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やがて魔王へと至る最弱魔物《スケルトン》  作者: 久遠


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第60話

ここ数日体調が思わしくなく、今までに無いくらい筆が進まずここまで遅くなってしまいました。申し訳ないですm(__)m

次からは、今まで通りのタイミングで投稿出来ると思うので、よろしくお願いいたしますm(__)m



◇サウザン側視点



「報告します!!」



そう息切って執務室へと駆け込んで来た兵を迎えるのは、サウザンの総領主であるゼクスと、その片腕であり、今回予想されている対獣人戦において大将を命じられているノイン将軍(偽)であった。


「無礼を承知で報告します!敵拠点を監視していた担当の者より、ノイン将軍の予想通りに、獣人達が合流したとの知らせが入りました!その数約1000!その中には、一際体の大きな獅子の人獣が確認されています!」


「フム……。どうやらお主の予想が当たった様だな?ノインよ」


連絡を聞き、今回の敵の動きを知っていたかの様に的中させて見せた(実際に知っていた)ノイン将軍(偽)に話を振る。


「ハッ!ありがとうございます。恐らくですが、報告に有った『一際体の大きな獅子の人獣』こそが、アニマリアの王であるレオンでは無いかと考えられます」


「言い切った所を見るに、何か確信が有るのか?」


そう問い掛けられて、心の中でニヤリと笑みを浮かべて問いに答えるノイン将軍(偽)。


「はい。かの王は、度々戦場の最前線にて、多くの兵士達によって目撃されています。私自身も何度かこの目で見た事が有りますが、今回報告に有った人獣の特徴とピタリと一致します。他の兵士達に聞き取りをしてみた事も有りますが、皆私と同じ事を言うと思います。それだけ奴は戦場にて目立っていましたからね。

……もっとも、奴ほど大きな人獣は見た事が無いので、ほぼ奴で間違いは無いでしょう」


その答えを聞いて、満足そうにうなずくゼクス総領主。

大方、自らの片腕が立てた予想がど真ん中で的中した事で、気を良くしているのだろう。もしくは、他の郡に対して、一歩リード出来るとでも考えているのだろう。

それでも、気分が上向きになっているのは、まず間違いないので、今のうちにちょっとした仕込みをしてしまおうと決心するノイン将軍(偽)。

「これで勝ったも同然だな」だとか「レオンの首だけは、確実に獲らねば……」だとかをブツブツと呟いているゼクスに対し、「しかし……」といい掛ける事で自らへと注意を向けさせると、全てを知っている人間からすれば、どの口が抜かすか!と言われんばかりに、真実と嘘が入り交じった情報をペラペラと話し出す。


「奴が直接連れて来ている兵には、注意が必要でしょう。奴の元に最後まで残ったと言うことは、それだけ忠誠心が強く、実力も有ると言う事ですからね。

そんな連中の『最後の足掻き』がどれだけの被害を生むのか等とは、考えたくもありません。更に、この数日の間で、拠点へと先行していた部隊の方も、ある程度は回復したと見るべきでしょう。やはり、ここはこちらを目指している遠征軍の到着を待ってから仕掛けるべきだと考えますが、如何なさいますか?」


追加の情報と共に、そう指摘を受けたゼクスは、少し考え込んだ後にこう続ける。


「……作戦に変更は無い。このまま、遠征軍が帰還し次第敵を叩く!もう近くまで来ているハズだ。各部署に準備を急がせろ!」


「ハッ!では、私はこれで失礼します」


そう言い残し、伝令として駆け込んで来た兵士と共に、ゼクスへと敬礼して退出するノイン将軍(偽)。

部屋の前で別れる前に、兵士へと今回の情報を洩らさないように口封じ(注・コロコロではありません)をしてから、己の執務室へと向かう。

その道中で、彼は思考の海へと沈んでいたが、その足は勝手に執務室へと身体を運ぶ。

……正直な話、ここまでこちら側の仕掛けにストレートに嵌まられると、何か狙いが有っての行動かと疑いたくなるが、調べてみてもそんな感じはしていない。

そんな事を考えながらも、部屋へと入り、鍵をしっかり掛けた後で、現時点で既に拠点入りしているハズの、自らが真の忠誠を捧げるべき方々の一人へと通信を繋ぐのだった。





******





◇アニマリア側視点


「……と言うことで~、予定通りに~、敵が仕掛けてくるタイミングは~、こちら側で操作出来そうな感じらしいですよ~?」


と、拠点の会議室(仮)で発言するウカさん。

そして、その会議室に居るメンバーは、レオン・ウォルター・その他将軍クラス等のアニマリア勢と、俺・ウカさん・シルフィ・ウシュムさん・メフィスト・ジャックを始めとしたアンデット部隊の隊長格を含めた魔王勢である。

