表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人造神の異世界創世記  作者: ネツアッハ=ソフ
異世界創世記
37/38

異世界創世記

 (ころ)す・・・


 何の為に?全ての復讐(ふくしゅう)の為に。もう、それしか道は無いから。


 殺す・・・


 誰の為に?失った全ての者達(ものたち)の為に。それしか、皆に(つぐな)えるモノが無いから。


 殺す・・・


 もう、それしか方法は()い。俺は、こいつを殺さなくてはならない。殺さなければならない。それでなければもはや、失った皆に合わせる顔が無い。もう、俺にはそれ以外の(みち)が残されてはいないんだ。


 だから・・・


「殺す殺す殺す・・・。死ねええええええええええええええええええええええええっっ‼‼‼」


 ただ、俺は全霊(ぜんれい)を籠めて。その一撃に全ての憤怒と憎悪を籠めて解き放った。それは、俺自身が耐え切れる限界を超過(ちょうか)していると知りながら。それでも俺はそれを解き放つ。


 皆に、他でもない俺達の私利私欲の為に生み出してしまったバケモノに()びる為に。他でもない自分自身への怒りと憎しみを籠めて。最後(さいご)の一撃を放つ。


 彼は、俺達が生み出したバケモノは。それを前にして、ただ悲しげに笑っていた。


 ・・・まるで、全てを理解(りかい)したかのように。


          ・・・・・・・・・


 ヨルムンガンドの・・・。いや、それを取り込んだ彼の膨大(ぼうだい)なエネルギーを取り込んだ結果、リンネはその想い全てを理解した。彼は、黒河辰巳(くろかわたつみ)本当は全てを後悔していたのだ。


 リンネという人造(じんぞう)の神を生み出した事。生み出した命を私利私欲で弄び続けた事。その為に、亡くした全ての友人や彼女や仲間達の事を。全てを後悔していたのだ。


 その為に、全てを償う為に、辰巳に残されたのは復讐という名の自滅(じめつ)でしかなかった。


 そう、辰巳は復讐の末に自滅する事で全てに対して()びようとしているのだ。


 だから。それを知ったリンネは———


「ごめん」


 一言、(あやま)った。


 そうして、彼の全霊の一撃はリンネの放った創世(そうせい)のエネルギーにより掻き消えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