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その1 3パート

「と、ところでさ桜花ちゃ…桜花?」

後ろを歩きながら僕は桜花に質問してみた。

「ん?なんや?」

「電車の駅までって今言ってたけどここから遠いの?」

僕にとってはごく普通の疑問だ。

この神社は有名とはいえ普通は近所の人か、芸能関係者位しか訪れないのである。

そんな場所にわざわざ電車で来ると言うのも、少々変わっていると言えば変わっている。

「んー…まぁ、遠いって言うと遠いわなぁ」

「何故わざわざ来るの?」

桜花が少し考え込んだ様子だった。

「それはなぁ…」

「それは?」

「ここがうちにとって「思い出の場所」やからかなぁ」

「思い出の場所?」余りにも意外な答えだったので聞きかえしてしまった。

「そうや、誰にでも有るんちゃうかな?そんな場所が」

「ふーん…そんなものかな?」

「亮太郎にはそんな場所は無いんか?」

「僕は両親の関係で引っ越しが多いからそんな場所が思い浮かばないなぁ…」

「そうかぁ、なら亮太郎?」

「何?」

桜花はくるりと僕の方に振り返って

「ここを思い出の場所にしたらいいんちゃうの?」

「え?」

キンコンキンコン

電車の踏切がけたたましく鳴り出し到着を予告していた。

「あ、電車が来たみたいやなぁ。今日は楽しかったわ、ありがとうなぁ」

いきなり桜花は別れの挨拶を告げだした。

正直、僕にも何が何だかさっぱり分からない展開ぶりである。

「また明日も来るさかい、そのときゆっくりまた話そ!じゃぁまた明日なぁ!」

と言いながら僕の返事を待たずダッシュで電車に駆け込んで行き、見送る間も挨拶する間も無く電車が発車していった。


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