098 よく働いて、いっぱい遊ぶ。その2
やりたい事いっぱいなのは、僕のせいなんて言われる。
やれば何とかなるじゃなくて、何とかしてだったけど。
あれもこれもって言われて、楽しくて、やりたいって考えられるようになったよ。
嵐の日はワクワクするの。たのしいな。
昨夜は、いくつもプロジェクトが立ちそうだったんだけど、休憩って僕の秘蔵のお酒(試作中)を出したり、小さい入れ物に砕いた氷にお酒と果実を入れたのをシャカシャカして、色んなのを飲んでもらったら雰囲気が変わっちゃった。
ぐ〜ちゃんズやき〜ちゃん用に、お酒じゃ無いのも作ったんだけど、風味付け用のお酒に漬けた果実をお菓子と勘違いしてパクパク。
あっちもこっちもワヤヤ〜な感じになっちゃった。みんな楽しそうで何より。
収穫が来て製造が一段落すれば、商店街にお酒の店を出す予定だから、そのメニューを試飲してもらったの。大人な人は、お酒が大好きなんだから、すぐにお酒の店ができると思ったんだけど、食堂で飲むくらい。ゴーゴーさがないから、何かのついでに作ってるって感じなの。
アノ国には、エールとワインにミードくらいしかないから、他にあるって知らないのかもっていうのは、試作で驚いていたから分かる。
その後、お願いも無いから忘れていたりして、作っていないのばかり。食べ物や甘味は、ムリばっかり言うから種類がかなり増えてるんだけど、お酒は無いなあ。執着はあるけど、こだわりがないって感じ。
収穫が来たら作るつもりだったから、一通りは作るし、種類は多くなる。味も追求するつもり。飲めないお酒には、全く執着は無いんだけど、お酒の本にはどれも愛が溢れていたの。どれもこれも忘れていくアノ国。知識に執着していたことも忘れていてね。食べ物だけかなあ。
でもないか。美味しいものと美味しくないものが混在してフツウとか、未来を夢見ないとことかが、末期だなあって思う。
執着して、拘り抜いたものに近づけば、知識でじゃなく、心で愛を感じられるんじゃないかって期待しているの。
だから東の国の人達が言う「魂のメン」がずっと気になっていたりするんだけど、定義が分からなくて、時々試して反応を見てる。最近は勝率が悪すぎて遠くなっている気がしてる。
ミードは作るの簡単だし、すぐ出来る。雑菌が入りやすいカミカミ酒より失敗はないけど、蜂蜜は料理(主におかし)用しか無いの。
もしも、ちょろまかしたら恐ろしいことが起きるって本能が警告する、じゃなくて実際にあったから学習はしてくれる。
安いお酒の代名詞みたいものだから、わざわざ作りたくないって言うのもある。そして危険な印象もある。強弱はあっても、お酒なの。旅に腐らないお酒は必要だし、古い街では特に。うっかり水を飲んで具合が悪くなったって良くあること。そのためのお酒なんだけど、安いお店だとミードは水を混ぜるから、水に当たる。意味無くなってるの。
安酒ってことで、味や安全を気にしないもの。ちゃんと湧かす飲み水より安い。僕にとってイメージの悪いものだけど。ミードは次の夏には作るつもり。今年は量が少なかったけど来年はハチミツがいっぱい採れる。正しく作れば、美味しいものだって驚かせるよ。
エールは、ラガーを作り始めたら減っていくというか、切り替えるつもり。
ワインはね。赤、白、ロゼしかないの。当たり前〜じゃなくて、銘柄として3種類ってことで産地によって何となく違いがあるなあだけ。造り方に工夫をしないから、ぶどうそのままの味で、年ごとにものすごく違いも出る。味の違いはちゃんと記録があるから、種類ごと分けて、指定の方法で潰してもらったのを買う契約をしてる。
勇車隊の人達はめんどくさいって言いながら、ちゃんとやってくれて楽しみにしているもの。こういう細かい事をしているから高く付くし、買い叩かないようにお願いしてある。美味しいものを作ってくれてありがとう。来年もよろしくねって。
ワイン(だけはあんまり造らないけど)造りがうまくいって、いっぱい売れたら、もっと高くして喜んでもらうつもり。低級って言われてたのが化けるよ。ビックリしてね。
