第36話
進化回です。
遅くなって申し訳ないですm(__)m
【進化が完了しました】
【【ヘルプ機能】の効果が更新されました】
【【契約】の効果が更新されました】
「……ああ、終わったか」
流石に二度目なので、特に驚きもせずに意識を取り戻す。
解・おはようございます、主様。
はい、おはようさん。
また、お前さんについて更新があったっぽいけど、今度はどうなったんだ?
解・今回は、情報の追加に加え、ステータス表示への干渉権限を得ました。
……何やら、聞き慣れない単語が出てきた様だけど、今回こそは、駄女神から達成条件の提示されたんだろうな?
いい加減、何かしら無いと、こっちは動き様が無いのは向こうも分かっているハズだよな?
解・……直接的な『指示』ではないですが、一応、メッセージ的なモノは受け取りました。
……で、それはなんと?
解・『貴方の心のままに』
……は?
解・メッセージは『貴方の心のままに』です。私に送られて来た情報の中に有ったのは、これだけでした。
なんぞそれ?
訳が分からん。
あの駄女神何考えてやがるんだ?
さっぱり分からん。
他には何か無かったか?
解・いえ、これだけでした。
……真面目にやる気有んのか?あの駄女神……。
………………
…………
……
まぁ、良いか。
考えても仕方無ぇ。
それで?お前さんの機能拡張に関しては、どんな事になっているんだ?
解・……毎度の事でもありますし、私が言う事では無いとは思いますが、切り替えが早すぎませんか?
普通、もう少し悩みません?
この場合の『普通』が何かは知らんが、考えても分からない事を考えるだけ無駄だ。
そんな事をする間に、他の事をしていた方が、建設的ってモノだろう?
解・……それはそうですが……。
そうだろ?なら良いんじゃね?
それで?追加された機能で、どんな事が出来るんだ?
解・一言で言えば、ステータスとして表示される部分の編集が出来る様になりました。
……?あんだって?
解・論より証拠、とりあえずステータスを開いてみてください。
「んじゃ【ステータス・オープン】」
******
名前: ジョン・ドウ
種族: スケルトン?(不死者ノ王)
レベル: 1/650
スキル
魔法: 闇魔法、闇魔法【剣】、闇魔法【楯】New!、死霊術、光魔法【浄化】、暗黒魔法New!
戦闘: 剣術、剣術【二刀流】、楯術New!、クリティカル、遠斬
補助: 骨食、魔石食い、魔力操作、魔力掌握New!、魔力増大New!、簡易鑑定、気配察知、意志疎通、思考加速、人化New!
特性: 『スケルトンの特性』・『死霊聖騎士の特性』・『不死者ノ王の特性』・『転生者の特性』・『???の特性』
ギフト: 【ヘルプ機能】・【成長促進】・【契約】・【連鎖進化】
【契約対象】
『主従契約』: ガルム、シルフィ
『従属契約』: ウカ
『隷属契約』: ウシュムガル
残進化可能回数: 1
能力値
体力: 150000
魔力: 180000
攻撃力: 105000
防御力: 100000
抗魔力: 175000
素早さ: 55000(+90000)
運: 999
******
……oh、なんか凄いことになってるよ……。
何処から突っ込んで良いのか分からねぇ……。
解・ステータス表示を、より見易い様に編集し、ギルドカードによる能力値の鑑定機能も統合してみました。どうですか?
……確かに、見易くなったけどさ……。
ところで一つ質問しても良いか?
解・何でしょう?
……種族の欄のアレって、いつぞや駄女神が言っていたアレか?
解・はい、そうですね。その『不死者ノ王』になりますね。
……マジかぁ。
確かあの駄女神、この世界の最強の一角だとか言ってた気がするんだけど、気のせいか?
解・いえ、合ってます。正真正銘、人間で言うSSSランクに指定されおり、存在が確認されたなら、場所によっては放棄、ソレが出来なければ国を賭けての大勝負に打って出るしか無いと言われている存在の一つです。
ガチかぁ、とここで俺は、ため息をつきながら、右手を頭髪に突っ込み、頭皮ごとガシガシと掻き回す。
頭部に感じていた痒みが収まり、それを心地好く感じながら……ってちょっと待て。
俺は、今、何をした?
