デートをしよう
「リンネ、デートをしよう」
「・・・・・・は?」
はい???
一瞬、室内を静寂が満たした。
リンネは意味をよく理解出来ず、怪訝そうに首を傾げた。しかし、クオンは本気らしい。顔を赤く染めながら、それでもリンネを真っ直ぐに見詰めている。よく見ると、若干目が潤んでいる。
そんな彼女の姿に、リンネも顔を赤く染めた。
リンネとクオンの初々しい雰囲気に、レイは心底面白そうに笑みを浮かべ、タマモは興味深そうにぱたぱたと尾を振る。実に楽しそうだ。
そんな空気に耐えきれず、リンネはクオンに問い掛ける。
「あー、えっと?何故、デート?」
「・・・・・・あの、そのっ。私、リンネの事をその・・・っ」
「あー、うん。解った、俺が悪かったからそう泣きそうな顔をするな。頼むっ」
「・・・ううっ」
居たたまれない気持ちになり、リンネは即座に謝った。約二名の視線が痛い。
「うん、じゃあ早速行こうかそうしようでは行くぞ‼」
「え?あっ・・・」
リンネは問答無用でクオンの手を引き、そのまま出て行った。あとには、にやにやと楽しそうに笑うレイと呆然とするタマモが残された。