お酒には名前を付けるつもりだし、もっと違う美味しさのものも作る。味わう楽しさ、選べる嬉しさも味わわせるよ。美味しいお酒を造ると料理がもっと美味しくなるから、僕にとっては大事な事。
ゆ〜姉に言うと全部だって。周りの人達が首を振ってるから、とりあえずって絞ってみても多いっていわれるの。畑の仕事に布と紙の工場まである。細かくって手間の掛かる虫捕りや雑草取りは、トリ達がやってくれる。
道具いっぱいだし、温室して衛生第一だから、野良着じゃなくって、今は研究者みたいな制服でカッコイイ。畑っていうのが合わなくなってるね。
今は、朝ご飯の具を作ってるところで、まだみんな寝てる。お酒飲んでイタタ〜にならないように毒素は抜いてあるから大丈夫なはず。起きる時間を予想してご飯を炊く。炊きたてが美味しいからね。この前の嵐のとき、コメにぎにぎが良かったから今日も同じだけど、具は違うものにしてある。エビの揚げたのは丸ごとで食べにくそうだった。他にスープとヌカに埋めたのを掘り出してトントン切る。
窓から見ると、今日も風が強いけど木は飛んでいない。良かった。あの後、ちゃんと対策した効果があったみたい。飛行の道具は、丈夫だけど軽いから、ちゃんと地面につないでいるの。ここからじゃ見えないなあとか、他のお家はゴハン大丈夫だよねを、ぼ〜っと。それから、ごはんの様子を見て火加減を調節したりする。
ニギニギを始めると、もぞもぞの気配が増えてきた。スープを温めて、顔を洗ってとか声を掛けて、終わった人にスープを盛ってもらったり、運んでもらう。で、みんなでいただきます。
もうね。白いコメが出ても特に反応はしなくなった。ふつうのこと。定着したなあって。
アレしてって、き〜ちゃんが言う。うん分かってるよ。昨日の話はちらっと聞こえてた。
広いところに地形をバーンって出して、直線にところに車をポコポコ出す。前に車練習で作ったもので、大きい分縮尺も大きいもの。これでカーレースのシミュレーションをしようってこと。
いくつか出ていたうちの速さで争う系で、実際作る時は小さいものからだから、難しそうなのから。
ちょっと走らせて調整してから、どうぞする。ここにいる人達は、道具操作で困ったりしないから大丈夫だけど、ボートでは傾けることで平気にしていた外に掛かる力を逃がせないので、カーブでは減速しないと横転するっていうのと、実際の人はかなりキツイから、ボートほどスピードは出せないって話す。
分かった〜って、順番を決めて走行開始。ボートは強弱だけで、曲がるのはちょっとの舵と身体の使い方だったので、分かり易くて車に乗れない人でもすぐに出来た。でもこれは、曲がる限界があるから加減速の調整が難しいし、曲がり方も繊細。
テスト走行が2周程度で「レースやろう」にはならないくらい難しいものなんだけど、余裕みたい。これをリアルでやるには、身体を鍛えないといけないのは、シミュレーションして入ってくる情報で分かる。これはかなりキツくてスゴイもの。
実車では車の作り方もファントムに近い、繊細で難しいものになるから、作り手にとっては楽しいんだけど、飛び抜けすぎていて、これはまだ早過ぎる技術。え〜だろうけど、気にし過ぎるとハゲるよ。
車はブラックボックスにしない、身の丈が良いの。いじれないのつまらないでしょ。だとするとは、かなりしょぼくなるけど、乗るのはそういう方が楽しいって思うの。イベントでやろうと思ったのは、ただ動くだけのものだったし、それでもすごく面白いって。
おおっと事故発生。イエローフラッグが振られて、速度制限に追い越し禁止。
補修の車が入って事故処理して、再開。グリーンフラッグが振られる。・・ってことも話しにでていたことで対処もして、すごいなって思う。
補給や補修のための待避所に入って、充填をしている間に、操作を交代して、飛び出して、コースに復帰する。リアル感を出すために燃料は減るし、タイヤや部品を交換してるっていう、マチ時間は発生する。
二人交代して、ゴ〜ル! 1位は銀とぐ〜ちゃんズの二人。2位はカード王とゆ〜姉にミリ。3位はべ〜姉とき〜ちゃんにぐ〜ちゃんズの一人。ぐ〜ちゃんチームは4位。カタバミちゃんアサガオちゃんチームは5位。ってなった。