頭髪?頭皮?痒み?
何故?
スケルトンで在る以上、身体は骨のみであり、その身体に触覚は無い。
なのに、何で触っているのが分かるんだ?
それに、何で掻き回せる肉の身体が存在するんだ?
それまで、ベッドに座って居たが、立ち上がり、部屋に設置されていた姿見の前へと移動し、全身を観察する。
するとそこには、俺の『知識』によれば、元居た世界における、平均的な顔立ちをした『人間』が立っていた。
「……マジで?」
思わず呟いてしまっていた。
******
色々と調べながら、ヘルプ機能にも聞いてみた結果、どうやら俺の現状は種族が『不死者ノ王』になった(?)事が原因であるらしい。……まぁ、種族云々に関しては、『スケルトン?』の時点で最早アレな訳だが……。
ヘルプ機能によると、『不死者ノ王の特性』に、『魔力で肉体を構築する』と言うスキル?(厳密にはスキルでは無いが、一番近いのがソレなので、この場ではスキルと表記)が含まれているらしく、それに『人化』スキルが引っ張られる形で発動したからだと考えられる……らしい。
ヘルプ機能曰く
解・現状ではそれが正解かと思われます。
とのこと。
ついでに【契約】の追加機能についても聞いてみたところ、どうやら『契約』関係にある相手と、自分が所持しているスキルを一つ共有出来る様になるらしい。
まぁ、これに関しては、皆に聞いてからの方が良かろう。
そんな訳で、皆に合流すべく、リビングへと向かう。
一応、『気配察知』スキルで四人全員がいるのは確認してある。
……なんとなく、覚えがある気配と違うような気がするが、まぁ、気のせいだろう。
そんな訳でリビングへと到達した俺。
まぁ、こんなところでぼーっとしていても、何も始まらないので、扉を開いて中に入る。
「いやー、久しぶり?俺の方はやっと終わったけど、そっちはどう……」
入りながら声を掛けたのだが、イマイチ反応が無い。
そのお陰で、こちらのセリフも途中で止まり、中にいた人達をきちんと見る事が出来る様になった。
「……誰?」
思わず、そんな声が出て来る。
まぁ、でもそれは、ある意味当然の事かもしれないが。
何故なら、その場に居た四人全員が、面影は有るが見知った顔その物では無かったからだ。
あの四人を、人年齢で1つか2つ成長させるとこんな美人さん達になるかもしれない。
それか、年の近い姉であると言われれば、「ああ、成る程!」と納得出来る自信がある。
……この場合は、後者が正解っぽいな。
全員が、揃ってぽかーんとした表情を浮かべている。
何か理由が在って、呼び寄せたのか?
でも、あいつら、俺の存在を説明してなかったな?
まったく、今の姿だから良いモノの、もしアンデッドの姿で出てきていたら、どうなっていたと思っているのやら。
……でも、ここまで驚くような事かな?
全裸の男が、突然目の前に出てきたら、これ位驚くかもしれないが、俺はちゃんと服は来ているので、それはない。(黒のシャツとスラックス)
ワンチャン服が変て事は有り得るが、そこまでショックを受ける事柄では在るまい。
……待てよ?
もしかして、端から見れば、女性しかいないハズの家に突然現れた、存在を聞いてない男、って構図になるんじゃ……。
……これって結構不味くないか?
うん、凄まじく不味い。
……よし!逃げるか!
「すみません、部屋間違えました~」
そう言いながら、開きかけた扉を今度は閉じにかかる。
先程までの思考は『思考加速』で高速思考した結果なので、開き掛けてから数秒しか経っていない。
あの美人さん達が動き出すまでに、暫しの猶予があるハズ!
