。しかし文句言うわけにはいかないし・・。笑顔の子供たちに手伝わせる、個数制限表示は一個減らす。ハムを切るのが上手いとか、チーズをっておだてられて喜んでいたのが担当になって、ひたすら切らされてる。遅いとか怒られてて笑える。毎回誰かがうっかりハマる、お約束。

 僕も並んで切ってもらった。かっこいいと言っておいた。


 ところで、僕はちょっと前から大勢の中で平気になった。それはこれ。フレームすら透明な眼鏡を掛けている。動作中は見えなくなる。もちろん、うっかり置いて分からなくなることの無いように時間制限がある。掛けているときに見えてきたら、継続させる仕様。僕が怖い強い視線に黒線が入る。

 人の目を見て話をする習慣は絶滅するべきだと超強く思う。謎の黒線さんがいっぱい。まあ、あんまり人は覚えられないから変わらないともいえる。眼鏡が見えてると精一杯がんばってる感じが可愛いと、やたらなで繰り回されるので仕方なく。


 お子様たちの様子がおかしい。鼻が2割増し高くなっている(比喩)。話から察するにアホな大人が大量に増えたため、すでに簡単な文が読める自分たちが優等生になったということらしい。

 功の無い増長は勇者の元。ちょっと鼻を折っておくかと思って食材づくりのお手伝いをお願いする。尊敬する聖女の仕事場なので、全員が着いてきた。こんなこともあろうかと用意していた、たくさんのエプロンがある。というか僕用に可愛いのを追求してくれたのだけれど、汚すことはないので、いっぱいある。そして手・顔まで、しつこく石鹸を使って洗う。加熱するとは言えど衛生に注意しすぎはない。


 子供達は、食材を見ておののく。それはそう、普段捨ててしまう内臓や切り残し部分だから。べ〜姉と開発した細かく切る道具に入れてもらい、出てきたのに薬草や調味料、細かくした野菜、砂糖、ワイン、卵、塩などを正しく測って、混ぜ混ぜしてもらう、羊の腸に搾り袋で注入という行程を分担して作業開始。

 勢いで始めないと違う感情が出てくるので、ぱっと配置してやってもらう。流石さすがに小さい子には無理なので、針を持って、指3つの間隔で刺してもらう。

 引き気味の大きい子に出来たのをパーの間隔でねじってもらう。それを輪状につないで棒に下げる。作業がだめだった元気な子に交代であおいでもらう。・・・と繰り返して、かなりの量ができた。

 子供たち視点では、何かよく分からないうちに作業が終わり、仕事料をそれぞれのアクセにチャージされ、お風呂に引っ張って行かれたって感じ。

 まあ、グロいし勢いで訳分かんないうちにやってもらって、今頃はさっきまで何をしてたのかを確認しあっていることだと思う。夕食でヒーローにしてあげよう。


 今日の夕食は、野菜たっぷりの肉ゴロゴロスープ、小麦しろパンとアレ。アレには子供が給仕につく。今日の新メニューは子供達が作りましたと大々的に発表。次々と盛って言ってくれるので、先頭の人に言うだけ。例によって、スープ盛りの生贄いけにえが1人。すげえ美味いって声に子供達は、すこし頬を赤くして、晴れ晴れと給仕している。自信は確かな成果で付ける方が良いに決まっている。

 楽しい思い出になったら良いな。

こども達といっても全員ではない、もちろん。

おとながバラバラなのに子供の結束が強いとかあるわけない。

興味に忠実だから、増えたり減ったり、情報が共有されてたりしてなかったり。


毎週火曜日と木曜の22時にアップなの。がんばる!

またよろしくねぇ。


あと「悪のマ王がやってくる」も見てね。こっちは金曜日。

https://ncode.syosetu.com/n2454gf/

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