夏レースと違って、緻密操作が得意な銀やカード王、べ〜姉がかなり速かった。6位は接触事故でリアイアって、リアルだなあ。それから、チームを変えて何戦かした。レースの度に改良して、かっこいいけど未来感がすごい。
空力に揚力とかアクティブサスって何のことやらって、説明が難しいよ。
ごはんの時もレースの戦術の話しで盛り上がってる。基本、戦いが好きな人が多いけど、こういう戦いは大歓迎。
血の気の多い人達にもっとゴラクをって思ったりしてた。
でね。ごはんの後はさらにリアル。速度は1割くらいだし、広さはずっと狭いの。車はガクッと簡素にした。で、パカッと何人かの頭に被せて、手と足にも付けて椅子に座る。小さい車から見えるのと同じでね。感覚も来る。風とか曲がるときに引っ張られる感じもね。始めるとあんなにスムーズにやっていたのが、オタオタってする。感覚が来ることにビクッてしてるみたいで、見ててちょっと面白い。
けど、すぐに大丈夫になって、スピードが上がってくる。ボートの疾走感とは違っているから、これでもけっこう面白いって思うんだけど。何周かグルグルして、交代してね。
どうって聞くと「「「「おもしろ〜い」」」」って言ってくれる。実際に作るのはこっち。ちょっと未来め程度で、まあいっかになるかなって。あと、これなら子供も遊べる。大人と一緒にどうぞなもの。
「オヤツは、前にぐ〜ちゃんとき〜ちゃんと話したもの」
四角いパンにクリームいっぱいで、果物を甘い液に漬けたものが挟んである。これもふつうのごはんになるんだけど、オヤツは栄養補給でもあるからセーフ。もうちょっとしたら、商店街でお菓子パンも出すから、その時にどうかなあって。
ごはんでも良いんだけど、甘いのばっかりはデブりそうだから、里ではおやつ。お代わりナシ。
「事故は危ないの。でね。これは事故を遊ぶもの」
今度のは、ぶつけて楽しむの。いっぱいコンニチハってする。ぶつかるとビカビカするの。ダメっていうのをやってみたらっていう車。
そろ〜だったのを僕がぎゅーってスピードを上げて、ドーンっでビカビカ。
ぶつけられたぐ〜ちゃんが「ショーゲキきたきたあ、やったなあ」って当たり返す。ドカドカして笑いが起きる。小回りが出来るようにしてあるので、ひょいって躱すこともできる。「うわっ避けられたあ」って笑う。ぶつけられても笑う。
世の中はモヤモヤしてるのが多すぎだからね。乱暴なものも良いかなって。
「今度のはね。ツルツル。冬になるとスベって、ウワってするよね」
どうやってもスベるから、それを楽しむもの。冬になると車がスベる時があるから、対応出来るようにっていうのもある。知らないトラブルは、うぎゃ〜だけど、慣れていれば怖くないかなって。
さっきのは細かい制御が出来たけど、これは反対。あっちこっちにツルツルする。焦って急に舵を取るとクルクル回っちゃう。オタオタしてて、これは見てても面白い。でも最初だけ。慣れてくるとスベるのを見越して運転できる。ちょっと疾走感もあるかな。
また、ワイワイと楽しく。冬でも湖は凍らないけど寒い。ボート遊びは止めて欲しいの。代わりは考えてある。海の街は河も凍るかもくらい寒くて冬の遊びは屋内なんだけど、お出かけは観劇くらいなの。
アクティブなケモミミほどじゃなくても、じっとしてるのはツマンナイよねえ。この冬は、まず生き残りましょうなので何もしないけど、作るなら遊びの建物かなあって思っているところ。
運用は、き〜ちゃん達が考えてくれるから、僕は遊んでいるのを視て調整するの。商店街に常設遊具をちょっと考えたりしているけど、運営が上手くいってからだなあ。
金の日は、車ばっかり。王達が居ると、すぐ「できそう」になって嬉しい。この道具操作は、歩くの延長な里の車の何段も上なの。学習のモチベになるかな。仕事で置いてけぼりを気にしないのが多いけど、遊びだとイヤだろう。元採石場の人達を何とかって。甘々だなあ。
どっちもみんなが楽しく、笑って春を迎えられますように。
お酒〜や遊び〜って、まだまだ楽しいが足りない。
もっともっとって思ってて、遊びの街を作るのをちらっと。
夏の遊びは冬じゃツライ。無理しないで違う遊びしようね。
考えただけで終わったらごめんねぇ。 またね。