その間に、『意志疎通』なりで呼び戻して、事情説明をさせれば大丈夫!……なハズ。
しかし、その目論みは、扉を閉じきる寸前で潰える事となる。
「「「「ちょっと待った!!」」」」
その声と共に、二組の手が、閉めきられなかった扉にかかり、少しずつでは有るが、扉が抉じ開けられて行く。……筋力と=ではないけれど、俺の攻撃力100000越えてるんだけど?
その抉じ開けられた隙間から、いつぞや見たことのある、縄のような紐のような細長いモノが飛び出して来て、俺を拘束する。……確かアレって、触ってないと駄目なんじゃなかったか?
止めとばかりに、部屋へと紐を引っ張られて、引き込まれる。かなりの勢いで引き込まれたので、半ば吹き飛ぶ形になったが、複数のフサフサの尻尾によって優しく受け止められる。……俺の記憶が正しければ、あの人の尻尾って、一本だけじゃなかったっけ?
「まったく!酷いであります!」
「入って来て、いきなり『誰?』は無いよね~?」
「そうですよ~。酷いじゃないですか~、ご主人様~?」
「その通りですね。ここは責任を取って、妻である私と共に、子作りに励んでいただくとしましょうか!良いですよね?旦那様♪」
……まさかとは思うので、全員を鑑定してみる。
ガルム: 神狼ノ王
シルフィ: ハイ・エルフ
ウカ: 九尾の狐人
ウシュムガル: 古竜ノ王
……まさかのご本人様方でした!
でも、何でこんなことになってんの?
誰か教えて下さい、お願いしまふ。
解・おそらく、最後のギフト【連鎖進化】の影響かと思われます。
ですよね~。
「それより主殿!主殿はどうして生身の体に成っているのでありますか?」
「確かに、それは気になる」
「さぁ~、全て話してしまって~下さいな~」
説明が不可欠だな……。
******
あれから俺達は互いに情報交換を行い、現在に至る。
彼女達の話によると、あの夜に、俺が部屋へと行った後、皆も部屋へと引き上げて眠りについたらしいのだが、朝起きたら全員こうなっていたらしい。
……どう考えても、あの時獲得した、【連鎖進化】のせいですね、分かります。
全員、種族が変わっていた事もあり、進化した、と結論付ける事も、それに俺が関係しているだろう事も、すんなり受け入れられたんだそうな。
だが、進化してしまったことにより、皆の容姿が大小は有れど変化してしまっていた。
幸いに、最も変化の大きかったウカさんは、進化した時に、『変化』スキルを習得しており、ソレによって尻尾の数等を誤魔化しているため、余程の事がない限りは、ばれないし、シルフィはそこまで大きく変化していないため(なんとなく大人びて、耳が少し長く成った程度?)、ローブのフードを下ろしておけば、問題無し。
魔物組に関しては、この辺りに馴染みがある訳では無いので、心配なし。……まぁ、ガルムの方は、軍服が長袖になり、大人っぽい感じの美人さんに、ウシュムさんは、より成熟した大人の女性感がにじみ出ている……気がする。ウシュムさんに関しては、見た目年齢は二十代前半位なのだけど。……不思議だ。
俺の方からも、生身の体を手にした?経緯を一応説明し、駄女神からの啓示?も伝えておいた。
もちろん、全員「なんじゃそりゃ?」な反応である。まぁ、当然か。
そんな中で、俺がなり頼んでおいた事の進捗を聞いてみたところ、もう調べはついているとのこと。
「流石、結構早かったな?」
「……いやー、それは『私達』が早かったんじゃなくて、『貴方』が遅かっただけだけどね?」
「そうですよ~。ご主人様は四日も目覚めて来なかったのですから~、私達が早かった訳では無いですよ~?」
なんですと?
そんなに?
