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やがて魔王へと至る最弱魔物《スケルトン》  作者: 久遠


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第28話

説明回です


※主人公のギルドランクを『F』から『E』に修正しました。

どうにか二人を宥めて、当初の目的地へと向かう。

行先?もちろん、冒険者ギルドだ。

シルフィとウカさんは例の捜索依頼の結果報告と、途中での裏切りによるグループ壊滅を報告する必要が有る。

あのグループは半ば無理やりギルドに組まされたモノであった事もあり、たっぷりと搾ってやる、と二人共に黒い笑みを浮かべていた。

……女性って怖い……。

もちろん、俺とガルムの行き先も冒険者ギルドだ。

一応は『情報収集の為』と言っては有るけど、やはりこんなファンタジー世界に来ているのだから、やっぱりやってみたいじゃん?冒険者になって冒険。


そんな訳で、先程までの広場と(・・・)変わらない(・・・・・)雑踏(・・)に足を踏み出す。

そう、先程の入口付近の広場にも、今いるこの大通りと変わらず、とはいかないが、そこそこな数の人通りがあったのである。

なのに、人の首を跳ねても騒ぎが起きなかった理由は、やはり『魔法』だ。

……まぁ、俺も殺ってから気付いたんだけどね?


まず俺とアイツが話始めて直ぐにガルムからのリークを受け、シルフィが適性のあった風魔法で周囲を覆い、音が外に漏れない様に細工したんだと。流石転生者、音の特性をちゃんと知ってらっしゃる。

そして、ウカさんが使用出来たらしい無属性の『幻影魔法』でこちらに注意を向けていた人間に対して、何事も無く別れた様に投影した、んだそうな。


まぁ、あのクソ野郎があんな事仕掛けて来るとは思って無かったらしく、幻影魔法に関しては、俺が腕を落とした時に急いでかけたので、シルフィが空間庫にて証拠隠滅するまで、ずっとドキドキしっぱなしだったらしい。

ご苦労様です、ウカさん。


ちなみに、ガルムに拘束されていたピーターのおっちゃんは、風魔法を使用した際に、なにやら感づいたらしく、様子を見に来たのだそうだ。

そして、運悪く俺が腕を落としたタイミングに来てバッチリ目撃してしまったので、何かされる前にガルムがふん捕まえて、魔法の効果範囲内に引きずり込み、その上から幻影を投影したらしい。

まぁ、そのお陰か、おっちゃんがそこにいたと知っている人はいても、俺達と取引していたのを知っている人はいない、ハズ。


そんなこんなで目的地に通い慣れている二人の案内で通りを進んで行くと、剣と杖が交差している意匠の看板を提げた立派な造りの建物に到着した。

……コレがそうなのか?

まぁ、現役の二人によるナビゲート故に間違いは無いハズだが、なんとなく嫌な予感がする。

そう、具体的に言えば、お決まりのアレ(・・)が来そうな予感がする。


「……入らないのでありますか?」


扉の前で思案している俺に疑問を抱いたのか、ガルムが問い掛けて来た。


「ガルムや、俺が元いた世界では、こう言う時にお決まりのアクシデント『テンプレ』ってのが良く起きるんだ。で、ソレが無いか、又は起きた場合どうなるかを考えてたんだよ。」


ソレに対して、完全に理解しているシルフィはニヤニヤと、おそらく聞く・体験するを既に済ませているウカさんは苦笑(にがわらい)を、良く分かってないのかガルムは首を傾げてキョトンとしている。


「まぁ、早い話が俺達がギルドの受付で登録していると、『新入りの癖に良い女侍らせてんじゃねえか!』と絡んでくる先輩(馬鹿)がいて喧嘩に発展する、ってことさね。」


中身はともかく、三人共に美人さんではあるからね。

シルフィとウカさんは、元々ここの所属だから大丈夫かもしれないが、ガルムは初だし、酔っ払いだと誰だったとしても絡んでくるかもしれないので、一応は警戒しておかないといけない。


そんな風に思っていたのだが、ガルムからの一言でどうでも良くなった。


「?喧嘩を売ってくるのなら、叩き潰してしまえば良いだけであります。」


……成る程、それは確かに真理だ。

もう良いや、それで行こう。

どのみち入らなければならないのだし、あんまり入口塞いでいるのもアレだし、なるようにしか成らんのだから、とりあえず入ってしまうとするかね。




******




扉を開いて中に入ると、正面に受付と思われる幾つかのブースが並び、入口から見て右手側が酒場に、左手側が買取り窓口と道具屋になっていった。

未だに昼過ぎ以降夕刻未満な時間のお陰か、酒場はそれほど賑わっている訳ではなく、こちらに視線を飛ばして来る酔漢はそこまで多くなく、それらにしても、絡む前に新顔以外の二人に気が付き、諦めて大人しく酒を煽っていた。

無論、酒場にしか人目が無い訳はなく、受付ブースの脇の掲示板を見ていた者や、買取り窓口に向かっていた者達の視線がこちらに注がれる。

もっとも、酒場で管巻いている連中と比べると、天と地ほどの差が出来る程お上品な視線ではあったが。


当初の目的を果たすため、空いているブースへと足を向ける。

登録するのが目的なのだから、その間に買取りや精算を済ませてしまっては?と二人に提案しておいたのだが、「一緒にいた方が良い」と押しきられてしまった。

……何か有るのか?


