第1話
初投稿です
稚拙ですが生暖かく見守っていただけたら幸いですm(__)m
「突然ですが貴方は死にました」
何を言っているんだろうかこいつは?
「こいつではありません!私は神様です!」
こいつ、思考を読んだのか?
「だから、こいつではないと言っているでしょう!」
なら誰よ?
「だから、神様です!!」
え~、本当でござるか~?
「本当です!!!」
本当に?本当の本当に?本当の本当の本当に?
「うぅ…ヒック…さっきから…神様だって…ヒック…言って…グスッ…いるのに…エグッ…」
おいおい…泣き出したよこの神様(仮)。
少々からかい過ぎたか?
「もしかして、わざとやってたんですか!
『からかい過ぎたか?』ってそう言う事ですよね!
あと神様(仮)ってなんなんですか!私はきちんと神様です!!」
おいおい、もしかしてまだ気付いてなかったのか?
それに(仮)は当然だろうが。まだそうだと証明してもらってないし。
それともあれか?「仮」が嫌なら口調からして女性っぽいから駄女神様(笑)の方がお望みかね?意外とマゾいんだな。
「わかりました…もう(仮)で良いです…。
もうそれで構わないので、話を先に進めても良いですか?」
こいつ、強引に話を進めに来やがった…。
まぁ神様云々は置いておくとして、最初の俺が死んでるってのは多分本当なんだろう?
「…え?
ちょっと待ってください!
確かにそれは本当の事ですが、普通ならもっと混乱するはずじゃあないですか?
むしろ、なんでそんなに平静で居られるんです?」
ふむ。
理由は幾つか有るけど、挙げるとすれば主なモノは3つかな。
「それをお聞きしても?」
構わんよ。
まず一つ挙げるとすれば、『今現在の自身の状態』かね?
「と言うと?」
それはお前さん。目が見えている訳でもないのになんとなく前方にあんたが居るのが分かったり、耳が聴こえる処か存在する感覚すら無いのに会話が成立している現状からして、自分がまともな状況に無いと判断するのは間違いでは無いと思うがね?
ぶっちゃけた話、体の感覚そのものが感じられないし。
「ふむふむ、確かに。ちなみに他は何ですか?」
二つ目は、俺の思考を読んで会話している現状。
ついでに三つ目も教えておくけど、これ、絶対にお前が何かしただろ?
何故、俺の『俺自身に関する記憶』だけ何も無いんだ?
これ等を挙げただけでも、自身の状態としては異常の一言に尽きる。
故に嘘ではないと判断した訳だが、納得していただけたかな?
「な、成る程。理由の方は理解しました。
しかし、貴方がそこまで平静でいられる説明にはなって無いですよね?」
そこはほら、そう言う性質ってことで。
「ま、まぁそう言うことにしておきますか…。
では話を進めても大丈夫ですか?」
ん、了解。
「とりあえず貴方は既に死亡しており、魂だけの存在になっています。ここまでは大丈夫ですか?」
あ、やっぱり?通りで身体の感覚がしないと思ったら、そもそも無かった訳ね。
「そして死亡に伴い、貴方個人の最大の集積でもある『貴方自身にまつわる記憶』も共に消去させてもらいました」
ふーん。…あれ?
消去の理由はなんとなく理解した。
あれだろ?既に世界に存在しない個人の情報が残っていたらよろしく無い、とかそんな感じなんだろう?
それなら手っ取り早く全消去して初期化した方が早かったんじゃ?
「そうですね、半分正解・半分外れと言ったところです。確かに、初期化してしまった方が手早いのですが、これから貴方にやっていただく事柄に関して言えば、ある程度の知識・知性を伴っていないと完遂が難しいのでこうさせてもらいました」
『やっていただく事柄』ねぇ…。
拒否権とかは無いんでしょ?
報酬とかは何か有ったりするのかい?
「報酬ですか?
…ある意味、これからやっていただく事自体が報酬と言えば報酬になりますかね?」
なんじゃそりゃ?
「貴方にはこれからとある世界に転生していただきます。
そこは、科学の代わりに魔法が有る世界で、所謂『剣と魔法の世界』になります。」
おお、ファンタジー
「その世界にて、私の目的を果たしていただくのが、私からのお願いになります。
当方からのお願いさえしっかり進めてもらえれば、二度目の生は好きな様におくっていただいて構いませんので、それが報酬になります…よね?」
oh…マジか…。
娯楽知識としては脳内(?)に存在するけど、実際に遭遇する事になるとは思ってなかったぜ…。
ところで、肝心の『お願い』って何ぞや?
あと、まともに転生させる気無いだろ?
「よ…よく解りましたね…。
もしかして私の思考でも読んだりしてます?」
oh…否定しないのね…。
だってほら、お前さん一言も
「人間に転生して~」
だとか
「人類を救うために~」
だとか
「貴方は勇者として~」
だとか言ってないべ?
それにさ、俺の記憶消したのだって人外に転生させたいからだろ?
記憶と実際の身体が違うと慣れる迄に時間がかかったり、中途半端なタイミングで死なれたりが普通にあり得るからって処かね?
「相変わらずの切り替えの速さですね…
確かに、その通りです。
貴方には、魔物に転生していただきます。
私からのお願いはただ一つ
魔王へと至り、人類を衰退させていただきたい
それだけです」
……て、転生神かなんかかと思っていたら、魔神・邪神の類いだったでござる…。