……まぁ、とにかく報告を聞くか。
………………
…………
……
結論から行くと、『今のところ』獣人族へも亜人諸族へも攻め込む事は無さそうである、らしい。
その代わり、対魔人族への注力が大きくなってきているのだとか。
その際の拠点はココ、『イストの街』になるそうな。
……頃合いを見て、魔人族に接触せねばなるまい。
シルフィとウカさんからの報告が終わり、ウシュムさんからの報告を受ける。
結論から言えば、この辺りで、俺が探すべき対象となりうる魔物は居なかったそうな。……残念。
全ての報告を終えた四人だが、何か言いたい事が有るのか、目配せしあっている。
踏ん切りが付いたのか、一つ頷いてこちらに問い掛けてくる。
「主殿。自分達は、主殿に聞きたい事が有るであります!」
「女神様からは、好きにして良いってお墨付き貰ったのでしょう?なら、もう始めても良いんじゃ無い?」
「ご主人様がなされるのなら~、私達は何処までも~、それこそ地獄の底まで~、お供しますよ~?」
「ですが、貴方様はまだ手勢を集めようとなさいます。私達に貴方様が加われば、国なぞ簡単に陥落するでしょう。なのに、何故まだ動かれないのですか?」
フム?そう言えば、説明してなかったな。
「俺がまだ動かない理由、ね……。
まぁ、いくつか有るけど、そのうちの一つは俺達『だけ』だとあまりよろしくない、って事かな?」
彼女達を見回すが、分かってなさそうだ。
「……例えば、だ。俺達でこの街を落としたとする。その後はどうする?俺達が次を目指して動き出したら、落とした所は空っぽだ。奪い返されるだけだ。それじゃあ意味が無い」
「……故に、占領し続けられる勢力との提携が必要、でありますか?」
「それも有る。
それ以外にも、お前さん達がイケイケドンドンに成っている理由に、能力値の高さも含まれているだろう?」
「それは、そうだけど……」
「では聞くが、人間が、ステータスで劣るハズの魔物に勝てる理由は何だ?」
「……それは~、多人数での連携……あ!」
「理解したらしいな。
確かに俺達は強く成ったと言っても良いだろう。だが、それは絶対的な強さじゃあ無いと俺は思っている。俺の能力値は平均100000を越えるが、平均が10000近い奴等、人外の連中を十人も用意すれば、数の上では並ばれる。更にもっと多くの人数を用意されれば、討ち取られる可能性が激増するだろう。俺はそれを警戒しているのさ」
「……ですが、それではいつまでも動けませんよ?」
「それを可能にするために、仲間が部下が必要なのさ。一応は俺の考えを話してみたけど、納得はしてくれたか?」
皆、一応と言った顔で頷く。
まぁ、これで大丈夫だろう。
「良し!なら、さっさとこの縄解いてくれないか?」
そう、俺は最初から最後まで、拘束されたままの状態で報告を受けていたのである。
なので、いい加減解いて欲しいと言ったのだが、返って来た答えは無情だった。
「え?いやいや、解く訳無いでありますよ?こんなに美味しい状況」
拘束したままの俺を担ぐガルム。
「そうそう。折角『生身の体』で拘束されてくれているのだもの、このチャンスを逃す手は無いよね?」
扉を開けるシルフィ。
「そうですよ~。こんな絶好の機会~、逃す手はありません~」
俺の部屋の扉を開けるウカさん。
……すごく嫌な予感がするなう。
「ふふっ♪旦那様、一対一で無いのが残念ですが、彼女達との協定です。さぁ、私達全員と子作り致しましょう!!」
……拘束の上から、俺の服を剥ぎ取りにかかるウシュムさん。
嫌な予感、的中ー!!!
「バカ!お前ら止めろ!!」
しかし、俺の言う事はなど聞かずに、服は剥ぎ取られ、ついにはパン一でベッドに転がされる俺。
そんな俺に襲いかかる(性的に)獣四人。
「ちょ!ま!らめーーーー!!!」
その日、俺の貞操は奪われた。
……ナニされたのか?
詳しくは黙秘させてもらうが、まさか尻の穴までしゃぶられるとは思わなかったよ……。
彼は一体ナニをされたのやら。
次回、久しぶりの駄女神回の予定です
展開を読まれてしまったのは反省。
しかし、後悔はしていない




