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やがて魔王へと至る最弱魔物《スケルトン》  作者: 久遠


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第114話

たくさんのブックマークにて応援していただき、誠に有り難うございますm(__)m


「……さて、ではまず、現在の状況から聞こうか?」


ジョシュアさんとティーガさんからのお説教と言う名の拷問(『お世継ぎを作られるのはよろしいですが~』と言った赤裸々な内容のモノを、人の行き交う廊下にて正座の状態のまま約数時間)を耐えきり、同じくお説教を受けていた婚約者+αと共に執務室へと移動した俺は、俺と【契約】していたお陰でジョシュアさんと同じく『ハイエルフ』へと進化していたらしいアルヴが、目の下に隈を作り、まるでアンデッドにでもなったかの様な顔色と、其処らの死体の方がまだ正気に溢れている、と言っても良い程に土気色を通り過ぎた様な顔色をしていた為に、俺達が数時間前に出てきた治療室へと速攻かつ問答無用で叩き込んでから、先程の発言へと繋がっていた、と言うのが現状である。


「……その言葉、せめて昨日の内に聞きたかったのですが、ね……。

さて、ではどの方面からの報告と致しますか?陛下」


前半は俺の友人でもある『私人』としての発言だったのだろうが、後半ではすっかり『公人』としてのジョシュアさんへと切り替わっており、俺の呼び方も『ジョンさん』から『陛下』へと変化している。


そんな彼の手元には、おそらく俺が消える(進化する)前に出しておいた指示の、現時点に於ける進捗情報が纏められているのであろう書類が握られており、その厚さから既に幾つかの案件が進められているのであろう事が予想される。


「……ふむ、では、進捗率の高いモノからお願い出来るかな?」


「了解しました。では、まずは人族関連から報告致します」


そう返事をしてから、その手に持っていた書類の上から数枚を捲り、該当の情報が纏められているのであろう書類を一番上へと持ってくると、確認の意味合いも込めて軽く目を通してから、俺に対して報告を行うジョシュアさん。


「まず、陛下の下されたご指示に有りました通りに、この旧サンテレル首都にて生き残っておりました人族の西方への放逐は完了し、現在この旧サンテレルにて残されている人族は、あの時降伏してきた自称『勇者』の一団だけとなっております。

また、放逐した人族も、陛下からの指示の通りに、こちらからは追撃等は敢えて行っておりませんが、本当にそれでよろしかったのですか?彼の者達を根絶するのが、陛下の目的だったのではないのでしょうか?」


そう、簡潔に纏めて伝えてくれたが、その表情は何処か不満そうにも見受けられた。

そして、それと同じ様な不満を抱いている、と言う事を、表情にて表しているティーガさん。


……そう言えば、ジョシュアさんやティーガさんには、俺が人族を追い詰める理由を話した事は無かったっけか?


解・詳しい説明はしていなかったかと。……と、言うよりも、詳しい事情を把握なされているのが、婚約者の方々にメフィスト様、そして、レオン様等の一部の指導者の方のみでしたので、おそらく全貌を把握なされている方のみ方が少ないかと……。


……そうだったっけ?

……今この場で説明しておいた方が良いかな?


解・その方がよろしいかと。


なら、サクッと説明しておくかね。


「……実は、その件に関してなんだがーーー」


ジョシュアさんとティーガさんに事の詳細を説明することに決めた俺は、これまで俺が人族を追い詰める様に行動していた理由の一つが、俺をこの世界へと送り込んできた神からの『人類を衰退させて欲しい』と言う依頼があったからである事、その依頼自体は既に、この旧サンテレル首都を陥落させた段階で達成されている事、『俺達が』このまま人族を追撃して滅亡させると、この世界のバランス的にあまりよろしくないらしいので、俺達『は』このまま放置するしかない事を、二人に説明して行く。


「ーーーって事らしいから、取り敢えずこの件は放置、ってことで納得して貰えたかね?」


そう、説明を終えると、二人共に何かに納得がいったとでも言う様な、何処か晴れ晴れした様な表情をうかべていた。


「……成る程、そうであれば、このご指示にも納得が行きますね」


「然り。道理で、私が参戦した最初期からあれほど苛烈に攻め立てた上に、途中の村や町まで丁寧に攻め滅ぼしていたのも、そんな理由があったからでしたか……」


「まぁ、俺個人としても、人族は嫌いだったから、って事も有るけどね?」


「それでも、ですよ。では、このまま監視のみ続行と言う形でダイジョブでしょうか?」


「ああ、それで大丈夫。例の駄女神の話だと、俺達が手を下さなければそれで大丈夫らしいから、存分に西部の最悪以下の環境を楽しんで貰うとしようじゃないの。これまでは、散々他の種族にやって来た事なんだから、今度は自分達が受ける番ってやつだろうし、ね」


