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やがて魔王へと至る最弱魔物《スケルトン》  作者: 久遠


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第70話

投稿遅れまして、申し訳ないです

ブックマーク・評価してくださっている方々に感謝ですm(__)m

ローディーをぶん殴って黙らせた後、こちらに投降してきた兵士諸君なのだが、取り調べをしてみた処意外な事実が判明した。

なんと、全員が全員、俺が今までに奴隷から解放し、「帰りたいなら帰って良いよ~?」って事で国元に帰した人達が、家族・親族・友人・知人の何処かに一人以上混じっていたのである。


……じゃあ、なんである意味恩人である俺に、盛大に刃を向けてくれたんだ?おおん?


と、半分脅しも混ぜながら聞いてみたのだが、全員口を揃えて


「今回の任務には、『奴隷解放の英雄』(=俺)を迎え出る為のモノだと聞いていたから、真っ先に志願しました。しかし、実際の処、誰かが転移してきたと解った段階で、『侵入者だ!対応しろ!!これから迎える英雄に、無様な処は見せられないだろう?それに、鮮やかな対応であったのならば、かの英雄から声を掛けてもらえるかもしれないぞ?』なんてローディー将軍から言われた事もあり、尚且つ、英雄本人(俺)の姿を知らなかったので、侵入者として本気(殺気マシマシ)で出迎えたのですが、ローディー将軍とジョシュア副文官長との会話や、陛下(俺)とのやり取りを聞いていると、自分達が包囲している人(俺)こそがその英雄であり、自分達(兵士達)も含めて全員が騙されていた事に気付き、自分達で話し合った(兵士のみに判別出来るハンドシグナル使用)結果、『かの英雄に刃を向けるくらいなら、将軍殺っちまって反乱でも起こした方がまだマシじゃね?』って結論に至り、魔王様に意識が集中している間にタコ殴りにして血祭りに上げてやろうかと、ジリジリと背後に回っていたら、魔王様がワンパンで倒してしまいましたので、抵抗する意思も必要も無かった我々は、ご存知の通りにこうして投降し、現在に至ります。あと、出来ればサインか握手をお願い出来ますか?」


と、言っていたのである。

……何?実際にしてやったのか?

……誰もペンを持っていなかったから、握手で我慢してもらったよ。

まぁ、100人近く居た兵士全員と握手して回ったから、結構時間食ったけど、皆喜んでくれていたから、やった甲斐は有った、かな?


さて、それはともかくとして、兵士達には事前に通達していなかった事から考えると、ジョシュアさんが言っていた通りに、上『は』腐っていると見るべきだろう。まぁ、それを確定させるために、それを知っている奴にお話してもらうのだけどね。


そんな訳で、俺がぶん殴ってから現在に至るまで、通しで気絶していたローディーを、ふん縛った状態で転がしたまま、叩き起こす。


「グッ……、ハッ!ここは……?」


状況が呑み込めていないのか、呆けた表情で辺りをキョロキョロと見渡すと、記憶が追い付いてきたのか、徐々に表情が強張り出すローディー。


「クッ、この卑怯者め!俺とでは、真正面からでは勝てないからと、策を弄しやがって!おい!お前ら!何をぼさっと突っ立っている!!さっさとこの化け物を捕らえるか、俺を助けるかしろ!!これは命令だぞ!!!」


はい、当然の様に、全員から冷めた目で見られるローディー。

いや、お前さんじゃあ、逆立ちしたって負けはしないからね?

それに、ここにお前さんの味方なんざ、誰一人として居やしないってことに気付いていないのかね?

その事を指摘してやると、悔しそうに顔を歪めた後、何故か勝ち誇った様な顔をしながら、こう言い放った。


「フッ、馬鹿め!そうやって勝ち誇っていられるのも、今のうちだけだと、まだ気付いてもいないとはな!」


……なんの事だ?

周りを見渡しても、誰も知っている素振りを見せていない。ジョシュアさんすら、頭に?を付けている状態だ。


「貴様らの様な愚か者には、想像も付かないだろうから教えてやる!


俺は、『本命に最も近い囮』よ!


