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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
15章 小さくない秋。
113/854

111 作りまくらないと。その2

まさかって、そんなに忘れちゃうもの?

強烈な印象だったでしょ。


ありがとう!

 あの人達、今日できても明日になったら欠片(かけら)も残っていないだろうというのは簡単に予想が付く。

 資材棟は、これから毎回アレやるの。忘れてるだろうし付き合ってあげる。自分にすごく甘くて、べ〜姉に焼きこみしてもらったのに練習しないから車を動かせなくなったのばかり。今回のは、べ〜姉の比じゃないのだけれど、それでも復習や何での勉強をしない気がするからね。ずっとは(むな)しいから、ひと月くらいかな。

 僕が面倒を見るのは、これが最後だよって言っても危機感を全く感じないのが多い。また何とかしてくれるとでも思ってそうだけど、実はそんなにやる人いなくてもにしてる。原料までやって製造は各棟にお任せも考えてるの。


 ずっと色々試してきたの。能力は低くないから、知識あれば大丈夫って思ってたけど、違うし、向上心や(あせ)りでも無かった。やたら上ばかり見てね。目標じゃ無くて、パッとある日突然に何でも出来るって思ってるみたいなんだよね。

 え〜と「スキルが()える」だっけ。


 今日、出来ちゃって、きっと勘違いしてる。見捨てないでナントカしようと色々やった。二人がガマンしているのが可哀相(かわいそう)で、やらなきゃいけないようにして追い詰めて自信も持たせて、やっと意識改革できて今日に繫がった。性格の矯正は無理。直らないと思う。

 何人落ちるかな。手作業だけの採石する人はもう要らないので、新しい仕事を考えたりしてるの。もう面倒見きれないしね。

 団体さんに(まぎ)れてサボっているのがいるのは知ってる。結果的にそうなっちゃっている人もいる。宝石採掘は手作業になるんだけど、くすねるのが後を絶たないし、王達が罪に問わないから宝石掘りは信用出来る人達だけ(あんまりいない)にしてる。捕まえるの面倒くさいし。

 安全で簡単なものを専用にってなると貰えるお金はそれなり。食費が多い人達だし遊ぶお金が足りないと思う。そうしたら考えるかなを期待する、だけ。


 前は、各部門にこういうの居たんだけど、色々あって資源棟だけになった。性質は違う。やたら周りを気にするの。飛び出ないように、目立たないようにしてる。ガンバルのはカッコ悪いとか言うの。

 大口(びっくまうす)ちゃんやタテマエくん、ノリだけ〜ズにボウカ〜ン、やたら高度な技術の小悪党たちとか、色んなのがいる。今日から少しずつ泥船(どろぶね)から降りるのがでてくるはずは、ただの期待だけど。


 出来た素材を持って、商材棟に行く。ほとんど王の力とはいえ、資源棟の人達で出来るになった。頑張れば自分の力になる。頑張れればだけど。

 どうって、集まってもらって見せる。出来たのはなかなか良いもので狙い通り。べ〜姉ならすぐ分かるよね。これはこういう特性で、こういう利点があって、こっちはねって説明するの。


「いち押しがこれ。固くてサビもしないし、メッキしなくてもピカピカなの。

 できるか微妙だったので、出来て、量産の見込みが出来てからにしてたの。

 これからはこれ」

「良いわねぇ。加工性も良いのなら良いこと()くめね」

「あとね。ゲームに使いやすいのは、もっと軽いのが良いからね。

 原料見つけてから。

 たぶんある。研究もしてるの。ちょっと待っててね。

 人形は、これからは陶器っぽいのでも作りたいの。いっぱい作れるし、質感もあるかなって。

 良いものは、たくさんもそうだけど、ずっと残って欲しいの。ず〜っとね」

 ぐ〜ちゃんとおじいさんがにこ〜っとする。


「紙はこれから。紙の方がゲームに向いてるもの。がんばるね」っていうとね。こんなのとか。コレは大事なこととかを言ってくれる。ふむふむ。紙のことはカード王に相談した方が良いものが出来る気がする。

 今は木を重ねて加工していたり、布を接着剤で固めているんだもの。ゲームは安く出来てない。たくさん配布してるクローネカードは、精霊石を使ってるし手間が掛かってる、実は高価なものなの。

 紙にすれば表現がかなり広がるから、何とか作るよって。ガンバルのは、ゆ〜姉というか、おじさん達だけど。アレもこれもだし、大変だなあって思う。


 素材が無いから出来ないなあは、これから少なくなる。ようにするね。

 もう待たないことにしたから、作りたいのはドンドン作るよ。これからは出来るものじゃなくて、色んな素材から合っているのを選ぶ感じにしたい。ここは二次加工以降になるかなあ。ガラス吹いたり、(つぼ)作りた〜いって時は資源棟に行くの。全部、中で完結すると交流が無くなっちゃう。仕事を重ねて頼り合うにしようね。


