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問題

  王城の場にはハンスを取り囲むように、ルルド、テイラー、アマリーが座り、原因の茶葉が机の上に置かれている。


 シェザンヌは安全の為にエリックと共にレイスタン家でかくまっており、護衛の騎士らが配備された。


 今回の事件について話をするために集まった四人の顔色は真剣なもので、ハンスがゆっくりと口を開いた。


「この茶葉は、結局何なのかは分かったのか?」


 アマリーは机の上に書類を出し、それをハンスへと手渡した。


 ハンスはその資料を見ながら息をつく。


「少量であれば確かに健康に良いと言われるものです。ですが、量を間違って摂取した場合、一時体は軽くなりますが、その後体調が悪くなるものです。六歳の頃よりシェザンヌ様はそれを摂取し続けてきたことで、体へ負担がかかり、病弱とされていたものと思われます。これは依存性はありませんので、薬が抜ければ、おそらくはシェザンヌ様は健康体へと戻られるかと。」


 ハンスは額を手で押さえながら言った。


「もし、今後も飲み続けていたらどうなった?」


「おそらくですが、、、不妊や呼吸不全など、、、様々な面で体調を崩していたやもしれません。」


「そうか。」


 ハンスは机の上をドンと、拳を打ち付けると大きく息を吐いた。


「あの、、、何故、シェザンヌ様がこのような目にあったのでしょうか。」


 アマリーがそう尋ねると、ルルドは言った。


「もし、ハンス陛下が失脚していた場合、ハンス陛下はシェザンヌ嬢と結婚していた可能性が高い。」


 テイラーも頷く。


「血は近いかもしれないが、家柄的にはシェザンヌがいいだろう。だが、そうなった場合、シェザンヌとハンス陛下との間に子が生まれては、王位継承権がどうなるかは分からない。」


 その言葉に、アマリーは顔色を悪くした。


 ハンスは頭を抱える。


「そんな昔から、エミリアーデが画策していたとは、思わなかった。テイラー、よく気づいてくれた。」


 その言葉にテイラーは唇を噛んで首を振った。


「申し訳ありません。、、、俺は近くにいながら、、、ずっと気づくことが出来なかった。」


 ハンスは苦笑を浮かべた。


「それを言うならば私もだ。」


 その場に沈黙が流れ、それを破るようにルルドが口を開いた。


「エミリアーデについて洗い直した方がいいだろう。今回の薬師はどうなった?」


 テイラーが肩をすくめる。


「エミリアーデが捕まった直後に姿をくらましている。」


「そうか。」


 アマリーは顔を上げると言った。


「少し、気になることがあるのですが、よろしいですか?」


「なんだ?」


 ハンスの言葉に、アマリーは小さく息を吐くと、言った。


「ベイド・カーネリアンはうちの領でもよく薬草などの取引をしていたのです。」


「ほう。初耳だな。」


「ええ。あまり大口ではありませんでしたが、ですが、今、少しうちの領で問題が起こっておりまして。」


「問題?」


「ええ。関係ないと、、、いいのですが。」


 アマリーはそこで言葉を言いよどんだ。 



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