今頃は、正真正銘の本命、選りすぐりの最精鋭であり、そこの阿呆共とは違い女王陛下に真の忠誠を捧げている、一騎当千の戦闘部隊がお前の国を蹂躙するために、予め仕掛けておいた大規模魔方陣によって転移し、既に包囲を完了させている頃合いだ!

しかし、慈悲深き女王陛下は、貴様が地に這いつくばり、頭を擦り付けて赦しを乞い、貴様の国ごと女王陛下の下僕となり、人族との決戦において我等の尖兵となるのならば、貴様も、貴様の国も助けてやらんでもないと仰っておられる。

さぁ、事態が理解出来たのならば、さっさと俺を解放し、女王陛下に慈悲を乞うことだな!でないと、貴様の大事なモノ全てが、確実に灰と化すぞ?」


……マジで?


俺は、急いで『意志疎通』スキルによる通信を試みる。しかし、距離が遠すぎるせいか誰とも繋がらない。


「……これはマズいな……」


思わず零れたその呟きに、余裕綽々と言った感じでローディーが口を挟んでくる。


「今さら気が付いたか!だが、もう手遅れかも知れんなぁ?まぁ、それもこれも、貴様が俺に抵抗したことが原因であり、謂わば、貴様の国を滅ぼしたのは、貴様自身だと言うことになるのだからな!

だが、今すぐに縄につき、俺個人の武勇によって捕らえられたと証言するのであれば「いや、そっちじゃぁ無いから」……なんだと?」


ご機嫌で演説ぶちかましていたローディーを遮ると、どうやら現実を理解出来ていない様子なので、軽く説明してやる事にするかね。


「だから、こっち側の心配は、特にしていない、と言っているんだが?」


「……貴様、一体何を言っている……?」


狼狽した様子で、問い掛けてくるローディー。


「いや、だから、俺が心配しているのは、『俺の国』じゃあ無くて、侵攻している『お前らの部隊』の方だっての」


理解出来ていないのか、放心するローディー。


「じゃあ、逆に聞くけど、その戦闘部隊って、何人位いて、平均レベルは幾つ位なんだ?」


当然の様にローディーは答えないので、代わりにジョシュアさんに聞いてみるが、思った通りに大したことはないレベルでしか無かった。しかも、数も2000程度だそうな。思わず


「……いや、うちの軍のレベルって、伝えてなかったの?ジョシュアさん」


と聞いてしまった位に、あり得ない程度の戦力しか、差し向けられていなかった。


「いえ、確りと伝えておいたハズです。むしろ、伝えたからこそ、その部隊が派遣されたのではないかと。確か、その戦闘部隊がこの国の最強部隊だったはずですからね」


……わざわざ、これから国交を結ぼうか、って国に、なんてモン送り込んでくれてんだ?この国は……。


「はぁ……まぁ、良いか。今頃、待機組の奴等が殲滅させているだろうから、仕方ないとしても、なんでまた、わざわざ自国の戦力を減らす様な真似をするのかねぇ?」


そうぼやきながら、ローディーを蹴り飛ばして再起動させると、無理矢理立たせて歩かせる。


「ほれ、散々『女王陛下、女王陛下』言っていたんだから、居場所位知ってるんだろう?とっとと案内しやがれ。この騒動の首謀者なんだろう?その女王陛下が」


苦々しげな表情のまま、引っ立てられるローディー。まだまだ反骨心が残っている様子だったので、耳元でボソリと


「そんなに案内するのが嫌なら、案内はジョシュアさんに頼むことになるから、お前は要らないなぁ。首だけにして、女王への手土産にした方がお手軽かなぁ?」


と呟いてやったら、それまでとは打って変わって、さっさかと歩き出した。

何故か、歩いた跡には、靴底の形に水溜まりが出来ているが、気にしないキニシナイ。……手品かな?


さて、さっさと女王陛下(おバカさん)に直接会って、言い訳(お話し)を聞くとしますかねぇ?

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新作始めてみました クラス丸ごと異世界転移~無人島から始まる異世界冒険譚~ 宜しければ、こちらもお願いしますm(__)m
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