表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
13章 秋まっさかりです。
104/853

102 またねは嬉しいこと。

お別れが近づいてる。

でもその方が幸せって感じるから、

僕は平気な顔をして選んでねって言うの。

ずっとサヨナラじゃ無いんだよって。


きょうもありがと〜!

 町を作った時に一番近い街まで、2日半かかってるの。往復だと7日から14日で人によって違ってた。今だと2H弱で、き〜ちゃんだと1Hちょっとで着ける。すごく遠いはずのルミナリエだって、船バスで2H半で、ファントムなら1Hかからない。

 東の国は、遠く離れているっていっても、1日で往復できるんだから、ちょっとそこまでくらいだよって、みんなと自分に言い訳する。だから僕のことを気にしないで、自分の一番を選んでね。


 ごはんが終わったばかりなのに、おやつのことを考えているの。心がザワザワしているから、食べ物に僕の注意をそらさないと泣いて引き留めちゃいそう。

 行っちゃうって思ったらジワ〜ってしてきたし。

 今日のは試作。といっても保存方法のお試しで、作って急速冷凍したものをおやつの時間に合わせて常温で解凍中なの。これが上手く行けば、ルミナリエでオヤツと商店街でスイーツの店を始められるんだよ。あとココでも。僕はどんなに気持ちがアレでもジッケンするし、みんなをテストに利用してるの。ただ楽しんでもらうっていうことは無いというより、何かを基準にしないと気持ちが分からないからかもしれない。


 シュワシュワはとっても大事なの。パンやお菓子をふんわりさせるのって大変。エールのシュワシュワも1月くらい掛かってる。大鉱床が見つかってね。もうお手軽にフワフワに出来るし、シュワシュワの飲み物は人気なんだよ。

 おかげで、高いはずのものがウチではフツウと変わらないの。何故なぜかふんわり出来るパン作りの粉やお菓子の粉は人気商品でもある。簡単に美味しくできるの。


 それにね、商店街の人達は計算や読み書きを出来るようにしてもらいたいし、調理が煮るか焼く、味付けは塩だけで、それもケチケチするなんて許せない。商店街で食べたり飲んだりしてもらうものは、僕が美味しいって思うものだけ。今は焼きメンにユデメン、オヤツはパンケーキくらいだけど、フワフワのケーキを出したいなあって。美味しく保存できるなら、里で作れば良いって思って作ったのを保存して、初めての試食がこれからなの。

 そう、オヤツは大事。最優先!


 今日は、東の国の都市すぐ近く。結界張ってるので飛んでいるのを見られることは無いけど、流石さすがに都市の中に作るわけにもいかなくて、ちょっと離れたところ。定期便になりそうだし、こっちを拠点にして欲しいから、ちゃんと作るよ。

 予定地は買ってもらって、マーカーを置いてくれてるから、すぐ見つけられた。広々原っぱに大きい工場と木造のおっきな管理棟を作ってノルデンを収めたところ。倉庫に屋根は無いの。道具で疑似結界を張る。ここには維持できる人が居ないと思うからね。

 ここは普通の廃工場街だからね。外観は、まあそれっぽい。更地さらちに突然工場が建っても、新しく見えないから気のせいで済むかなって。この国は進んでいるから、石炭で走る車がある。僕らの車は最新型の無煙車ってことにして、車のまま使ってるはずだけど、大丈夫かなあ。食堂くらいの事務所におやつを運んでもらう。下にベターってなって横がパカって開くの。積み下ろしが楽で助かる〜。

 おやつを並べてもらって、お湯を沸かす。準備万端。美味しいにおいでいっぱいになる。


 しばらくして、車が入ってくる。お出迎えするとパラパラって降りてくる。知ってる人と知らない人。僕に誰かは分からないから、認証具を持ってるかどうかなだけ。認証具の情報を視れば、名前や僕が入れた覚え書きと照合して間違うことはないの。空中を向いて(見ながら)話すから、あやしい感じにならないよう気を付けてはいるけどね。

 紹介し合って、初めての人に仮番号を付けてメモメモ。新しい人を家族にする(認証具を渡す)かどうかは、よく視てから。オモチャの耳とか尻尾を付けてるのはマイナスポイント。


 まずは、おやつを食べてね。ここではたぶんおやつの時間だけど、僕たちはお昼時間なので軽食もいっぱいある。僕も食べる。

 フワフワ感は問題ない。味も大丈夫。うん、始められる。お茶は軽食とケーキに合わせたものを2種類。良い香りでしょ。

 周りも美味しい顔だ、嬉しい。「なかなかウマイ」「美味しい」って、何個も食べている、知らない子達はケーキを4個目だって。

 競争しないで、ちゃんと味わってよ。

 残っても捨てることになるから助かるけど、ケーキの食べ過ぎは太っちゃうよ。このお菓子は生地やクリームに、乗ってる果物も砂糖漬けで砂糖いっぱいだからね。


 聞くと、会社はもう作ったっていうか、尻尾の人達がゴッソリ抜けて、残ったヤツらで仕事回らなくなってつぶれたのをそのまま安く買い取ったそうで、かなり浮いたって。

 ○△商会・・「私が居たとこだ」って、つぶやいているのを聞いた。

 東の国の人達がみんな有能じゃなかったってことらしい。何でもかんでもやらせていたせいで、変わっていたやり方を覚えていなかったり、自分はやればできるとか、良くある話しだし、ウチにも居るね。

