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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
14章 収穫なんだけど。
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105 かうんとだうん。

最後が近いの。でも気持ちの変化が無くてね。

里は悪事の予感。

ルミナリエは変わらない日常、まあいっかにしたいって。


暦は旧暦、9月の終わりで秋分を過ぎたあたり。今日もありがとね。

 昨日はやっぱり、夕食作って花火もした。準備大変だったよ。お姉さん達は「どうせやらされるんだから、あきらめて用意しとけばあわてないのに」って言うけど、それはイヤ。僕がやるのは違うんだよというのは、たぶん聞いてくれないけどね。

 もう、8月もオワリ、秋もね。気分的には一月半ずつの短い秋と冬。季節の呼称は、決まっているものじゃないから、暖かいと寒いで夏と冬しか言わない人もいっぱいで、北は特にその傾向があるって本で読んだ。単純に考えれば、昼が長い期間と夜が長い期間が同じになるって思うけど、夜が長い期間は短いの、不思議。


 事実、当たり前を変って思う方がおかしいって良く言われる。アノ国では怒った顔で、ここでは困った顔で。可笑(おか)しいなら笑えば良いのにね。

 トリが空を飛ぶのは当たり前にするとそこで終わる。たくさんのおかしな人が1000年以上かけて不思議を明らかにしてくれたから、この前、僕は飛ぶことが出来た。浮かぶだけのは、すぐにミコが実現しちゃったから「トリのように」を付けてみんな頑張ってくれたんだよ。アリガトウ。

 当たり前って何だろうって最近よく考えるの。キッカケは車の道具。歩くって当たり前でしょ。作ったけど動かせないがいっぱい。いつも僕に「当たり前、分かってる」って言ってたよね。それで分からなくなっちゃった。 


 駆け足で秋が来て、冬になって春が来る。冬は短いのにとっても厳しい。「お前らを振り落とす試練だ」ってお金持ち達は言う。試練と言うには愛が無い、それを僕達は乗り越えるように、頑張っているの。仲間とね。

 人の世界の罪に対する当たり前と人魚さん達の当たり前、これって誰かが決めてることでしょ。何でって考えるとね。罰じゃ無い理由も浮かんでくるけど、それは今の僕達には必要無いから、みんなは困っているんじゃないかなって思う。僕はモノみたいに、転がらないサイコロは要らないとか考えてる。罪を決めるのは誰かの都合で当たり前なんかじゃ無い。僕が決めた。選別の期限はもうじき。


 前の段に里は収穫の受け取りを集中させて忙しくした。すごく。手伝ってくれたら感謝をいっぱいするって思うくらいね。そうしたら深い罪でも(かば)ってくれる人達が出てくるんじゃないかって思ったの。みんなも期待してた気がする。でもね、ずっとフラフラと楽しそうにしてるだけ。

 忙しく真面目に働かされて、ゼロライン達が安全圏に全員入ったのが、いい話。

 ルミナリエは働き手の半分が、こちらに来てるので、やっぱりいっぱい仕事がある。来ている人達も同じことを考えた気がする。10日のうち、5日くらい働けば家のお金や当面の生活費は稼げる。半人前でも。

 せめて何日かでもって、みんなの願いが届くかな。届いて!って思う。


 月の最後は、暦に変化を付けるために月の日が無いの。新月にちなんでて今日は火の日でね。最後の日は月の日になる。月の始め徴収なので、この日の仕事終わりで終わる。ぼくは見込みで、たぶん。というか事件が起きる、たぶん。

 みんなの期待は分かるけど無理だよ。僕は事実が全部分かって分析して行動を見つめていて答えはとっくに出てた。みんなの答えもすぐだったけど、気持ちが落ち着くの待ってただけ、期限はみんなの心のため。

 改心を見せて欲しいのは、たぶん自分たちの気持ちため。今から働いたくらいじゃどうにもならないし、気持ちが変わらないのはわかる。行動で移動の時の処置や運び方が変わるだけかな。

 みんながチラチラと楽しそうな彼らを見てるし、わざとらしく「忙しいなあ、誰か手伝ってくれないかなあ」と言ったりする。彼らが何であんなに余裕なのかが分かるから、感情が揺れないし(おろ)かって思うだけ。


