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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
14章 収穫なんだけど。
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106 ケンシュウ、お疲れさま。

ケンシュウ終わり。頑張ったね。

どちらかというと助けてくれてアリガトウだった。

下に見ている感情は、もうなくなっているね。


さんきゅう!

 青い空白い雲、キレイな湖に白い砂浜、弾む笑い声。人魚さん達のケンシュウは無事終わって、タガが(はず)れたって感じに大騒ぎしてる。

 夏休みの初日の僕らがこんな感じだった。その上、人数倍だし遊びは増えている。いつもは静かなお城も今日は(にぎ)やかだろう。

 これは僕の見たかった風景。色んな種族が混ざり合って遊ぶ。遊びをいっぱい増やしてもどこもいっぱいで、楽しい笑い声で(あふ)れてるのが目指している町の姿。

 1日だけのことだけど、がんばる目標を先取りで見せてくれた、夢で終わらせないって決意、する。


 人魚さん達は、この前のお休みでプレゼントした白い服。あの時はみんな同じ服だった。遊びベテランみたいに教えてる先輩人魚さんが微笑(ほほえ)ましいって、僕らは見ていたよね。ところが早朝から全開モードで圧倒されているの。僕らは夏水着がもう寒くて前の休みから秋水着になってる。でも北の海じゃ、まだまだ暖かい方だって夏水着を買って元気いっぱい。

 ちょっと前までは全裸で年中、冬も泳いでいたし陸に上がっても簡素な家に粗末な服だったから寒かったよね。漁が上手(うま)くなくて毛皮が貴重だった。お家拝見しなかったけど、実は知ってる。


 僕たちの水着を着てもらっても泳ぐ時に脱いじゃう人達を見て、すぐに開発中だった秋水着を増やしてプレゼントしたのは、大事なところを隠してだったけど、海は危険がいっぱい。漁をするなら暖かくても肌は出さない方が良いの。採取の時には手袋を必ずしてね。

 精鋭200人にプレゼントしたのは、水着の上に着るもの。手袋付き。深くなると寒いし、暗いから気がつかなくて危ないに近づくこともある。ちょっとだけ浮力があるからプカプカもラク。秋遊び用に開発したもので、里の寒がりでお金ちゃんと持ってま〜すって何人かが着てる。もう無料配布してないから、仕事のモチベになってるかなと。


 この湖は温度が保たれてるから、冬は暖かく感じると思うし、当然凍らない。でも外は寒いからね。もう少ししたら、冬用をお披露目(ひろめ)する。試作は、もうあって全身一体形。人魚さんは上しか要らないからセパレートタイプでね。デザインを考え中なの。これは中に水を入れないようになってる。道具が付いていて高機能、暖かいよ。お楽しみに。


 遊ぶだけなら(はだか)ん坊でも〜はダメ。女の人がお胸を見せない、泳ぐときでも全裸はダメというのはルミナリエで僕が決めた決まりの1つ。

 丸出しが減らないので、隠さないと全身ヒレにするって言ったら、ちゃんと守ってくれるようになった。

 1人ぐらい全身がヒレの人が居ても良いよねって楽しみにしてる。絵本には出てくるし。人っぽくなくなるけど、キミタチがゲテモノっていって食べなかった美味しい魚(養殖してる)に似てる、半魚人ってカッコイイよ。


 今日から衣替(ころもが)えで、里の人達は秋用の水着に替わっていて、僕から長袖バージョンの(かぶ)るのをプレゼントした。紺色でエリは白。こっちもとっても似合ってステキだよ。濃淡がマゼマゼして、余計いっぱい居るように見える。人魚さん達とかなり仲良しになってくれて嬉しい。遠くなっちゃうけど、お仕事が始まると行き来は多くなるよ。


 ムキムキ弟子〜ズとウサミミさん達が人魚さんに人気。称号に人が集まるのもいつものこと。いつもカード王にぞんざいに扱われていたけど、一足早く春が来たかな。ウサミミさんも幸せで上書きして元気になってね。

 元気で楽しいお休みもフィナーレ。いつもは湖で夕食だけど、人いっぱいだから広場に集まってゴハンする。みんなが来た時みたいにワイワイと楽しく、お祭りのときみたいに(にぎ)やかにね。


 人魚さん達が楽しくて良い人っていうのもあるけど、商店街が予定と違っちゃって大変になった上に、ケンシュウでワヤヤって思ってたの。僕が方針を変えて海を稼働するためにお店を覚えてもらうにして、割とできたからお任せしちゃった。押しつけとも言うけど。

