週刊少年チャンピオン讃歌
数年前のことだ。
ラーメン屋で、ラーメンを注文し、できあがるのを待っている間に、ぼくは店に置かれた少年漫画雑誌を読んでいた。
なんとなく漫画を流し読みし、読者プレゼントのページを見た時、ぼくはん?と手を止めた。
普通、少年漫画誌の読者プレゼントというものは、ゲーム機やサッカーボールなど、今の子ども達が喜ぶ品物を用意するものだ。
その雑誌の読者プレゼントのメインが、すごかった。こんなのだ。
「阿修羅像」
口にふくんでいたお冷やの水を、思わず吹き出しそうになった。
いや、正確には、「阿修羅像ソフビフィギュア」なのだが、カラフルなページの中で、サッカーボールやゲーム機の写真のど真ん中にたたずむ阿修羅様のお姿には、かなりインパクトがあった。世の少年たちに、何をプレゼントしようとしているのだっ!チャンピオン!?(しかもその次の週のプレゼントは、ブルースリーの映画DVD、熱いっ!)
そのあと、あらためて、マンガを読みはじめると、「弱虫ペダル」「グラップラー刃牙」「バチバチ」などかなり面白く、なんだかんだで毎週購読するようになった。
で、今にいたるまで、ずっと読み続けている。チャンピオンの作品には、挑戦的なものが多い。「グラップラー刃牙」シリーズの超常的な個性は、いわずもがな、「弱虫ペダル」も自転車競技を女子にも読みやすいスタイリッシュな形でさわやかに描いたのは新しかった。マンガ大賞をとった「ビースターズ」なんか、最初見た時は、外国のマンガ、バンドデシネかと思った。今の少年漫画で、ああいう作品を連載させられる挑戦心、素晴らしい!
「六道の悪女たち」も大好きだ。とある呪いの力で、ヤンキー系の不良女子だけにモテるようになった、ヘタレな男子が主人公の物語。あらすじだけ見ると、最近流行りの軟弱なラブコメかと思うでしょうが、とんでもない!このラブコメ、かなり骨太です。呪いの力でモテることを良しとせず、自分の弱さと逃げずに向き合い、強くあろうとする姿がカッコいい!
異世界もの好きな方には、「魔入りました入間くん!」がオススメ!
両親によって悪魔に身柄を売られ、魔界の学園に編入することになった入間くん、人間だとばれたら食べられるといった状況で繰り広げられるノホホンとした異世界コメディです。これもキャラが魅力的。
あと、これは読書好きな方なら、ぐっときてもらえると思うんだけど、「餓狼伝」「陰陽師」の小説家、夢枕獏先生が、バキをオリジナル設定でノベライズしています!夢枕先生が描く「バキ」の世界観での格闘描写はマジで熱いです!タイトルは「ゆうえんち」。昔の少年マンガでは、いくつか小説連載といったものも載っていて、江戸川乱歩の少年探偵シリーズや海野十三の空想科学小説なんかが掲載されていたりしたのですが、その形を、今によみがえらせようとする挑戦には、拍手を贈りたいです。(マジメな話、なろうで活躍されている作家さんの作品なら、少年マンガ誌に連載されても、受け入れられるんじゃないかと思います)
そして、次の新連載でも、週刊少年チャンピオンは挑戦してます。タイトルは、「足芸少女こむらさん」
キャッチコピーは、「全足全霊!!生足ラブコメディ!」
・・・・・・足フェチマンガだと?
えっちなラブコメの向こう側へと、読者を連れていこうというのか!
・・・・・・チャンピオン・・・・・・恐ろしい子!