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人造神の異世界創世記  作者: ネツアッハ=ソフ
記憶喪失
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世界の終焉

 神域(しんいき)———其処は大蛇神(だいじゃしん)ヨルムンガンドが封じられた特異空間。星の蛇神を祀る祭壇。


 其処は夜の草原のように、星空の瞬く大草原が広がっていた。此処は一種の異空間だ。


 その最奥に、大蛇神ヨルムンガンドと一人の男が居た。男の名は黒河辰巳(くろかわたつみ)、かつて神無月リンネに復讐を誓いその為だけに生きてきた者だ。


 その正体は、かつてリンネという存在を生み出した狂気の実験を行っていた機関の生き残り。リンネという存在を生み出し、そしてレイという女神の化身(アバター)によって滅ぼされた機関の生き残りだ。


 本来、この復讐心自体が筋違いだろう。何故なら、神無月リンネは只欲望の為に生み出されただけであり生み出した機関もその為に滅ぼされただけなのだから・・・


 しかし、それでも辰巳は復讐(ふくしゅう)せずにはいられない。何故(なぜ)か?


 何故なら、彼は結果として多くのモノを失う事になったからだ。故に、復讐せずにはいられない。


 ・・・そうせずにはいられないのだ。


 金も、地位も、女も、友も、人生の全てをあの時失った。だからこそ、復讐する。


「さあ、世界の終焉(おわり)の始まりだ」


 そして、世界は(こわ)れた・・・

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