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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
13章 秋まっさかりです。
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100 よく働いて、いっぱい遊ぶ。その4

嵐の影響はやっぱりあったの。

だいたいの人は、いつも通りこもって、じっとしていたらしい。

海はしばらくは荒れるだろうし、怖い記憶は刻み込まれているの。

大丈夫って分かってくれたかな。


100話、パチパチ。これからもね。


 ルミナリエの街を一回ひとまわりして、戻ると頭に玉が浮いている人達を見かける、赤。「わらわ」ってことだ。ラインがいっぱいあって人気者ってわかる。

 そういえば、最初に来た時に一番(えら)いって言ってた人は、こんな感じの人だったな。何が言いたいのか分からないし長くって眠くなっちゃった事だけ覚えてる。

 ごはんには、かなり早いし家に居るだけだとツマンナイから出てきたのかな。嵐ではどうしてたんだろう。怖かったはずが安全になったしか思わなかったらイヤだなあ。説明会は無視されたし、アレコレの見返りは大きいよとか、タテマエを言いたいけどガマンしておこう。


 今まではね。貧しかったから太れなかっただけ、場所が変わっても男の人達がかしずいてくれるのかな。お相手がいっぱいでごはんをいっぱい獲ってくれて、このままの怠惰たいだな生活だと、豊かな南の海はまん丸にしてくれると思う。すごく太ると切り替えが壊れて、ヒレにしたら戻せなくなるかも。

 ヒレの方が安定しているからなんだけど、トドに間違われて狩られる気がするよ。


 ルミ姫たちに修正したところや改造したところと意図を説明して、今後の生育計画を相談する。育成用の確保に冬の本格漁の話、探索計画なんかもある。

 そう言えばって、流されアーサーって料理出来るのって聞くと、みんなが首を振る。来ている人達の中にごはんを作れる人がいるか分からないけど、海が荒れて何日も食べられないのは良くあることだから、気にしなくて良いなんていう。

 まさか、嵐ではどうだったのって聞くと「もちろん食堂でもってた」トックンするって聞いてたから試食しないとな。「ガハハ」って笑って、はしたないってペシッって叩かれる。じゃあ他の人はガマンだろう、海が荒れるより短いから大丈夫なのかな。


 里と同じってことかあ。食料はあるから、それぞれが自活できるって思ってたけど、生活力低〜い。大勢だとそうなの?分業しちゃうの?

 ケモミミ達が特殊って思ってたけど、人魚さん達もかなり変。

 おかしな分業をするから働かないに気がつかないとか、お役目とか。おかしな事を言い出されて認めちゃうのは種族の維持を人質に取られたからは分かったけど、特化して最低限の生きる力(ごはんを獲れる、作れる)も無いのってカイコみたい。勉強に家庭常識を入れないといけないかも。

 生死に関わるよっ。教える人材がいないとか言ってられないなあ。


 急いで帰らなきゃって、バイバイして、着いてすぐに宿をのぞくと、()からびてるのが転がってた。何で作れないって言わないかな〜。

 手を洗って、コメを柔らかく炊く、今朝と同じのを作った。水も分からなかったらしく干物(ひもの)になりかけ。海の町とはキッチンの仕様や食料庫の配置はだいたい同じなのに、何で?

 この人達は人魚さんの中では、まともな方なので、すごく不安になる。

 お腹がフツウになったみたいなので、ちょっと休んで、お昼は湖に来るんだよって強く言って湖に行く。

 大きな笑い声も聞こえる、ヤッターやヤラレターもあって楽しそう。


 浜の食堂に入ると食べ物の匂いがする。誰か入ってくれたんだね、良かった。

 お昼用意しなきゃって、調理室に入るとあさってるのが居る。作るから出てけにして、乾麺を()でて、卵を割り入れて、調味料を回しかける。魚の乾かしたのを削ってネギ刻んだの乗せて、溶かした粉を揚げただけのも乗せる。3人分のをペロリ。


 う〜ん。お腹が減って、何とかするじゃなくて、そのまま〜っていうの何だろう。飽食(ほうしょく)の国にいてホントの空腹は知らないからじゃなさそうだし、誰かが調理しなきゃとも違う(アノ国では固いパンかじってたはず)。シリアルは牛乳だけだし、そのままでもいい。人魚さん達もそうだし、空腹を無視する病気にでもかかってるんじゃ無かろうか。


 聞くとね。この前の嵐では食べ物を分けてもらったけど「ただ飯アテにすんな」だったんだって。

 うん、もっともだと思う。変な病気じゃ無くて良かったよ。

 食堂に入ってくれた人は無しかあ。まあ休みだしね。休みの朝食はお休み。他の人達は大丈夫なのかな。


 食べ物は、素早く凍らせると味が悪くならないって分かって調理準備済みのがあるから、解凍したり、スープを温める。この間に泥を吐き終わってるのを、次々に(さば)いて、串に刺して何度か返してしっかり焼く。蒸している間に、コメを炊く。タレを作る。

 解凍できている材料を道具にセット。


 ちょっと早めだけど、焼き始める。タレを塗り塗り焼く。塗り塗り、焼くを繰り返すをしてるとね。会話みたいにグ〜グ〜っていってるのが、パラパラってくる。うんそう。この香りが呼び込みの代わり。腹ペコホイホイ。

 今日は選べるの。腹ペコには、満足感がある汁メンって予測してるから、ハイってすぐどうぞ。野菜にもやし山盛りで煮卵付きの豪華版。見た目が何倍もある。

 昆布と乾燥魚出汁でいつもとちょっと違う、サッパリ系なの。美味しいよって聞いてないよ。夢中で食べてるね。


 なんで腹ペコなの。食べるもの簡単なのいっぱいあるにしたよ。って聞くと「めんどくせえ」なんて言うの。命とどっちが大事?

