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やがて魔王へと至る最弱魔物《スケルトン》  作者: 久遠


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第53話

気付いたら、総PVが100000達成していました。

皆さんに感謝ですm(__)m

無事(?)に獣人国アニマリアへと到着した俺達。

一応、ジャック達には首都近辺まで来ていた敵軍を掃討するように命じて有るので、絶賛戦闘中なぅ。

いきなりアンデッドの軍隊をぞろぞろと引き連れて現れては、不審に思われるのを通り越して、敵だと勘違いされかねないし、思いの外中枢近くまで攻め込まれているらしく、そこそこの数の部隊が展開していたのが見えたので、取り敢えず手土産代わりに潰しておきますかね。

途中で加わった『新兵』共への訓練になるだろうし、そいつらを育てる経験値にも成るしね。


『マスター、こちらサブチーフ』


おっ、早速連絡が来たな。


『こちらマスター、サブチーフ状況を報告せよ』


ちなみに、この『サブチーフ』ってのが、『意志疎通』スキルを共有してある、グールナイト部隊の副長だ。確かこいつもグールナイト・ジェネラルだったかな?


『こちらはポイントAに展開していた部隊約10000を強襲・殲滅に成功した。損耗は新入りが数体のみ。使えそうな素体が手に入ったので、こちらの判断で増員しました。これよりポイントBに移動を開始します』


おー、流石。仕事が早いねぇ。

ちなみに、このポイント~、ってのは、上空から『気配察知』スキルで発見した敵軍の部隊を、その時に居た場所とその後に動くであろう場所を合わせた捜索範囲の事で、取り敢えずA~Jまで振ってある。まぁ、見つけた順に振っただけなのだけどね?

ポイントBは少々離れているけど、数自体はAと大差ないし、こいつらなら普通に殲滅してくるだろう。

しかし、敵さんも阿呆だねぇ~、軍を分けて多方面から攻撃しようとしないで、一ヶ所に集めておけば、こうも簡単には削られなかったってのにさ。

まぁ、それが解るわけも、獣人国が出来るわけも無く、俺達が介入してくるとは解るわけが無かったんだろうけどさ。せめてそうなるかも?程度には、想定しておくべきだったね。

っと、そう言えば、確認しておかなくちゃいけない事があったんだった。


『マスターよりサブチーフへ。また新たに新兵を採用したと言っていたが、これで総数は幾つになったのか?詳細を送れ』


ある程度小まめに把握しておかないと、トンデモな数に成りかねないしね?

生者よりもアンデッドの方が多い国なんて、俺は嫌だからね。……まぁ、そこで魔王様やる奴自体アンデッドなんだけどね……。


『こちらサブチーフ。少々お待ちください。……今回、補給した『新兵』は約1500。今までの行軍で入ったモノを足し、脱落したモノを引きますと、現時点での総数が約15000となります』


……異常な速度で成長し、数自体も勝手に増えて行く高位のアンデッドが中核になって構成された総数15000の軍隊……。

数自体は少な目だが、こいつらなら、このまま統一王国南部の首都である『サウザン』に突撃かませば、普通に落として来そうな気がする……。

ジャックが新しく作ったアンデッド達も、何故か経験値ネットワークに接続されているみたいだから、勝手に強くなって行くしね。……アレかね?俺が共有したスキルだからかね?

こいつらを相手にして、まともに勝とうと思ったら、徹底的に遠距離から削らないと話にならないが、こいつらが異常だとは相手さんは知らないハズなので、わざわざ経験値になりに近接してくる事になる……か。

我ながら、中々にえげつないモノ作ったかな?


っと、思考が逸れたな。


『こちらマスター。了解した。こちらはそろそろ首都に入る。なのでそちらに対しては以降の支援や援護は難しくなる。なので、こちらからそちらに、増援として『ゴーレム・リーダー』を送る。上空からの斥候として、活用されたし』


『こちらサブチーフ。マスター了解しました。では、『ゴーレム・リーダー』と合流した後、予定通りに発見済みの敵部隊を殲滅します』


『こちらマスター。では、幸運を祈る。通信終了』


さて、後はこっちか。


『マスターよりゴーレム・リーダーへ。これより任務を発令する』


『こちらゴーレム・リーダー。了解した。で?任務ってのは?』


『これからグールナイト部隊に、援軍として合流してもらいたい』


『……そいつは構わねぇが、なんでまた?あいつらだけで良かねぇかい?それに、俺だけ行っても大した足しにゃあならねぇぜ?』


『それはそうなんだが、お前さんをこのまま同行させると、ちと面倒な事になりそうでな?』


『あん?』


『イヤ、ほら、ウシュムさんは連れていけるけど、お前さんまでは多分無理だ。そんなお前さんを外で待機させておくと、周りがびびっちまうだろう?それは、一応避けておきたいんでな。ついでに、グールナイト部隊の方で、上空からの偵察でもしてやっておいてくれや』


『ああ、そう言うことね。了解した。んじゃ、サクッと行って来ますかね』


『悪いね。では、通信終了』


『意志疎通』による通信を終えると、当のジェラルドは、こちらに解るように大きく手を振ってから、自らの騎竜を操作して、ポイントBの方向へと飛んで行った。


こうして、色々と準備を整えた上で、首都の城門から少し離れたところに着陸する。

直接乗り付けると、パニックになることは、まず間違いないからね。


こちらが地面に降り立ち、数分程してから城門の辺りが騒がしくなり始める。

まぁ、そりゃそうか。

何せ、馬鹿みたいにでかいドラゴンが、何するでもなく城門からそれほど離れていない場所にいるのだから、気になって仕方ないだろうな。


ある程度の数が門から出てきたのを確認してから、レオーネとティーガに双眼鏡を渡して、自分達を本人だと確認出来る人が出てきているかを確認させる。


「……居ました。俺の方は、元同僚で顔見知りの将軍が出てきているみたいです。彼ならば、俺が本人だと証言してくれるハズです」


「私の方は……あ、居た!居ました!以前、私の警護をしていたこともある近衛隊所属の者が見えました。彼らなら、私達王族の顔も知っているので、多分大丈夫でしょう」


良か良か、ちゃんと居た様で何よりだ。


「よし、じゃあ二人は武器をこちらに預けて、向こうに向かってくれ。走るのは、心理的にあまりよろしくないが、あまりトロトロしていると、向こうが攻撃開始して来て、ウシュムさんの手で首都陥落、なんて事に成りかねないから、出来るだけ急いでね?」