まぁ、そんな事を気にしていても仕方がないので、受付にいた、狼を人型にした様な獣人族の男性(?)に声をかける。


「失礼、俺とこいつ(ガルム)の登録をお願いしたいのだが?」


「……ん、了解。お前さんと隣の獣人族のお嬢ちゃんだな?とりあえず、登録料金が一人銀貨10枚だ。二人で20枚、ちゃんと有るか?」


どうやら、男性で合っていた様だ。

硬貨を数えてカウンターに出す。

そこまで余裕が有る訳では無いが、どうにか足りた。ありがとうおっちゃん。あんたがオマケしてくれたお陰で無一文は回避出来たよ……。


「……10枚……20枚、確かに預かった。

一応、新しく登録する奴には色々と説明する決まりになっているが、後ろの二人から聞いているのなら、別にいらないか?」


彼女らからは軽くは説明されていたが、一応本職の人間からも聞いておいた方が良かろう。


「軽くしか聞いてないから、出来れば頼む。」


「了解した。

まずは各種特権からだな。

大雑把に言えば、冒険者ギルドと提携している店での割引と入街料金の免除。これらはそれぞれでこれから発行するギルドカードを提示すれば受けられるから忘れるなよ?主なモノはこの二つで、他にも細々したのが幾つか有るがまぁ良いか。

次は依頼についてだな。

依頼に関してだが、基本的に受付横の掲示板に貼り出して有る。」


とそこで一旦言葉を切り、指で差してどこに有るのかを教えてくれた。……意外と良い人?


「……基本的と言った理由は、ギルドランクが上がって来ると、ギルドや依頼人から直接来る『指名依頼』や、危険度が高すぎる様な『高難度依頼』は貼り出していないから注意しろ。ここまでは良いか?」


幾つか気になる点はあるっちゃあるが、どうせ説明が入るだろうから今は聞かずに、眠そうなガルムを横目に頷いておく。

受付の狼さんも、俺は(・・)聞いているのを確認してから続け出した。


「お次は、さっき出てきた『ギルドランク』についてだ。

ギルドランクは下からE、D、C、B、A、S、SS、SSSと有り、ギルド所属の冒険者の力量等を分かりやすく表記するためのシステムだ。最初は誰でもEランクからスタートだ。

一定の基準を満たせば次に上がれる。

依頼や魔物にもランクが設定されているから注意しろ。ちなみに、受けられる依頼のランクは本人のランクの一つ上までだ。パーティーを組んでいるのならば、パーティーでのランクの二つ上までなら受けられる。

魔物と戦う時は、一人なら自分と同ランクまで、パーティーならば一つ上までが常識だ。

冒険者のランクを分かり易くすると

Eランク・一般人に毛が生えた程度

Dランク・平の兵士に毛が生えた程度

Cランク・新入り卒業

Bランク・一人前

Aランク・一流の仲間入り

Sランク・英雄の入口

SSランク・化物の巣窟

SSSランク・人外魔境

ってのが一般的に言われているランクごとの強さだな。もちろん、例外は有る。例えば、お前さん達みたいな新入りだったり、裏で汚い事してランクを上げた様な奴だったりすると、ランク不相応な強さだったりはするな。

まぁ、頑張って上を目指してくれ。

ちなみに、魔物の方は

Fランク・力自慢の一般人程度なら倒せなくもない

Eランク・こいつに勝てなきゃ冒険者は辞めておけ

Dランク・一般人ではほとんど勝ち目は無い、兵士ならば何人かの集団でどうにか

Cランク・軍の精鋭が必要

Bランク・そろそろ個人での対抗は厳しい

Aランク・大人しくパーティー組もうか?

Sランク・下手すると街が半壊

SSランク・下手しなくても街が半壊

SSSランク・上手く行けば街全滅で済む

となっているから、あまり上の方はつつかないでくれよ?下手しなくても街が無くなるからな?

最後になるが、ギルドに所属すると発生する、ある種のデメリットだ。

まずは依頼料金。ギルドはあくまでも仲介業だから、貼り出されている依頼の依頼料金は既に、ギルドが一割引いた金額になっている。例えば、銀貨10枚の依頼だったら、ギルドが一割引いて、銀貨9枚で掲示板に貼り出す事になる。

ソレが嫌なら自分で直接受けるしかないが、安全面だとか信憑性だとかの調査は自分でしなけりゃならなくなるからあまりオススメしないな。

あと、ギルドが発令する『強制依頼』には参加する義務が発生する。拒否する事も出来なくは無いが、罰則がかなりキツいから、あまりオススメ出来ないな。

大雑把にはこれ位か。何か質問は?」


フム。まぁ、今のところは大丈夫かな?

その旨を伝えると、狼さんはカウンターの下からカードを二枚取り出した。


「じゃあ、そいつに魔力を流すか、血を垂らすかしてくれ。そのカードに個人の魔力紋を記憶させれば登録完了だ。そいつでステータスなんかも見れるぞ。」


フム?では早速やってみるかね?


一枚を手に取り、早速とばかりに魔力を流し込む。

すると、表面に『E』の文字が浮かび上がり、頭の中に


『ステータスを表示しますか?yes/no』


のインフォメーションが表示された。

とりあえず、yesを選択してみたら、俺のステータスらしき数字の羅列が出てきたが、比較対象が無いので、高いのか低いのか分からん。

ちなみに、数値がコレ



体力・120000

魔力・120000

攻撃力・95000

防御力・90000

抗魔力・110000

素早さ・40000(+60000)

運・999


高いのか?


「ちなみに、新入りならば運の数値を除いて、平均10。一人前で200、一流で1000、英雄と呼ばれる連中なんかは2000~3000、10000を超す様なのは人外の連中でも厳しいだろうな。」


……高かったらしい。

てか高過ぎじゃねえ?

次回も説明回(続)の予定です

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新作始めてみました クラス丸ごと異世界転移~無人島から始まる異世界冒険譚~ 宜しければ、こちらもお願いしますm(__)m
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