 帰ることで気になっていたことも無くなったし、迷いは消えたかな。


 連鎖倒産が起きて、尻尾の人達の違法雇用が明らかになって、当局の捜査があちこちに入った。前の辞める時の苦労は無くなったって、それでこの人達ってこと?

 今回ちゃんと調べて、尻尾の人の立場が急落したっていう話は怪しい会社内だけのことだそうで、一時期のチヤホヤが無くなっただけということを聞いて、尻尾の人達は、ガ〜ンってしてる。

 お買い物隊に帯同した尻尾の人も「分かる〜」って、「私らも役人達に詳しく聞いて、街を調べて、すごく驚いたもの」だって、ウチのお買い物隊も(だま)されていたんだねえ。


 ここではケモミミも珍しいから、面白そうで寄ってきたのが、この人達か。不遇とか関係なさそうだもの。

 ウチの人達だけ、何人か引っ張って来てね。

 戸をパタンとした途端とたん・・

「何あれ」「オモチャの耳付けて!」「チャラい」僕が言うより先に、言われちゃった。

「ほら〜。だからダメって言ったのに」

「そうかあ。可愛いじゃないか。い、いて〜」

 がしって、肘鉄(ひじてつ)されてる。


「ウチは秘密が多いんだから、勇者の仲間みたいなのはちょっと」

 僕が否定っぽいことを言うと・・

「馬鹿っぽい」「遊んでそう」「きっと問題を起こす」「派手はですぎっ」「ケバい」

 もう散々(さんざん)で・・・

 どうやら、取引先になりそうな会社のお嬢さんとその友達らしい。若い子に鼻の下を伸ばして、連れてきたって事で、雇うとかではないって。この人って仕事はちゃんとしてるのに、他がアレレなんだよねえ。

 まあ、今どきの子はこんな風らしいから、ニンゲンの子の率直な意見を聞けて良かったよ。

 楽しいとき(イベントや商取引)は良いけど、その他は差別するの。自分が人として扱われない奴隷でもね。例外は居なかったから、境遇はどうあれニンゲンの受け入れは慎重になるよ。


 外の人に飛行の道具を見られると困るので送ってもらった。

 車の荷物をガ〜って降ろして、ドンドンってノルデンして「一通りは揃ってて、節約出来たから、ちょっと多めにしてる」で、ニッとする。

 段取りは順調で、会社丸ごと手に入ったので準備が終わってるし資金もタンマリ残ってるよだって、仕事はカッコイイのにねえ。


 田舎の開発は説得段階だそうで、ニカッとされる。あ〜分かってるよ。インフラだよねえ。

 人員は、良いタイミングで会社が連鎖倒産して、ゾンビみたいになってるのを今、療養させているところらしい。身体が弱ってるのが多いそうで冬前に助けられて良かったって。心が休む時間も必要だから、ゆっくり治してもらおうね。僕がやっても良いけど、すぐ働いてもらうと思うよ。

 ちょうど、事務所の上は社員寮にしたから、こっちに移ってもらってね。


 前の時に辞めさせるまで出来たけど、移住に来なかったのも採用してるって。接客の一時雇いとかをしていたらしい。今までの会社勤めよりラクだし、給金が良くなったって愚痴ぐちみたいに言っていたって。

 幸せに働いている人まで集める必要は無いから、ここまで。かなり助けられて良かった。

 田舎が気になっている人は、開発をやれば良いし、外が気になっていれば里に来れば良いよ。でも居ないよねえ。都会を目指してきたんだから移住は選ばないよ。


 前に伝えきらなかったところをちょっと話して、これからのスケジュールをう〜んて考えてから、はいって渡す。短い冬を準備にあてて、会社や開発やインフラはその時。田舎に年越し用の支援をお願いしておいた。

 来た目的は完遂してるし、準備はゆっくりだから、すぐの仕事が無い人は一緒に帰ってもらう。勇車隊だった人は必ずってお願いする。明日から収穫の受け取りが始まるの。僕達でも代わりはできるって思ったけど、会ったこともないのが受け取りするのは、警戒されると思うし、これからのお願いもある。