 今日から商店街は人魚さん達にお任せしてるので余裕あるはずだったけど、収穫のあとの片付けと土作りで苦労しているそうで、指導の人達が今日も行ってるの。調査情報で良い土のところを選んでいるんだけど、まさか土作りをしたこと無いって思わなかったよ。予想の収量より、かなり少なくて粒は小さいし変だなあは思っていた。世話の仕方も()み合わないとか、冬に鳥獣に荒らされるって、片付けもしなければ餌場になるよ、当たり前。

 仕方ないから、言う通りにやれってしてる。オカルトエッセンスは保険だったんだけど、やってて良かったよ。今までのやり方、全否定だもの。

 予定より足りないし品質も。きっと大麦・小麦やら買わないとになるけどしたくない。コメを作り過ぎてて良かったって考えててね。この際、不思議を追加してもイイヨねって、徐々に増やす予定だった畑を予定まで拡張しようとかも思った。足りない分は新しい畑でちゃんとした品質のものを作らせる。何人かにピンポイントなオツゲがある予定。

 毎年、これを繰り返すの面倒〜、一度に済ませよう。キリッ。


 ケイジで作らせたのは、クシ状の歯のもので、そこに穂を通せば(もみ)から簡単に外れるもの。今までのは叩いていていたから、実を割ったりしてダメにするのもあったよね。早いし茎も痛めないもので、かなり画期的でね、納品は籾にしてもらってるの。ワラは内職に使うから、丁寧(ていねい)に扱うよう伝わっているはず。せめてこのくらいはやれるよね?だったけど、大丈夫で良かった。

 石やゴミが混じってるのとかイヤだし、作業の分、受け取りが遅くなる。歩留まり、変換率の記録が無いから分からないけど、任せるとロスがかなり出そう。「妖精の取り分」どころか貴族の取り分くらい。

 心配するくらいならウチでってした。道具作れば簡単だしね。籾殻(もみがら)って、動物さん達大好きだし、よい肥料になるよ。

 あと、ぶどうも果実のまま受け取った。面倒だからお任せって思ったんだけど、衛生とか考えて無さそうだもの。汚い足で足踏みって思ったら、イヤ〜って思っちゃた。良品の選別やゴミ取りは自分でやって安心したから良いか。

 届いたものを次々素材化して、新しい倉庫で休憩中。ぶどうは蔵のとこで、お酒の原料の大麦の蔵がある。すっかり蔵街になったよ。やっぱり掘を作りたいって、でも運搬用途は無いから、浅い池にした。水の風景はやっぱり合うね。それを聞いた人はみんな「また無駄なもの」って言うけど、見るとまあ良いかって。キレイでしょ。

 ここ、冬は遊び場にするよ。


 収穫して、すぐ生産って思ってたんだけど、大事なルミナリエの稼働があるし、予定外が重なっていて、今のところは原料の粉だけ販売してる。石やカスが入っているのが普通なんだけど、真っ白でキレイなの。2級品より、ちょっと安いはず。はずっていうのは街の情報を集めてないから分からない。

 働いてる人達も商店街には全部あるし、ここの方が良いものばかりだから出かける必要が無いっていうの。外は危ないって、お金持ちに間違われて怖い思いしたんだって、ちょっと嬉しそう?


 商店街の大量の”できる”人魚さん達が(必要最低限にした)促成の方法を消化して、僕達が教える方法で困ってたのを何とかしてくれて、居なくなっても大丈夫そうを感じる。そのやり方をマニュアル化中。これを最初に用意したマニュアルの前に持って来て、後ろにもう1個足して、勉強が進めば困った人達をマトモな店員に育てられる。ルミナリエでもすぐ始められるねって思ったよ。


 9月に入ると、今度は綿花や麻、木の材料が南の方から入ってくるの。東に会社作ったから調達先は東に変わるはずで、余る予定のが運営資金になって〜、お金足りなくって〜、商店街で(おろし)を始めてるの。ものは大量にあるし、行商やめちゃったから売ってくれるんなら良いかなって。


 ケンシュウは順調で、もう少しで塩製造が何とかなりそう。色々な準備が揃っていってるのに、あれもこれも集めて製造に入りたいって、忙しくしたいって不思議な気持ち。

 オツカレサマって1日が終わるときにドキンってする。僕たちの当たり前に合わなかったけど、合う場所に連れて行くね。バイバイする人達はきっと幸せになるって分かるんだけど、「真面目に働く」って条件付き。

 フリが出来るんだから、きっと大丈夫って。この頃こんな感じ。

割り切っているのに、平気なはずなのに

一日の終わりがやってくるのがイヤ。

また今日も無かったなって。


また見てね。

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