 僕たちがシステム頼みでとりあえず、これだけってしたのを消化して、みんなが出来る方法に変えてくれたの。そうしたら、新しく採用した人まで、最低ラインを軽々クリアできるようになって、商店街を大丈夫にしてくれた。土台ができれば、予定通りに出来るから店を揃える計画が進む。

 グランドオープンの告知だってした。


 商店街を作って早々に、この人達にはムリだって分かる。聞いていた話と違うって、またかって、お買い物隊を擁護(ようご)してた人が誰も居なくなった。そのうちに収穫が来る。空けておいた余裕が無くなってるよ。ヤバイ。きっと悪いことは、続くから収穫の町や村は予想の下に来るんじゃないかって。うわ〜って、どうしようって、僕だけじゃ無くてみんなもきっと思ってた。でね、心配は当たるの。

 ところがね、ステキな人魚さん達は外見だけじゃ無かったの。押しつけちゃってゴメンネが助けてくれてアリガトウだけじゃなく、形にまでしてくれた。自分を棚に上げて、海はお荷物って思ってた人達がいっぱいいるって知っていたよ。

 保護対象が信用できるものに変わり、今は尊敬がみえる。ラブもちょっと。もう掛け替えのない家族。お別れが悲しかった尻尾の人達が帰って来たり、遊びに来たり行ったり出来るようになった。お別れもナシになったって。もう一つ大事な場所が出来たって。


 こんなに嬉しいことばかりがいっぱいだもの。盛り上がりがスゴイのは当たり前かな。でも、明日から仕事。人魚さん達は商店街でお別れ会があるし、その後は海に戻る。里の人達は、ほぼ全員で河と空から商品をいっぱい積んで開店準備をする。たくさんの店は里の人達にも希望になるはず。全員で締めの手打ちをしてオワリ。お片付けまでやるんだよ。ぐっすり寝て、また明日ね。



 みんなが寝てしまうと、僕は乗るでんして海に行く。何って回収だよ。起きてるままっていうのは難しいの。数人なら良いけど多いからね、時間が掛かっちゃう。どんな様子かは毎日船便で報告がくるの。変わらないって、ずっと同じ。

 配達や持ち帰りはやってないから、ごはんには出てきていてね。食べたら帰って行く。玉が付いてるし、紐のようなものが見えててね。何でが分かるし話しかける人もいない。


 小さい頃一緒に遊んだ人を何とかしたいって思うとね。同じように遊んだ子が浮かぶ。早く一人前になりたいって大人に交じってがんばってた。ある日、流されたって言われた。冬の漁でのケガが悪化して春に亡くなった人もいた。安全な採取でも危険はある。小さい頃に遊んだ子はずいぶん減った。俺たちは獲ってもみんなのためにして少しずつで、いつも腹ペコだった。ぶよっとしてるアイツに昔、なんで働かないんだって聞いたけど、答えに怒った気がする。たぶん、あの瞬間に(あきら)めたんだなあって。

 毎日、みんなと生き残るのに大変で、それから気に掛けてなかった。あいつらが追放されるってウワサを聞いて、心がザワッとした。それでって、思っても身体が動かないよ。


 多いからね。上から思念の圧力を掛けた。収穫の時と一緒。内容は「食べ物がいっぱいで暖かい新天地へのお誘い」暖かさの他は今までと同じだけど、働かない人達を僕が認めないって印象は残ったと思うからね。今までと同じで暖かいならって出てくるかなって、(うそ)は言ってないし。強制させるとそれを理由にされる。

 このキャッチフレーズはしばらく記憶に残る。自分で選んだって事が大事なこと。

 まあ、残ったら「罪を問う」だけで、結果は同じなんだけどね。これからは自分たちの力で生きてもらわないといけないから、心の位置は大事なの。転居する人達の事を気に掛けている人がいれば、夢で葛藤(かっとう)するかもしれないけど、やっぱり結果は変わらないと思う。


 色々と考えていると、住居の上(家賃が高い)の方から人がワラワラって出てくる。玉がボンヤリ光ってる。妖精さんにお願いして、すうっと持ち上げてもらって、次々に入ってくるのをまとめて(はし)っこに紐で留めていくの。倒れるとケガするかもだからね。

 上がってくるのが居なくなって、ちょっと池の方に移動する。人影が見える。湖の人魚さん達だね、久しぶりって声を掛けても夢の中、幸せな顔をしている。罪悪感があると悪夢も見るんだけど、どの人達も無いみたい。この地にも愛着は無しか。

