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やがて魔王へと至る最弱魔物《スケルトン》  作者: 久遠


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第12話

なんだかやけにあっけなく終わってしまった砦攻略。

一応、色々と手段は考えておいたのに、無駄……とは言わないが必要は無くなってしまった。

……試してみたかったんだけどなぁ、色々と。

まぁ、無い物ねだりは仕方ないので、次に持ち越すか。


防壁上の死体は吸収が終わったらしく、闇魔法剣が手元に戻って来た。

遊ばせておくのも勿体ないので、適当にその辺のゴブリンに骨食を行っておくように命じておく。

なんせ軽く見積もっても200体近くの死体の山だ。

そのほとんどが最下層のゴブリンであり、いちいち手作業でなぞやってられない。

おまけに遠斬を使いまくったおかげで、魔力もかなりの量を消費してしまっている。

ぶっちゃけ疲れたので、動きたくない。

……まぁ、それもこれもゴブリン・ロードが中途半端に手下共を支配していたから、ダメ元で仕掛けた遠斬がクリーンヒットした訳なのだが。


そんな事を考えながら休憩していたが、ここを強襲(又はカチコミ)した理由を思い出す。

……別段、ゴブリン共を虐殺するために来た訳ではない。……ないのだ。

レベルを上げるために来たのである。

故にその成果を確認する為、ステータスを開く。


「【ステータス・オープン】」



******


名前・未設定

種族・スケルトン

レベル・100/100 Max

スキル・剣術、剣術【二刀流】、闇魔法、闇魔法【剣】、魔力操作、クリティカル、骨食、魔石喰い、思考加速、遠斬、死霊術New!

ギフト・【ヘルプ機能】、【成長促進】、【?】、【?】

残進化可能回数・3



******



おお!上がってる上がってる。

この世界に来てからまだ1週間だけど、ようやく最初の進化が出来そうだ!


……ちなみにヘルプ機能さんや?


解・なんでしょう?


なにやら不穏なスキルが増えているみたいなんだが、一体何なんだ?


解・あれは『無属性魔法』の死霊術になります。

無属性魔法とは、基本属性の系統から外れた専門性の高い特化魔法になります。

基本属性だけでは実行しにくい、又は不可能な事もモノによっては実現可能ですが、基本属性のように『苦手ではあっても一応出来る』と言った応用性は失われます。


ふーん?つまり『基本属性では出来ない、又はしにくい事を出来るがソレしか出来ない』魔法ってことであってるか?


解・だいたいあってます。


へー。最後で変なスキル手に入れたもんだこと。

で?効果は?


解・『死霊術』の場合、生物の死骸をアンデッド化させて使役することが出来ます。


……成る程、確かに基本属性では出来なそうだな。

条件とかあったりするのか?


解・アンデッド化の条件としては

・五体満足であること

・心臓又は魔石が残った状態であること

ですね。

特に後者は必要条件になります。

アンデッドの核として必要不可欠ですので。


ふーん。ちなみに前者は不可欠でないのは何故に?


解・別段使役するのには支障はありませんが、腕がなければ戦わせられませんし、足がなければ移動も覚束ない事になります。更に、頭がなければ命令に沿って行動する事すら難しくなるので、可能ならば五体満足な死骸を使用する事を推奨します。


成る程ねぇ。んじゃまだ骨抜きになってないゴブリンで試してみるか?


解・……主様、それに関してなんですが、少々よろしいですか?


?別段かまわないけど、それってどれの事だ?


解・骨食についてなのですが……。


?それがどうかしたか?


解・……主様はこれから進化なさるのですよね?


まぁ、そうだね?


解・……進化すると言うことは身体その物が変化する可能性があるのはご存知ですよね?


うん。それは知ってる。

スキルは引き継ぎされるんだよね?


解・スキルに関してはその通りです。

が、身体に関してはそうでない可能性のほうが高い訳でして。

……今のうちに全て骨食してしまってよろしいのですか?


あ。


「魔法剣、緊急停止!」


あ、あぶねぇ。

危うく、進化直後の強化手段を無くすところだった……。


魔法剣は仕方がないので解除して、アンデッド・ゴブリンの製作を試してみる。

作り方は死骸に魔力を流すだけで良いのだとか(byヘルプ機能)。


適当にゴブリンを選んで魔力を流し込んでみる。

心臓のあたりからじわじわと紫黒に染まって行き、頭の先まで塗りつぶされた時、変化が起きた。

今まで目を閉じていたゴブリンが、突然目を開いて飛び起きたのである。

術をかけていた本人ですら、驚いて思わず剣を構えたと言えば、どれほど急な反応だったかは想像出来ると思う。


ヘルプ機能曰く、簡単な作業や道具の使用等は可能との事だったので、死体から魔石の回収と、まだ骨抜きになっていないゴブリンの回収を命じておいた。

……ぶっちゃけた話、見た目が不気味なので作業をやらせている訳なんだけどね。

考えてもみて欲しい。

全身紫黒色で目だけが濁った白色のゴブリンが、無表情でこちらを凝視しているのである。

これが不気味以外の何であると?


面倒事にとりあえずの目処がたったので、いよいよ進化の時間である。

ヘルプ機能によると、進化中は無防備になるとの事なので、この砦を利用することにした。


本丸のゴブリン・ロードが使っていたと思わしき部屋に入って一息つく。

一応、正面入り口は閉めて来たし、本丸の玄関も闇魔法でガチガチに固めて来た。

一応の安全は確保してあるが、進化後に何になるのかわからないのは不安になる。

……まぁ、弱くなることだけは無いらしいのだから大丈夫か。

思いきってやってしまおう!


ステータスを開き、『残進化可能回数』の欄に触れる。すると『進化を実行しますか?yes/no』と表示された。勿論yesに触れる。

すると頭の中に


「では、進化を実行します。」


とアナウンスが流れ、俺の意識は闇に溶けた。

次回、進化します。

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新作始めてみました クラス丸ごと異世界転移~無人島から始まる異世界冒険譚~ 宜しければ、こちらもお願いしますm(__)m
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