 危機感は全く感じないから、じゃあこれはゲーム?

 邪魔じゃましちゃった、ゴメンネって追加をチャリンチャリンってもらう。救済のつもりだったから、定食1人前料金にしてたけど、遊びならちゃんともらうよって今までの人のも正規料金にしといた。


 僕は生きるための食事じゃ無い。けど、お腹はふつうに減るの。腹ペコはツライ。なんでも食べたけど、美味しくは忘れたこと無いんだよ。僕が人だって感じられる大切なことだからね。

 よく分からない感情や考えがいっぱいある。頭でも分からない。最近は嬉しいや楽しいがちょっとだけ分かるようになっただけ。遊びのコインを命にしちゃいけないというのは分かる。怖いし。


 人は、よく命でゲームをする。自分のじゃ無くって、他の人の、たくさんの命をベットして、土地を取りあいっこする。勝ち負けしか気にしないの。

 減って食費が浮くって喜んだりしてる。アノ国では日常だった、粗末そまつな武器だけで狩りに行かされたり、採取に行かされる。多くの人が帰ってこなかった。

 新しい武器の試しってられたりたれたりもする。キミタチの親って、そうやって亡くなったでしょ。お年寄りまで生きられないの。ずっと見てきたのに、自分からコインを乗せるのが分からないよ。


 なのに、次から次と現れる。海のたくさんの人魚さん達に湖の人魚さん達、お買い物隊の人達にこの人達。干からびていた人魚さん達はどうなんだろう。

 人は「破滅したい」って気持ちがあるって。

 分からない気持ちもイイヨにしたいけど、周りが困るからね、ちょっとお節介(せっかい)はするけど、ゴメンネ。


 頭が理解すると、心のモヤが晴れる。生活を強制にしようは間違い。また押しつけようとしちゃった。分からない考えも大事にするって決めたのにね。

 匂いで呼び込むは止めて、中にも広がらないように焼きは調理室にして完成の手前で止めるの。出すときに仕上げ焼きをする予定。後は小麦粉生地をハンドトスして、チーズや具いっぱいのを焼くよ。スープは小麦粉とミルクの野菜と貝のスープ、貝は湖産で、商品化準備中なの。


 お昼の時間になったので、灯りを付けてドアを開けて、メニューのカンバンを置く。今日は選べるよ。

 しばらくして、パラパラって入ってくる。注文を聞いて調理室に行って作ってワゴンに乗せて、ピッとすると運んでくれる。椅子じゃない席も大丈夫。僕が運ぶと時間掛かっちゃうからね。

 うなぎは、四角の箱に乗せてタレを掛けて、ハーブをちょこんと置いてフタをする。出汁(だし)を引いて味を調ととのえたものに、ウナギのきも入り。前はお皿で出したけど、白いコメに乗せてみたの。フタを開けると匂いがふわっとする。タレが掛かっているのも美味しいよ。こってりだからアッサリスープ。手間が掛かるので、ちょっと高いけど、元気のもとは入ってるもの。

 飲み物を注文すると器だけ渡す。自分で入れてもらう方法。お代わりOK。持って来てないのにエールが何故なぜかあるね。これは1杯ごと。飲み過ぎ注意で。

 ちゃんと働いてる人には、ウナギをオススメ。コメにタレはとっても合うよ。


 しばらくすると、人魚さん達が入ってくる。元気ないなあ。ケンシュウは仕事だし、宿はお金取ってないの。ちゃんと働いている人達だし余裕があるからウナギをオススメする。

 どんなものってきくから穴子あなごが近いかなって言うとね、引くの。

 これもゲテモノあつかい?

 冷たいメンは美味しいし、汁メンはモヤシを山盛りにするよ。

 前の休みの時は、みんなチヤホヤしたんだけど、湖の人魚さん達に知らないうちに嫌われたんじゃ無いって、何してるも分かっちゃって、フツウになった。仲良しが声を掛けているね。


 食事が落ち着いた頃に聞くと、嵐のときは材料は初めてのモノばかり、料理の仕方が分からないのでシリアルばかり食べていたそうで、金色の蛇口を見つけて飲んでみたら、すごく美味しくて、がぶ飲みしすぎて、みんなしてお(なか)(こわ)していたって。

 ああそれで・・確か下痢(げり)し過ぎてもカラカラになったね。お姉さん達に強めにヒールを掛けてもらう。ルミナリエの人魚さん達全員に生活力を付ける必要を感じたよ。は、置いといて、いっぱい遊んでね。


 ボートでは、やっぱりお姉さん達に勝てなくて、シューティングも強いって言う。狩りに銃も使っていたから当然だって笑ってる。でも打ち合いは楽しいって話しててね。技術を競う系も楽しいかもだって。なるほど〜。

 子供用のつもりで可愛く作った白鳥ボートは、カップルに占領されているらしくて子供達がぶ〜ぶ〜言ってる。あれ〜。

 謎の腹ペコは結構な人数が居て、キレイに完売していってくれる。下痢はまずいって思って、甘味を冷たくないものにしたり、やっぱり船で夕ごはんになって、花火をした。

 いっぱい遊んだね。また明日。

みんな楽しそうで何より。

ゆずり合って、みんなが楽しくね。

あと生活力というか、社会常識? 大きくなってからじゃ無理だよ。

子供達に期待しとく。


じゃあ、またね。

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