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人造神の異世界創世記  作者: ネツアッハ=ソフ
異世界とのファーストコンタクト
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人造の神、無限の可能性

 リンネは現在、村の外でクオンとマーカスに詰め寄られ、質問攻めを受けていた。


 その会話を抜粋すると・・・。


 「リンネ、貴方一体何者なの?」


 「お前さん、あの時一体何をしたんだ?つーか、あの黒い獅子は何だ?」


 質問攻めを受けたリンネは困惑した顔で二人の顔を見る。二人とも、目が真剣だ。


 「えーっと、・・・どうしても答えなきゃ駄目か?」


 「「駄目」」


 即答だった。リンネはうんざりと溜息を吐く。どうやら、絶対に答えなきゃならないらしい。


 リンネは面倒そうに問う。


 「なあ、もう一度聞くが・・・どうしても駄目か?」


 「「どうしても駄目」」


 声を揃えて即答された。・・・リンネは諦めた。


 「はぁ・・・。じゃあ、まずあの時何をしたかだけど・・・影を触媒に獅子の神獣を産み出した」


 「神獣!!?」


 「じゃあ、お前さんは神様だって言うのか!?」


 リンネの発言はあまりに予想外だったらしく、二人は目を剝いて驚いた。まあ、そりゃそうか。


 リンネは納得した。


 「・・・そうだな。それで、俺の正体だけど・・・」


 「「・・・・・・・・・・・・」」


 ごくりと、唾を飲み込む二人。その額には、一筋の冷や汗が。


 二人とも、リンネの正体に薄々と感付いてはいるのだろう。


 「俺の正体、それは・・・異世界から来た人造の神だ」


 「人造の・・・神・・・?」


 クオンはリンネの言葉に、愕然と目を見開く。一瞬、周囲の時が止まった気がした。


 人造の神。人の手で創られた神。それが、神無月リンネの正体。全てだ。


 元より人では無い。人の肉体をベースにした訳でも無い。


 人造生命体。つまり、造られた命だ。ホムンクルスに近いだろうか?


 しかし、ホムンクルスとは決定的に違う部分がある。


 「そう、人造の神。より厳密に言うと、俺は人の形をした異世界そのものだ」


 「・・・・・・?」


 リンネの言葉に、マーカスは首を傾げた。リンネは僅かに苦笑し、続きを話す。


 「俺は、無限に分岐した平行世界が一つの座標に重なり合って存在しているんだよ。つまり、俺は無限の可能性が人の形を取って存在しているんだ」


 その説明に、二人は余計に首を傾げた。まあ、当然だ。


 今の話を理解するには、量子力学の多世界解釈と重ね合わせを理解するしか無い。


 こんなファンタジーな世界で、それもかなり難解な話をしても理解出来る筈が無い。


 軽く大学レベルの話だ。つまり、専門的な話になる。


 「・・・えーっと、つまりリンネは無限の可能性を宿しているって言う事?さっきの神獣を産み出した力もその可能性の力?」


 「・・・・・・うーん、まあその認識で良い」


 まあ、細かく言えばそれでも正解には遠いのだが。リンネは話を続ける事にした。


 「つまり、事実を簡単に説明すると俺は異世界からの転移者だ」


 リンネはそう告げた。

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