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やがて魔王へと至る最弱魔物《スケルトン》  作者: 久遠


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第14話

説明回です。

あの人(?)が再登場します。


-とある神域


「よろしかったのですか?」


そう、問いかける一柱の下級神。

その視線の先には、自らが仕えている女神が水鏡で『ある世界』の『とある魂』の持ち主を覗き込み、その行動を観察していた。


……すでに皆さんお気づきかも知れないが、観察対象となっているのは、現在進行形で自分が封鎖した扉をどうやって開けたものか頭を悩ませている我らが主人公、今だ名も無きスケルトン(?)である。


「『よろしかったのですか?』とは、何の事ですか?」


……そして、惚けている訳でもなく、本当に理解していない様子で聞き返したのは、皆さんご存知、彼をあの世界に転生させた駄女神様である。


「今もご覧になっている彼の事です。彼がああなっているのは、貴女様が仕組んだ事なのでしょう?」


衝撃の事実!

彼がトラブル(扉が開かない等)に巻き込まれた(?)のは、全て駄女神の仕業!



「?そんなのある訳無いじゃないですか。」



……ではなかったようです。


「……いえ、彼の現状についてではないのですが……。」


再びの黒幕疑惑!


「では、何の事です?」


「彼のスキルを含めたステータスの事ですよ!

普通、ああ成りはしないはずです。何か仕込まれたのでしょう?」


……違ったようです。


「……実は、その事なのですが……。

私にも、完全に予想外でして……。」


仮にも神なはずなのに、予想外とはこれいかに……。


「では、アレは偶然重なったと?」


「ええ、そうなります。

まさか、こちらが整えた訳でもなく、三種類もステータスに補正をかけるスキルや特性を入手するとは思いませんでした」


「本来なら、『転生者の特性』による【全てのステータス上昇時の獲得ステータス値を上昇させる】効果だけの予定だったはずでしたので、強力にはなれども常識の範囲内である予定でしたからね……」


「その上、骨食(ほねばみ)による【修復に使用された分以外の余剰分は体力・攻撃力・防御力のステータス値に追加され、物理的な身体の頑強さも上昇する】効果だけでなく、魔石喰いの【魔石の魔力を必要分だけ経験値に変換し、レベルが上昇した余剰分は魔力・坑魔力のステータス値に追加される】効果まで重複してしまう事は、私にも完全に予想外でしたねぇ」


「……本当に狙って仕組んだのでは無いのですよね?」


「そこは神である私に誓って本当です。まぁ、嬉しい誤算ではありますけどね♪」


「……それでも誤算である事には変わりは無いですし、そのせいであんな変な進化をさせる事になってしまった訳ですが……」


「それこそ仕方の無い事ではないですか……。

彼の様なアンデッド系列は、進化の度に身体をまるごと入れ換えるので、スケルトンから直接進化出来る中で最高の死霊聖騎士でも、骨食等の強化が解除される事による弱体化は免れないですからねぇ……」


「で、システム的には、一時的な弱体化でも認める事が出来ないので、『入れ換え』ではなく『上乗せ』する事にした、と……?」


「その様に報告が来ていましたね」


つまりはアレか?

ロボットモノで主人公機を新型に乗り換えるのではなく、元々の機体を強化改造するみたいなものか?


「まぁ、何はともあれ彼は順調に強くなっていますし、魔王へと至るのもそう遠い話でもないでしょう。そうすれば、私の願いもようやく叶います♪」


「……その割りには、入れておくべき情報(骨食や魔石喰いの詳細等)や教えておくべき事(人類衰退の基準)等が抜けていたと思いますが……」


「ほら、そこは良く言うでしょう?それはそれ、これはこれ、です」


「……はぁ。そんな適当な事をしているから、彼から『邪神・魔神の類』だとか『駄女神』だとか言われるのですよ?」


「ちょっ!それはあまり関係無いんじゃないですか?

それに、彼は私をからかう為にそう呼んでいただけで、本心からそう思っているとは限らないじゃないですか!」


「いえいえ、関係無い訳無いでしょう?

彼が苦労している原因の一端は確実に貴女様が握っておられるのですよ?

第一、そう言われる様な事を…………」



……どうやら長引きそうなので、此処等で退散するとしますか。

最後の土産に、今彼がどうなっているか見ておくとしますかね。

どれどれ?



「ぬおお!!!開かねぇーー!!!!」

ガチャガチャ!ガンガン!



……まだ開けられていないようです。

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新作始めてみました クラス丸ごと異世界転移~無人島から始まる異世界冒険譚~ 宜しければ、こちらもお願いしますm(__)m
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