第111話
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結局、あの後は周囲から集まってきてくれた人達に揉みくちゃにされ、その後にこうしてロープによって簀巻きに加工された上で、たまたまあの辺りに居たジェラルドとジャックに担がれる形で移動を開始させられている。
「……なぁ、お二人さん?別段、逃げやしないから、この簀巻き状態はどうにかしては貰えんかね?」
そう声を掛ける俺だったのだが、その内心は割りとヒヤヒヤものである。
何故か、と言われれば、実は二人と再会(?)した際に、何となく二人を『鑑定』してみたのだがその際に表示された種族を見てビックリ!と言うのが正直な処である。
何せ、二人ともに種族が『不死者』系列になってしまっており、おそらくではあるが、その戦闘能力はかつての俺と比肩しうるレベルのモノを持っているであろう、と予測出来るからだ。
さすがに、押さえたばかりのこの国を、身内の喧嘩で消滅、何てオチを付けたくは無いからね。
「……残念ですが、それは出来かねます。貴方様の命で在ろうとも、今回の件に関しましては、我々も少々思う処がございます故……」
「まぁ、俺としては、もう良いかなぁ?とは思わないでも無いし、多分それなりの理由が有って『7日』も雲隠れしていたんだろう、とも理解出来るよ?
でも、だからって自分の嫁さん方が『倒れていた』のを放っておいて、何食わぬ顔で出てこられても、そりゃあ虫の居所が悪くなる奴の一人や二人は出てくる、ってモンじゃ無いかい?
おまけに、俺達上層の幹部達も数日の間は意識が無かったみたいで、まずそこが復活してくるまでがかなりの修羅場だったみたいだし、意識を取り戻してからも、ついさっきまで俺達が倒れていた間に起こった諸々の処理に追われていたりもしたからな、多少はそこら辺の事情説明も必要何じゃねぇかなぁ、旦那?」
「すみませんでしたー!!」
身動き取れないにも関わらず、反射で土下座をキメそうになる魔王様(俺)。
……確かに、予兆が有った訳でもないと思うから、予め説明しておく、と言うのは難しかったかも知れないけど、せめて可能性程度は教えておくべきだったかと、血も涙も無いハズの身であるにも関わらず、魔王様は罪悪感で一杯です。
何て事を思いながら、割りと重大な事実から目を背けていると、文字の通りに『血も涙も無い』ヘルプ機能が、俺が必死に見ないようにしていた事実を白日の元へと晒け出す。
解・主様、そんなことよりも、まず確認しておかねばならない事が出来たのでは無いでしょうか?
……なんの事かな?
解・惚けても無駄です。主様は、既にお分かりのハズですよ?
……いやいや、何の事やらさっぱり。ボクワカラナイ。
解・では、直接的に指摘させて頂きます。
主様、いい加減にご自身の『ステータス』を確認なされた方が良いのでは?
進化によって『ステータス』が変動なさっている事は、主様は既に把握なされているハズです。ならば、どの程度変動して現在はどうなっているのか、を確認する事が最優先課題なのではないでしょうか?
……それはそうなんだけど、さ……。
そう、中途半端にヘルプさんへと返事をしながらも、内心としてはまだ踏ん切りが付かないでいた。
確かに、自身のステータスを把握していない何て事態は、ぶっちゃけ危険以外の何物でも無いだろう。
以前のステータスから鑑みるに、下手に力を込めてしまえば大事故を起こしかねないモノを既に持っていたのに、更に上がっているだろう事が予測されるのだ。
そんな危険な状態はさっさと脱してしまいたい、と言う気持ちも、もちろんある。
だが、それ以上に『怖い』のだ。
元より化け物染みていたステータスが、今回の進化で何処まで高められてしまっているのか、正直予測が付けられない。
何せ、俺が捕縛される際に、軽く・冗談半分であったとは思われるが、ジャックとジェラルドの二人から殴られているのだが、『痛み』は感じても『ダメージ』を受けた感覚が無かったのである。
そう、それはつまり、手加減されていたとは言え、アンデッド系列の中でも最高峰である『不死者』の中でも、俺の以前の種族であった『不死者ノ王』程とは言わないまでもそれでも上位に位置する種族である二人の『攻撃』を、遥かに上回るだけの『防御力』を持っている、と言う事に繋がるのである。
進化前のステータスでも、おそらくは可能ではあったのだろうが、そうするには俺が『全力で防御を意識する』状態で、相手が『極力傷付けない様に攻撃する』事が前提となる為に、今回の様な半ば『不意討ち』に近い状態で、相手からも軽くではあれども『傷付ける意思』が有った場合には、多少なりともダメージが発生したハズなのである。
もちろん、俺にダメージが通らなかった理由の一つとして、『不死者』に於ける種族的な傾向に『魔法寄り』のステータスに成りやすい、と言うモノが有る為に、彼らの攻撃力がそこまで高くはならなかった、と言う事も有り得ると言えば有り得るだろう。
……だが、皆さんもご存知の通りに、俺はどちらかと言えば『攻撃面』に特化したステータスであり、比較的防御力は低めとなっていたハズなのである。
故に、今の俺のステータスは、比較的低いハズであったモノですらその域に在ると言う事であり、それと同時に、比較的高めであった他のステータスがどの域に在るのかが予測不可能な為に、こうして確認する事を躊躇っている訳なのである。
解・だからと言って、確認しなければ加減の目安が付けられませんので、早めに確認する事を推奨しますよ?