「差し替えとかしないの。段々と変わっていくようにする。

 在庫を残さないようにしようね。

 間違うと売れなくなるよ。注意だね。

 強度を上げて薄く出来て軽くなったりしていきたいの。

 あとね、人魚さん達用の冬水着がそろそろかなあって」


 メッキは、いつかは()げて黒いのがコンニチハすると、たぶんうわってする。ヤダなは思っていたの。すぐじゃなくて、ずっと先。分かっているのにイイヤには出来ないよ。何とか出来る方法を知ってたしね。

 材料を銀だけって、お金持ちじゃないんだからムリ。みんなに使って欲しいものは安くが良いんだよ。必要が安くなれば、楽しいにお金を使えるの。楽しいが増えていくのは、知らない人でも僕は嬉しいな。


 それからお向かいに行く。

 いよいよ生産するの。今まではみんなでコネコネするっていう手作業でね。道具が使えないのに合わせて入れてなかったの。勇者もどきが居なくなって、人が少なくなって、道具用意してね。ずっと練習してくれていたし、道具も高度で大がかりなモノにしたかった。材料待ちだったんだよね。

 道具を設置していよいよ本格的に生産を始めるの。2階が手作業場だったのがね。ポンポンと道具を置いて様変わりする。鉄も使えるし、瓶もできる。買っていたのを止めてね。里だけで全部作るよ。


「東との売買とか、ルミナリエからの入荷・・」っていうと、アサガオちゃんやカタバミちゃんが

「肉の製品化もあるよ。チーズもね。チーズは水牛のがそろそろ」

「南の果実とか目新しいのを仕入れるのも良いかも」

 キャッキャッて楽しそうだ。今どんなのが売れるのか調べてもらってるけど、違うのがきっとある。ちょっと収穫が少なかったのが気になるけど、売るのはちょっと変わったものにするから、大丈夫かな。

 同じものを単に品質で争って売れちゃっても量的に無理だし、きっと息切れする。僕らはよく調べて、マネできないだろうを探すの。

 東なら都会で売らなくてもいいんだ。開発したわざとらしい田舎での特産品とかにするの。キレイで楽しい田舎はブランドにきっとするよ。虫だらけや凸凹、すぐぬかるみになるような田舎として当たり前は、きっと求められてない。

 便利な都会の延長で考えた方が良いって言うのは、この前行った時に会った地元の子達の様子で何となく。ビックリしたけど、きっとあれは普通から遠くない。


 それから、テクテクと畑にいくと「遅〜い」って言われる。

 畑の工場は、夏には完成していたし、機織(はたお)りの経験者が居て、まず入ったサトウキビからカミを作り始めている。

 カミは最初は厚くてザラザラだったけど、いまは繊維を細かくしたり、漂白の方法も出来て一定の品質が出来ているの。

 色々なモノから作っているけど、その調整におじさん達が苦労してた。ノウハウが出来たから大型化して、たくさん作れるようになっていてね。厚さや品質の変化も用意出来るの。黒くなっちゃうものは厚めにして、芯材や梱包材に使う。もじょもじょにしたのとかは、壊れ物を包むと守ることが出来るの。

 タッチも色々あってね。起毛させたのとかを芯材に貼ったのはちょっと良い箱になる。宝石とか高いものの化粧箱に使えるステキなもの。今までのは木にベルベットを張ったり、綿を詰めたりするのが普通なんだけど、手間が掛かるし、大きいし重いの。宝飾品が高くなる理由が梱包材料とか、本末転倒だよねえ。


 僕がイメージする無茶目な紙をおじさん達が開発してくれているかな。

 紙を作りたかった最大の理由は前に言ったっけ。厚みが気になるので、吸水材を綿じゃ無いものにする研究中。肌触(はだざわ)りとか、外漏れ、におい消しとかは追求しないといけないこと。


 布は例の町や村じゃない別ルートから大量に入荷した麻や綿に羊毛をね。麻や綿は生地中心で大量に作ってる。ここは人の手が掛からなくて作れるから織っただけの(単色やパターン)普通のも安い商材。服を安くさせるには手っ取り早いかなって。

 僕たちの(というか僕のだけど)儲けるのは、お買い物資金のためだもの。里やルミナリエで作れないのをね。買うため。モノだったり、人だったり。勝手に襲って捕まえるのに値段が付くの。結構高くてね。