「承りました」


そこで一旦言葉を切ったジョシュアさんが、手元の書類を一枚捲り、次の案件へと話題を移す。


「では、続きましてはこの旧サンテレル首都に残されている唯一の人族である、あの自称『勇者』達なのですが、あれらは如何なさるご予定ですか?何か使い道でも?」


「……それなんだけど、どうしたら良いかな……?」


「「……え?」」


俺からの正直過ぎる返答に対して、思わず声をシンクロさせるジョシュアさんとティーガさん。


しかし、俺としてもアレらはどう扱って良いのか分からない、と言う事情を理解してもらうべく、二人へと説明をして行く。


「……いや、だってさ?あいつらって、腐っても俺と同じく『他の世界から呼び出された存在』な訳だろう?だったら、生かしておくと俺と同じ様なレベルの戦闘力を持つ『かも』知れないだろう?何せ、状況は俺のソレと似ている事は似ているんだから、否定のしようが無いからね。

じゃあ、殺してしまうか?と言われても、そうしたらそうしたで、この世界にどんな影響が出るのか、そもそも出ないのか?すらよくわかっていないのだし、仮に殺したとして、その後どうするのか?の問題も有るからね?

死体はどうするのか?アンデッドとして利用するのか?仮にアンデッドにしたとして、俺みたいな存在を作り出してしまう可能性は本当に無いのか?etc.etc.……。

って感じで、考え出したら色々と懸念点が出てきていてね?だから、ぶっちゃけた話どうしたものかなぁ、とねぇ……」


そう、俺が今考え付いただけでも挙げられる様な懸念点を列挙してやると、ジョシュアさんとティーガさんも、その場で手を口元に当て、考え込む態勢に移行する。


……身も蓋もない様な話をすれば、人族が亜人族の皆にしていた様に、俺達もあいつらに『隷属の首輪』でも嵌めて、魔物の退治なり畑の開拓なり、もしくは鉱山の新規開拓等の重労働に従事させる、と言うのが一番なのだろう。

だが、この手のファンタジーモノの定番(テンプレ)の中には、奴隷状態からの逆転!なんてモノも混じっていた記憶が有るため、ワンチャンその手の変な能力を所持していないとも限らないから、何となく奴隷にする、と言う事にも不安が残っているのだ。


そんな訳で、取り敢えず捕虜にしたのは良いけれど、どうしたものかなぁ……と悩んでいる訳なのである。


解・……検索してみましたが、彼らの中にそれらの状況を再現可能な能力・スキルを持っている存在は確認出来ませんでした。また、主様の懸念の数々ですが、主様に比肩しうる戦闘力を獲得する可能性が有るのかどうか、の観点からお答えするのであれば、あの中には存在しないでしょう、とお答え致します。


……本当に無いのかね?


解・主様の『契約ネットワーク』に接続された上で、全員が一人たりとも欠ける事なく、十年程『心・技・体』を磨き続けたのでしたら、確率的には『万が一』程度の確率で、主様に手傷を負わせる事が出来る……かも?程度にはなるでしょうが、現状では『ほぼ不可能』と断言してもよろしいかと。


……つまりは『有り得ない』と?


解・そうとも言います。


……じゃあ、これ以上無駄飯食わせておく理由も余裕も無い以上、西部方面にでも放逐しても大丈夫かね?


解・……検索してみましたが、その場合であったとしても、主様が心配なさっている様な事態にはならない様子です。


……なら、放り出すか。


そう、決定した俺は、二人にヘルプ機能が算出したデータを説明し、攻撃されたら反撃しても構わない、と言うお触れを広域的に配布させた上で、異世界からの召喚者どもを丸腰の状態で西へと放逐したのであった。



……なお、それからそんなに時間が経たない内に、この世界とは別の世界の存在の魂が、一気に三十程冥界へと流れてきたとの話を耳にする事になるのだが、それはまた別のお話。

取り敢えず、本編の続きとしましては、宙ぶらりんになっていた部分の説明は出来た……かな?と思っておりますので、次回は『後日談2』となります。

処で皆さんは、どの子供が誰との子供なのか分かりましたか?

多分、その答え合わせは次回出来るかと。


面白い、かも?と思っていただけたのでしたら、ブックマークや評価、感想等にて応援していただけると大変有難いですm(__)m

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新作始めてみました クラス丸ごと異世界転移~無人島から始まる異世界冒険譚~ 宜しければ、こちらもお願いしますm(__)m
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