 尻尾の人達、みんな帰らないかもって、ドキドキしてたけど東に行くって決めてた人が会社運営になって、お手伝いで参加した人や勇車隊は、帰るって言ってくれる。里に残ってくれるのは嬉しいし、もうお別れで会えないかもって思っていた人達も会社にかなり入ったり、故郷に帰るって人のところを開発にしたから、お別れにならなかった。れていたけど帰るって言ってくれる。そのおかげで帰る人が予定より多め。


 車が次々と入ってくる。出発の時は見てて不安だったけど、かなりスムーズに動かしていて馬車仮装もみんなが見せてくれる。廃工場に勝手に置いていたらしい。大きいし、並ぶとなかなか迫力もある。

「移動中は走らせるだけだから飽きるし、仮装は良い気分転換になるの」

 毎日やって、苦手なところは教え合ったりして全員が出来るようになったそうだ。馬の世話が無くなったのが楽で助かったし、毎日かなり進むのが愉快ゆかいだったなんて楽しそうに話してくれる。馬車が3倍になるのは迫力があるし、逆は笑えるっていう。


 工場風の建物が古くさい、いつのだって言うから、これは50年前のって答える。アノ国は観光や食べ物に関係無い資料は少ないから、見た中で一番新しいのにしたんだけど。

 それより前だと木造の平屋になっちゃう。大きいのになるとお寺やお城になるから変でしょっていうと、当たり前だ、選択肢に入れんなって言われちゃうの。

 確かにカッコイイ車と合わないね。チグハグだけど、車揃えただけで建物の改築まで手が回りませんでしたって、新興商会っぽいよ。


 飛行の道具を見上げて、うお〜って。品物入れるときは、ちゃんと見てなかったけど、改めてみるとデケエだって。前のも太ってたけど、これはデブデブだ。獲物を丸呑みした蛇だあ、なんて言うの。

 上は開いてるけど、雨は入ってこない。なっちゃって結界を道具で作ってるっていうと、うへ〜って。

「電気だといくら掛かるか分かんねえなあ」

「そうよねえ。向こうに居たときは当たり前だったけど、こっちに来てすごかったが分かるわ」

 帰る人達は、比べたら便利だから帰るんだなんて、理由をこじつける。そのバレバレな気持ちが嬉しかった。


 お見送りの人に「またね」って言って、ス〜ッと浮かび上がる。風がスゴイから、お見送りは工場の外から。ちょっと上がって結界を張って姿を消す。

 このサヨナラはルミナリエの時と一緒。僕達の場所がまたひとつ増えたよ。


 荷物のリストを見ながらニヤニヤしてる。この前追加したのも、きっちり入ってて嬉しい。普通じゃ手に入らないものまである。すごいなって。

 新しい尻尾の人に田舎が真珠の養殖をしてるって人がいて、やり方と注意してることを聞いたの。

 開発の仕事を喜んでいるから海に来てって言えなかったからね。

 聞いたことを僕たちの失敗と合わせて考えて、分かったって感じた。うん、これで大丈夫になる。すぐに同じ成功率には出来ないけど少しずつやっていけば良いんだから。


 あれって思って、登記したなら付けてるって思って

「そう言えば、会社の名前を聞いてないよ」


 尻尾の人達とお買い物隊が見合わせてから、声を合わせて

「「「「ノラネコ商会!」」」」


 何で?ってしてると、尻尾のお姉さんが尻尾をユラユラするから、ウズウズして、えいって追っかけるをしてると、あははって周りが笑って、ホラねって言う。ハテナ。


 ちょっと遅くなっちゃったから、夕ごはんを作って、いただきますをする。スープには、たべたかった白くてフワフワのが、ジャガイモと仲良く入ってて、ニンニクをきつねあかぎつねに炒めて、貝をワインで蒸したのとメンに絡ませたもの。匂いが強いんだけど、排気の改良をしたから大丈夫。この料理には東の調味料が隠し味って説明しているとね。


「なんで名前で呼ばないで東の調味料って言うの。2つの区別が付かないじゃない」

「え〜っとね。しょう、ゆ〜って、ルミナリエの近くのイング国の言葉で

 お前を見せろって意味で、み〜、そ〜で私も見せるになるの。

 恥ずかしいから」


 ぽか〜んとみんながしてから、わははは〜って笑う。そんな意味が!

 いやそれ違うから。面白〜い笑える〜って。みんなに教えた〜い。

 ホントはって・・いわれがわかんね〜で、またどっと笑う。


 えへへってして、勝手に違う意味つけちゃダメだったよねって思った。言葉は想いなんだから正確にだったねって。

 僕は言葉を聞くとね。色んな意味が浮かんじゃうから。

 しばらくは恥ずかしいけど、ちゃんと名前で呼んであげるねって。僕もって。

サヨナラちょっとだった。

またねがいっぱい。

サヨナラもずっとにしないの。追いかけるの。


また会おうねっ♡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