そう、俺が笑顔で伝えると、顔を引き吊らせながら走り出す二人。……ちと脅し過ぎたかな?でも、これで説明しきれませんでした、とか、説得に失敗しました!とかは無いだろうから、まぁ大丈夫だろう。

そして、二人を送り出してから、約一時間程した頃、二人共に走って戻って来た。


「お帰り~。んで?どうだった?ちゃんと本人だと認識してくれたか?」


「はい、そこの所は大丈夫でした。それと、城門に展開していた部隊は引っ込めさせたので、直ぐに攻撃は無いと思います」


おや?案外と上手く行ったってことかな?


「ですが……」


とそこで、一旦言葉を切るレオーネ。

どうしたのか?と、同じ話を聞いているハズのティーガへと視線を向けると、彼も又微妙そうな顔(多分)をしている。

……何かあったのかね?


途中で沈黙してしまったレオーネに、続けるように、と視線で促すと、これ又嫌々です、と言わんばかりの雰囲気で口を開くレオーネ。




「ですが、アニマリアからは、ここに降り立ったドラゴンであるウシュム殿の討伐、並びにそれを操っている人物、つまりジョンさんの捕縛。それと、私達の奪還命令が出ている様なのです」




……はい?

あんだって?


「……何故にそんなことになっているのかね?誰か説明プリーズ」


いきなり過ぎる展開に、頭が付いてきていない気がする。

てか、こいつら俺達をなんて説明したんだ?


「うーん、おかしいですね。私はただ、『私を見初めた方が、お父様に話が有るので、軍を連れて来た』と伝えただけなのですが……?」


……それって、どう考えても『レオーネを押し倒した男(この場合は俺)が、軍を率いて国王と戦いに来た』としか聞こえないと思うのですが……?

てか、隣で見てたんなら、ちゃんと修正しろよティーガ!

そう思って彼へと視線を向けるが、ひたすらに申し訳なさそうにしている彼を見てしまうと、どうにもヘイトを向けられない。

……どうしたもんかねぇ……。


そんな時だった。


『こちらゴーレム・リーダーより本部へ!すまん、しくじった!ポイントJの最後の部隊がそちらに向かっている!規模的に見て、おそらくそいつらが本隊だ!旦那方なら大丈夫だとは思うが、一応気を付けてくれ』


と、ジェラルドから通信が入ったのは。

……これはある意味天の助け、か?

まぁ、良い。

それよりも、ジェラルドには聞かなくちゃいけない事が有るからな。


『こちらマスターよりゴーレム・リーダー。敵の大体の位置と規模を送れ』


『こちらゴーレム・リーダー。敵の数は凡そ20000、位置は既にかなり近づいているハズだ。多分そっちの城門の上からなら、見える位には近いと思うぞ?』


それを聞いて、後ろに振り返ると、確かに門の辺りがかなり騒がしくなっているのが分かった。

……フム。これは、俺の目的の説明と誤解の解消に対して、一挙両得な状況じゃああるめぇか?

……よし、ならば一丁やるか!


「レオーネ、ティーガ。今度は武装した上で門まで行ってくれ。向こうでの口上はこうだ。

『そちらでも確認していると思われるが、今人族の軍隊が迫りつつ有る。それらを俺達だけで殲滅してくるから、そのあと国王とあって話したい』と伝えてくれれば大丈夫なハズだ。てな訳で、頼んだよ?」


そう言われて走り出す二人。

さて、伝えるだけは伝わっているハズだから、さっさと片付けてしまいますかね!




……と気合いを入れたのがほんの一時間程前だったかな?

まぁ、既に戦闘は終わり、攻めてきた奴等は殲滅しちゃったから、何が有るわけでも無いのだけど。

……どうやったのか?

そんなの、ウシュムさんに乗せてもらって、やつらの上空からフレッシュ・ゴーレムを爆撃投下し、こちらに戻ってきていたジェラルドに指揮を執らせて、チマチマした生き残りは俺達で殲滅しただけだから、大したことはしてないよ?


だと言うのに、門の方はザワザワと煩いし、レオーネもなんだか熱っぽい目と言うか、潤んだ目でこちらを見ている気がするが、多分気のせいだろうな。

しかし、ゴーレムがシルフィの『空間庫』に入ってくれて良かったねぇ。ゴーレムだから、入るかな?で試してみたら、本当に入ったのは、正直ビビったけどね。


そんな事を考えている時だった。

城門から、何かが走ってくる様な音が聞こえたので、そちらに振り返ってみると、そこには


とても大柄で、レオーネに良く似た(?)獅子の人獣がいて


俺の首目掛けて大剣を振り被っており


次の瞬間には、その大剣は振り切られ


その軌道に有った俺の首は、体から切り離されていた。

首を飛ばされた主人公!

この後どうなる!?

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新作始めてみました クラス丸ごと異世界転移~無人島から始まる異世界冒険譚~ 宜しければ、こちらもお願いしますm(__)m
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