……あ~もう!分かったよ!!
やれば良いんだろう!?やれば!!
もう、こうなれば自棄だ!『ステータス』!!
*******
名前:ジョン・ドウ
種族:スケルト……ン?(冥界神)
レベル:ーーー
スキル
魔法:神代魔法【闇・光】(New!)・冥府術(New!)・暗黒魔法
戦闘:剣神術(New!)・致命の一撃(New!)・次元斬(New!)
補助:亡者喰い(New!)・魔の極地(New!)・万能鑑定(New!)・気配掌握(New!)・意志疎通・思考超加速(New!)・神化(New!)
特性:『スケルトンの特性』『死霊聖騎士の特性』『不死者ノ王の特性』『転生者の特性』『???の特性』
権能:『冥界神の権能』(New!)
ギフト:【ヘルプ機能】・【成長促進】・【契約】・【連鎖進化】
残進化可能回数:0
能力値
体力:3000000
魔力:3600000
攻撃力:2100000
防御力:2000000
抗魔力:3500000
素早さ:1100000(+1800000)
運:9999
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……いつぞやもやったかも知れないが、敢えて今回も言わせて貰うとしよう。
……なんぞこれ?
……なぁ、ヘルプさんや?
解・……何が言いたいのかは大体予想出来てますが、敢えてお聞きしましょう。何ですか?
……この馬鹿ステータスの説明プリーズ。
進化する前も大概だったけど、ここまでじゃあ無かったハズでないのかい?
うろ覚えだけど、進化する前の数値って、今の数値の一割程度じゃあ無かったっけ?
それに、持っていたハズの『スキル』が無くなったり、持っていた覚えの無い『スキル』が生えたりしているみたいなんだけど、それの原因って何?
解・……一応、その辺りを解説しますと、おそらくは『スキル【神化】』が関わっているのではないかと考えられます。
効果自体が『神として相応しい能力値を与える』モノだったハズなので、それによってステータスが急激に上昇したり、それまで所持していた『スキル』が統合・強化される事になったのではないでしょうか?
……一応は納得出来る説明どうも。
しっかし、我が事ながら、またトンでもなステータスになったモンだのぅ。
ぶっちゃけた話、このステータスさえ在れば、大概の連中は文字の通りに『指先一つでダウン(物理)』するんじゃあるまいか?
今なら、全力を出せば大陸割り……はまぁ、無理だろうけど、それでもこの城位ならば拳一つで解体出来そうな気がする。
解・…………演算の結果、おそらく無計画に行ったとしても、無傷で実行が可能である、との予測が出ましたが、それと同時に実行すればアルヴ様の胃に多大なダメージが発生する、とも出ておりますので、実行は控えて頂ける様にお願いします。
……いや、冗談にそんなガチの返しをされても困るんだがね?
それともアレか?『俺ならやりかねない』とでも思ったかね?
解・……普段の言動からすれば、そう取られても仕方の無い事ではないかと……。
……いや、やらんからね?
そんなやり取りを脳内で行い、表面上は大人しく運ばれていた俺だったが、何やらこれから向かおうとしていた方向が俄に騒がしくなり始めた為、何事だろうか?とそちらに視線を向けてみると、より虎っぽさが増し、体格も随分と大きくなった様に見受けられるティーガさん(推定)が、慌てた様子でこちらへと走ってくるのが目に飛び込んで来た。
「ティーガ殿、如何なされた?」
そう、ジョシュアさんが声を掛けている事から、多分ティーガさんで合っていたのか、と多少複雑な思いになる。
正直、ジョシュアさんは進化しても大して姿が変わっていなかったし、ジャックとジェラルドは『不死者』系に進化した影響で『人化』スキルを入手していたみたい(今は人の姿をしている)だった為に、そこまで姿形が変わる訳ではないのかな?と思っていた為、半ば巻き込む形で強制的に姿形を変えてしまっている現状に、少なくない罪悪感を覚える。
「おお!ジョシュア殿!それに陛下も!!よくぞ捕まえられましたな!
っと、そんな事より一大事です!まだ目を覚まされていなかった一部の幹部と大幹部の方々が目を覚まされました!」
それを聞いた俺は、それまで大人しく拘束されていた諸々を腕力によって無理矢理に解除すると、自らの足で地面に降り立ち、ジョシュアさんに軽く頭を下げてからティーガさんへと向き直る。
「悪いね、ジョシュアさん。詳しい説明は後でするから、今回はこれで勘弁してくれ。
ティーガさん。早速で悪いんだけど、あいつらの所に案内頼めるかい?」
承りました、と反射で答えながら、こちらも反射的に行っていたらしき膝を突いた状態から飛び起きると、まだ目を覚ましていなかった面子が居る部屋へと先導して歩き出すティーガさんの後ろに着いて、俺もそこへと歩き出すのであった。
どのスキルがどれとくっついて、どれが何に変わったのかを予測してみると面白いかもしれません。
次回、婚約者&メフィスト(+α)の進化先が公開!……予定です。
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