ちなみに、この場に居ないレオーネとガルムだが、後続の残存部隊を率いる為に残って貰っている。

実際問題、レオンを先行させると、部隊をまとめられる奴が居なくなるってことが問題点では有ったのだが、そこは『王族』のレオーネと、実際に率いていた事が有ったティーガ、それに『信仰対象』であるフェンリルのガルムに頑張って貰う事にした。適材適所だね。


……後続と一緒にいたハズの魔王勢が、何で最前線の拠点で会議なんてしてんだ、ってか?

そんなもん決まっている。

レオン達が出発する際に、そのまま着いてきたってだけだよ。

まぁ、どうやったって、普通の人族では、俺と『契約』して、レベルが天元突破した(俺の首チョンパ事件の直後に『契約』しておいた。もちろん、諸々の説明込みで)状態のレオンは倒せないだろうが、万が一の可能性に備えての護衛って意味合いも含んでいたりする。

後続に残っていても詰まらんってのも有るけどね?


「……フム、概ね……処か完璧に予定通り、か……。やはり、魔王殿を敵に回すと、ろくなことが無い様だな……」


そう言って渋い顔をするレオン。

なお、俺に対する名称が『ジョン殿』じゃあ無くて『魔王殿』なのは、ウォルターさん以外の部下も居るためだ。公私のケジメはつけないとね?


「……動きは筒抜けな上に、敵の作戦の要である遠征軍は全滅していて、使えない。兵数はこちらとあちらで、最終的に、数の上では大差が無くなるが、レベル等の戦力的にはこちらが上。おまけとして、サウザンの切り札であり、彼が教育した将軍が率いてきた軍によって、我等をあそこまで追い詰めた大敵、ノイン将軍は既に暗殺され、魔王陛下の部下の方が入れ替わっていて、情報も順次そこから流れてくる上、工作の類いはやり放題……。

……アレ?これって、人族(あいつら)詰んだんじゃね?」


説明された彼我の現状を分析し、自分流に比較していたアニマリア側の将軍の一人がポロリと溢すと、周囲の人間からも「だよな?」だとか「この状況で抵抗出来るのか?」とか「あいつら、どうするつもりだ?」だとかの意見が出始める。

老いも若きも、上官も部下も、文官も武官も入り乱れての会議となったが、最終的には、


人族(あいつら)、もう駄目っぽい?」


って事で、一応の終着を見た。

まぁ、今回の流れの中で、唯一あいつらに勝ち目が有った……かもしれない時に、攻撃しなかったのだから、当然と言えば当然なのだけどね?

ちなみに、その唯一の勝ち目だったポイントは、『先行部隊だけの状態の拠点』を、さっさと攻撃して、多分無理だったと思うが攻略してしまう事しか無かった、と思われる。多分。きっと。……他に無いよね?

一応、その段階で拠点が落とされたのならば、こちらの段取りとしては、決戦は回避して暗殺に切り替えようか、って感じだったので、そちらの方がまだマシだったんじゃ、無い、かなぁ~?なんて思ったり思わなかったり?

……アカン、自分で言っていて思ったけど、どの道助からなかった様な気がしてきたぞぅ?


「……とりあえず、全員の意見が『多分勝てんじゃねぇか?』で纏まった所で、本格的な流の確認をしていくぞ!後続の連中の現在地はどの辺だったっけ?」


「確か、三日も有れば余裕で到着出来る位じゃあ無かったかしら?」


「頑張らせれば、一日と半分位で到着出来ると思いますが、如何されますか?」


「……そこは急かさない方が良いのでは有るまいか?」


「うん、そこはレオンに賛成だね。なるべく急かさず、確実に来るように連絡しておこうか。割りと重要な役目を任せる事になるからね。

そんな訳で、決戦当日の流れなのだけど---」



会議が終わり、各所に解散して行くメンバー達。

最終的に、余裕を見て四日後に仕掛けさせる(・・・・・・)事に決まった。

……はてさて、どうなるかねぇ?

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新作始めてみました クラス丸ごと異世界転移~無人島から始まる異世界冒険譚~ 宜しければ、こちらもお願いしますm(__)m
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