 予想した全員がいて、これでオワリ。残った人対応も無くて良いはずなんだけど、(むな)しさがいっぱい。池に誰も居なくなった。部屋の片付けは明日、というか今日ね。スススって上がって、最速にして南を目指す。南の海岸って思っていたんだけど、ス〜ちゃんのこともあるし、ちょっと離れた島に着陸して、パカッと開けてぎゅっと押し出してもらう。


 立って寝ると疲れるよって、グーグー寝ている人達に声を掛ける。まあ返事はないけど。

 ごはんは、ちゃんと獲って食べるんだよや服を着てねや、子供のために家作りなよって言ってサヨナラした。関わりがほとんど無かったし、悲しさは無いなあ。最後に幸せな湖の人魚さん達の顔を見られたのが、良かったなだけ。


 里に戻ったのは、草木も眠るって言う時間で町の街灯が嬉しい。で、うずくまる人影〜は、お買い物隊。まあ予想通りで全員を謎のロープで引っかけて、東の方に飛んで行く。

 ずっと各棟預かりで管理棟で寝起きしていた人達が、今日から家に戻ってるの。各種支払いしても、ゼロライン突破確実だしね。相変わらず道具の使えないのが居るけど、強制的にやらせるにしたから大丈夫。じゃないか。


 それで、今晩は管理棟に誰も居ないから、飾ってある貴重な宝石や鉱石を狙うって思ってた。当然、妖精さんにお願いしてあって、任せってて楽しそうだった。

 商店街の夜の防犯に大活躍してもらっているんだけど、最近来なくなったから、どうかなって頼んでみたの。

 警備の子供達から意見を聞いて改良をしてあってね。音くらいじゃ走って逃げるだけ、ニオイも弱くしたから気にしないなら、痛みと(かゆ)みだって、どっちかはイヤだからって。チクチクして、じわあって(かゆ)いのにしたの。これは防犯の軽いとこだけね。高いとこは効果が段違いなので、すぐ動けなくなる。

 回収したら、小っさい洗う石鹸をあげてぽい。たぶんすぐに丁寧に洗えば全部落ちるけど、すぐそばに水場は無いし渡されたものが、そういう効果があるとか使い方とか知らないよねえ。


 妖精さんはミラクルなんだから、顔だけじゃなく、服着てるのに身体に付くし、当然服にも臭いが付く。何個当ててるのかも知らない。このお買い物隊は僕の手紙を元商店街の人達に渡しただけで、その後は近寄っても来ないから、防犯のこと知らないの。昔作った井戸の防犯システム止まりだから、ほっとけば5日くらいで消えると思ってるんじゃないかな。これは改良型だし、妖精さんのはミラクル強化してるから、僕もどんな効果とか、いつまでって知らないよ。最新のが20年だから、もっとだと思う。点々じゃなくて、何かの模様とか色とか、臭いもスゴイかも。点々のやオナラの(にお)いが面白いって喜んでいたし。ちょっと効果が怖いので、中に入れないで吊り下げてるってこと。ちゃんとノルデンを(おお)っていて(にお)いの確認は出来ないけど、ずっとモゾモゾしてるから愉快なことになっている気がする。


 朝ぼらけの頃、この人達の出身地の商人の国に着いた。吊り下げているだけだからスピード出せないし、高くも上がれないから時間が掛かったよ。この国は実力主義だそうで、獣人であっても、ちょっとしか嫌がられないらしいというのは聞いているけど、そうなら何でアノ国に連れてこられたんだろう。まあいっか。


 広場にぽてっと落として、ロープもポイする。オナラ臭くって、変な模様がクルクル変わって、身体を始終ボリボリ()いているだけだから、受け入れられるかな。認証具は止めているから、売らない方が良いというあの経緯も・・聞いてないか。僕ら関係の記憶は夢の話に差し替わってるの。時間があったから、じっくり細工してある。


 急いで帰るときに、たくさんのみんなの顔が浮かぶ。何となくな人が相変わらず多いけど。今日は海の町の始まりを作る日。空いた心に頑張ろうって気持ちをつめつめして、3つのまちの幸せを考えてみていたよ。

人魚さん達は、楽園にご招待。

そこそこ働けば何とかなるんだけど・・文化的な生活は望み薄。

お買い物隊は・・もうどうでも良いか。


またね。

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