 今ちょっと資金不足でお探し隊は当分出せない。がんばって稼がなきゃなんだけど、関わった人には幸せになって欲しいから高くはしない。ハクリータバーイ。

 織り方は知識からいっぱい提案してて、これもおじさん達に苦労してもらってるの。やり方が決まれば道具化して畑の人達が覚えて動かすだけ。やたら多い量と種類だけど、最初から道具だらけのつもりだったから、少ない人数でも何とかなってる。

 大変なのは考えるおじさん達で面白いと言いながら、よくサボってる。必要な時間なんだって。


 綿はね。ハネられる短いのも買ってる。まとめたりすれば、色々使えるものになるの。産地の南の方だと紙にするところもあるって聞いているよ。麻も生地。織り方を研究中。

 あと絹がある。特産品になると良いな。あとね、楽器の(げん)にもなるんだよ。ステキでしょ、知ってた?


 羊は、まだまだ少ないから、ほとんど買ったもの。飼育する手間を考えると増やすかどうか悩むところ。道具の使えない人達の仕事にちょうど良かったんだけど、今居ないしねえ。

 毛の長い動物や毛皮を北のお買い物隊にお願いしていたんだけど、アレだったし、夏過ぎてから買うのはタイミング悪すぎなので、春かなあと思ってるところ。

 これから寒いから、力を入れて作る予定でね、これも道具化するの。(がら)がないとツマンナイから、柄織りできるようにしてる。北は寒いから最初はルミナリエかなって、1着はプレゼント予定。


 横目で工場を見ながら考えてみると、工場は大丈夫そう。となりのコメサイロも外売りしないから、このままで良いか。取り出すときは、その都度精米して麻袋に入れているの。精米するとオイシイ期間が短くなるからね。

 ゆ〜姉は、ずっとどれを作るか考えている、たぶん。他の人達は、通年温室の割り振りや種苗の育成を話していて、ルミナリエや各町村もあって、パズルみたいって思った。


 蔵は、種類が増えるし、酵母が同じのをまとめたいし、量で広さを割り振らないといけない。味の追求を考えると似たようであっても分けたいもあるし、あ〜だこ〜だと賑やか。行き当たりばったりで作ってきたから、ガラ〜ンとしてるし、再編は必須なの。

 酵母(こうぼ)(こうじ)は、育成した生え抜きを使うから、同じ蔵を使わなきゃも無いの。運河を作る予定でぽつんと下流寄りにあるから、ちょっと移動もあり。


 ぴたっと話が止まると、ぺぺぺ〜って並び替えをみんなが始めて、眺めてちょっといじってを何回かしたら、ウンウンってしてる。決まったみたい。僕はじっと見て、清書したのを紙に転写してみんなに確認してもらう。

「なにを悩んでるの」って、ゆ〜姉に誰かが聞くとね。

 全部作れないか考えてるだって。苦笑い。尻尾の人(蔵メインになってる)が、クラッてして、周りがうぎゃ〜って言う。相変わらず仲が良いね。

 冗談はさておき、「ずっとくっ付いて居るわけじゃ無いから、できない事はないけど混乱しそう」なので、お酒には行程を掲示して、確認しながら作業する方法にするよ。取りあえず、一通(ひととお)り作ってみたいしね。

 みんな種類が多いって心配するけど、たくさんじゃないから、計画をちゃんとすれば大丈夫っていうと、ほっとする。畑の人はスゴ〜クお酒好きだから、大丈夫なら良いっていうの。

 でね。僕が頑張りたいのは、ビールとウィスキーにブランデー、穀物の蒸留酒でね。東のお酒や調味料はチャレンジ枠。蒸留酒に果実やハーブなんかを漬けるのの4本柱。天然酵母から見つけたり、いくつか仕入れたのや、買ったものに付いていたのを増やしているの。オイシイのはずっと研究する。

 エールはもう造らないって言うとね。ガ〜ンってする。いやいやもっとオイシイのにするって言ってたでしょ。材料はあるし、専用酵母もいっぱいにしたから、次々造るよ。

 まず通年温室の作付けや種苗のがあって、布や紙にお酒〜、全部たいへん。


 やることがいっぱいだあ〜って笑う、みんなが頼もしくて嬉しかった。腹ペコで寒いのを耐えるだけはもうない。慌ただしくてワクワクでホカホカが浮かぶ。

 冬が楽しみって初めて思ったよ。

色んなのいっぱいやっているけど、モチベはお酒?

エールは割とすぐだけど、ビールは時間が掛かる、まあ比較的?

え〜と、お酒じゃないのも忘れないでね。


また来週!

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