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人造神の異世界創世記  作者: ネツアッハ=ソフ
芽生える想い
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決着、そして・・・

 超超高エネルギーを目前にして、リンネは早速行動に出る。パンッと柏手(かしわで)を打った。


 その瞬間、周囲一帯の空間が神聖な空気を帯びて清浄な雰囲気を放つ。リンネを中心にして、周囲一キロに光の粒子が漂う。リンネを(しゅ)とした神域が展開される。


 神域構築。領域操作の究極形であり、簡易的に神殿(しんでん)を形成する術式だ。形勢される神域の強度や規模はそのまま主となるリンネの能力値に依存する。即ち、リンネの成長次第では更に強力な神域を展開する事も不可能ではないだろう。


 そして、基本的に神域とは主となる神の法則へと世界を変異させる術式だ。それは、即ち・・・


神域構築(しんいきこうちく)、モード聖守護王」


 守りに特化した神域が展開される。主となる神の法則に世界を変異させる。それは即ち、異界法則をこの世界に持ち込む事に他ならない。つまり、世界の(ほう)を書き換えるという事だ。


 瞬間、竜王エルの顎から超超高エネルギーの熱線が放たれる。次元を大きく(ゆが)める程の高出力。並の結界ならば一瞬の間すら保たないだろう。それ程の威力だ。


 しかし、この神域構築は並の結界ではない。そもそも、結界というカテゴリーですらない。


 世界の法を書き換え、神域という名の異界法則を構築する術式だ。そもそも、世界を構成する物理法則や物理定数が全く異なる。故に、結界では防ぎ切れないような大出力すらも防ぎ切れるだろう。


 しかし、あくまでも大出力であるだけならばの話だが・・・


「ギイイヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!」


「ぐっ、うううううううううううううううっっ・・・・・・!!!!!!」


 このドラゴンブレスは、次元を大きく歪めている。それは、即ち世界を破壊する威力を持つという事に他ならないだろう。例え、守りに特化した異界(いかい)であろうと容易には防ぎ切れない。


 恐らく、長くは保たないだろう。保って数分・・・いや、数十秒といった所か。


 しかし、時間を稼ぐ事は出来る。それは、即ち・・・


思考干渉(しこうかんしょう)っ!!!」


「グウウゥゥゥゥゥゥッッ・・・・・・」


 竜王エルの思考に干渉し、洗脳(せんのう)を直接解く。それが、リンネの出した答えだ。


 もう、神域は長く保たないだろう。しかし、慌てる訳にもいかない。作業は精密性を要するのだ。


 しばらく、竜王のブレスを防ぎながらの作業が続く。しかし、やがて竜王のブレスが(ゆる)やかに収束してゆくのが理解出来た。洗脳が解けてきたのだ。


 そして、ついに洗脳が完全に溶けた瞬間・・・


「・・・・・・ふぅっ。っ!!?」


 ガアンッッ!!!何か、炸裂(さくれつ)するような大きな音が聞こえた気がした。


 突如、リンネの背後から何かが身体を貫いた。・・・それは、神殺しの概念を宿した魔弾(まだん)だった。

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