第6話
皆さん、あけましたおめでとうございます!
今年もよろしくお願いしますm(__)m
眼前に広がる惨状に、言葉を失う
どうしてこうなった……。
何故に?ナンデ?どういう事?
別に全身全霊、渾身の一撃って訳じゃ無いんだけど!
……まぁ、いっか。
気にしない気にしない
そもそも奴らが生きてるならまだしも、死んでる以上こちらにデメリットは存在しないのだから、別にええべ。
「さてと、では確認してみるか」
解・……私が言うのもあれですが、切り替え早すぎませんか?
「気にしたらそこで探検終了ですよ?
と言う訳で【ステータスオープン】」
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名前・未設定
種族・スケルトン
レベル・13/100
スキル・剣術、闇魔法、魔力操作New!、クリティカルNew!、骨食New!
ギフト・【ヘルプ機能】、【成長促進】New!、【?】、【?】
残進化可能回数・3
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おぉ、上がってる!すげぇ上がってる!
……まぁ多分アレの効果だよね?
解・……えぇそうですね。
ギフト【成長促進】の効果によるモノですね
してその詳細は?まぁ予想はつくけどさ?
どうせ、『獲得経験値上昇』か『必要経験値軽減』辺りなんだろう?
解・いえ、正解に言えば少し違います。
なんですと?
じゃあ、さっきの2つ以外の何かか?
でも、それだと現状の説明が出来ないんじゃ?
解・先程の2つのどちら『か』ではなく、どちら『も』が正解になります。ギフトの中でもかなり上位に位置している複合型になります。
え?本気で?
解・本気です。
真剣で?
解・真剣です。
因みにどれくらい増減するの?
解・『経験値増加』の効果が【獲得経験値を2倍にする】事であり、『必要経験値軽減』が【レベルアップに必要な経験値を半減させる】ので、効率的には四倍になります。
……コレまた凄いモノを貰ったもんだ事……。
因みに、今回増えていたスキルの説明をお願いしても?
解・かしこまりました。
まずは『魔力操作』。コレは魔法等の『魔力を使用した操作』の難易度を低下させ、魔力の消費も減少させます。
次が『クリティカル』。コレは『攻撃行為全般』に対して、一定の確率で与ダメージを2倍に上昇させる効果があります。こちらは『ON/OFF』が切り替えられます。
恐らく、先程の惨状の原因は、この2つのスキルがコンボ状態になったからかと推測します。
成る程ねぇ……
(解・……と言っても、『スキル』はレベルが上がらないと習得出来ないハズなんですけどねぇ)
ん?何か言ったか?
解・いえ、何も。
では最後の『骨食』について説明します。
先程の2つもとても有用なスキルでしたが、この『骨食』はかなり希少なスキルです。
ふーん?スキルにも希少度とかあるんだね。
それで?強いのかい?
解・強いか弱いかで判定するなら、間違いなく強い分類になります。
骨系アンデッドが稀に獲得するスキルで、効果は『対象の死体から骨を奪う事』です。
……?それ、強いか?
解・はい
対象から骨を奪うと、骨の損傷やダメージを修復・回復出来ます。更に言えば、骨さえあれば四肢の欠損ですら再生させる事が可能です。
……ふむ?確かに強いっちゃ強いな。乱戦だとか対多数戦で光りそうなスキルだな。
でも、『骨を奪う』ってどうやるんだ?
肉を落として骨だけに、ってのが必要ならあまり実用性は無くないか?
解・では、先程のゴブリンの死体もありますし、実際にやってみませんか?
それは別に構わんが、どうやるんだ?
解・剣に魔力を流して、ゴブリンに突き刺して下さい
とりあえず言われた通りにしてみるか。
腰の剣を抜き、身体の延長だと認識し、魔力膜を広げて覆ってみる。
なんとなくでやってみたが、なんとか成功する。
「んで?コレをアレにブスッとやれば良いのか?」
解・刃が骨に食い込むようにお願いします。
指示に従い、剣を死体に突き立てる。
ちょうど胸骨に食い込むように刺してみたところ、剣を介して何かが流れ込み、全身に広がる様な感じがする。
その不思議な感覚が途絶えた時、ゴブリンの死体はぐにゃぐにゃのゴム人形みたいに変化していた。
解・このように、『魔力を流した武具等』や『身体の一部』が直接触れる必要がありますが、触れていさえすればスキルによって吸収可能です。
成る程ねぇ。
確かにコレは強いな。
数をこなす必要がある戦いでは、それこそ決定打になりうる程度には
……残しておくのも勿体無いからもう一体も奪っておくか
もう一体にも同じようにブスリと刺してスキルを発動させる。
先程と同様に剣を介して何かが流れ込んで来る。
なんとなくではあるが、
(全身に拡散じゃあ無くて、どこかに集中させられないかなぁ)
とか思っていたら、なんとなく出来そうだったので、とりあえず左腕に集めてみる。
(左腕に集まれ!)
と念じてみたら、初回では全身に拡がった何かが、左腕に集中した様な気がする。
んで?残った、死体。処理とかどうすんだ?
解・基本放置で構いませんが、魔石は回収しておいたほうが良いでしょう。
何故に?
解・魔石は魔力の結晶でもあります。いざと言う時の回復材として回収する事をおすすめします。
それなら回収しておくか。
因みにどこにあるんだ?
解・基本的には心臓に存在するようです。
了解。
まぁ、さっき骨抜いたしそんなに面倒でもないだろ。
既に骨抜きになっているゴブリンの胸部を剣で切り裂き、人間であれば心臓があるハズの場所に手を差し込む。
少々探ってから手を引き抜くと、そこには拳大の心臓とそれに食い込むように存在する、指先サイズの魔石(と思われるモノ)が一緒に出てきた。
もう一体も同様に処理し、両方の心臓から魔石(仮)を外して、掌の上に乗せている。
見た目は水晶の様でもある。
(こんなのどう使うのやら)
と考えていたのだが、見つめているとある衝動が沸き起こってきた。
それは、とても原始的な衝動
それは、生物の根幹を為す欲求の一つ
ヒトの大罪の一つでもあるソレ
本来、スケルトンであるならば、感じようが無い感覚
この時、彼は魔石を見つめ
飢餓感を覚えていた
いつの間にか、理性を蹂躙され、本能に支配された彼は、手に乗せた魔石を
口元へと運び
そのまま飲み下していた