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我輩は暮田伝衛門(グレーターデーモン)である ~魔界から召喚された我輩が、ついに地球人とエルフの嫁を手に入れた(こらー! わたしたちが楽しみにしてた冷蔵庫のプリンを勝手に食べたの暮田さんでしょ!)~  作者: 秋山機竜
ついに我輩結婚した。そろそろあらすじ書き換えようかなぁ

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86話 ポケモンゴォオオオオオオオオ!

 夏は暑い! でも我輩と園市は昼間の公園でポケモンG●をやっていた。


「最近、プレイヤーの数がめっきり減りっちゃいましたねー」


 元勇者で高校生の園市は、アイスを食べながら画面をタッチしていた。なおアイスの銘柄はコーラ味のガリガリくんだ。


「旬のソシャゲはコアなプレイヤーしか残らないものだ。それでもポケモンG●の残存率は優秀だぞ」


 我輩もアイスを食べながら画面をスライドしていた。なお最近はどのメーカーでもいいからチョコミントがお気に入りである。


「暮田さんは結婚してもゲームばっかりっすね」

「ガンプラと漫画も続けているぞ。時々ガンプラを人質にとられて焦ることもあるが」

「…………なんか幸せそーっすね」

「うむ。ところでポケモンG●のレイドイベントだが、アメリカはシカゴであるそうだ。どうする?」


 レイドイベント。ソシャゲのプレイヤーたちが一つの目標に向かってまい進する企画だ。だいだいのソシャゲでは大型ボスを倒すとか、特定の期間内に資金を集めるなど、大きな目標を達成するために協力を試みる。


 ポケモンG●の場合だと、仲間を集めてジムのボスキャラクターと戦えるな。それの規模を大きくしたやつを、現実世界のイベントとして開催する。ポケモンG●がスマーフォンのAR機能(拡張現実)を使ったゲームだから違和感はなかった。


「いきたいっす! やっぱこういうゲームは仲間が多いほうが楽しいっすから!」


 園市がガッツポーズを取った。食べ終わったガリガリくんの棒をトロフィーみたいに掲げて。


「よし、チケットを入手したら、我輩の翼で飛んでいくか」


 ――というわけで我輩と園市は、アメリカはシカゴにやってきた。


 シカゴはビジネス街として有名なだけあって、ビル群が山のようにそびえ立っていた。あとは野球やバスケットボールなどのプロスポーツチームも数多く在籍するだけあって、スポーティーな見た目の人が多い。海沿いの街らしい潮風と相まって、活動的な雰囲気が漂っていた。


 地元の人たちが、我輩のグレーターデーモンな姿を見て、あれこれいった。


「あいつなんだ」「へんな格好ね」「悪魔っぽいわ」


 だから我輩は魔法で言語を翻訳すると「ポケモンサイコー!」と牛島サイコーみたいなノリで伝えた。彼らは納得した。『なんだポケモンG●のイベントに参加するギークがコスプレしてるのか』と。なおギークとはアメリカ版のオタクだ。


 オタクサイコー!


「しかし暮田さん、アメリカも暑いっすねー」


 園市は大粒の汗を流していた。ヒューマンなので熱中症対策が大事だな。


「水と塩分で熱中症予防、あとは力のつく食べ物の摂取で夏バテ予防だ」


 野菜たっぷりのホットドッグとキンキンに冷えたスポーツドリンクを園市に買い与えた。


「あざーっす! アメリカのホットドッグ、うまいっすね! やっぱ本場の味って感じがするっす」

「うむ。シンプルイズベストを体現した味だ」

「ところで暮田さん、結婚してから以前よりも面倒見がよくなりましたね。まさか熱中症ばかりか夏バテまで心配してくれるなんて」

「妻が二人もいるとな、いろいろ大変なのだ」


 ほんのちょっとでも片方を優遇しすぎてしまうと、もう片方は不平等だと怒る。だから細かいところに気がつくようになった。いうなれば結婚生活とは『親しい仲にも礼儀あり』の繰り返しなのだ。


「苦労してるんすね……結婚も幸せだけとはかぎらないっすか」


 園市は我輩の薬指にはめられた指輪をおそるおそる見つめた。


「それでも楽しい苦労だ。一人より二人のほうが賑やかだし、我輩なんて三人だからな。さて先を急ごう。ポケモンマスターらしき人たちが集まってきたから」


 ポケモンマスターらしき人たち――外見からして、こういうイベントが好きな人たちだ。オタクっぽいというより、野外でゲームをするのが好きな人たちだ。きっと子供のころは携帯ゲーム機を野外に持ち出してポケモンをやっていたんだろう。


 スマートフォンで近隣の情報を検索してみたら、どうやらアメリカ以外から集まったプレイヤーのほうが多いらしい。世界中で人気アプリだな、ポケモンG●。


 我輩と園市も彼らの流れに混ざって会場へ到着した。シカゴでは有名な公園だ。噴水と美術館目当ての観光客も集まっているから、人種のごった煮となっていた。


 ゲーム好きが集まった会場だから、ゲーム熱が溶鉱炉みたいに高まっていた。もしや我輩はゲームを題材にした主人公たちみたいに、壮大な駆け引きや奇跡を巻き起こして周囲のプレイヤーたちに尊敬される展開になるんだろうか。


 しかし邪魔するものがいた。


「ひょえひょえひょえ……おばばがいれば全部台無し!」


 魔女のおばばが魔法の箒でアメリカの大地へ降下した。いつもの紫色のローブにはUSAの星条旗が縫い付けてあった。ミーハーなやつである。


「まさかわざわざアメリカまで邪魔しにくるとは、おばばめ……」

「おばばとゲームといえば、これまでも楽しいイタズラが展開されてきたんだから、読者の期待を裏切ってはいけないのさ。というわけで、ポケモンG●の世界へいってらっしゃーいっっっ!」


 我輩と園市は、おばばのイタズラ魔法でポケモンG●の世界へ飛ばされてしまった。


「ちょ、ちょっと暮田さん。俺たち画面のなかみたいっすよ。外にプレイヤーたちの顔が見える」


 なんと公園のプレイヤーたちの顔が、我輩たちの頭上に映っていた。しかも彼らの声が聞こえてきた。


『グレーターデーモンっぽいポケモンだ!』『もしかしてイベント限定のレアなポケモンじゃないか!?』『捕まえろ!』


 ぽんぽんぽーんっとモンスターボールが飛んできた! これがポケモンたちの気分か!


「園市! 我輩が囮になるから、モンスターボールで捕まる前に逃げろ!」

「ひぃえええええええ! ゲットされたら他の人のスマートフォンで飼われちゃうんですかね!」

「可愛げがなかったら、飴玉に変換されておしまいかもしれん」

「ひどい!」

「とにかく逃げるのだ!」


 園市を逃がすために飛行タイプのポケモンっぽく振舞った。翼をはためかせて、ひゅんひゅんと空を飛ぶ。我輩の機動性ならモンスターボールを避けて避けて避けまくれた。


 だがポケモンマスターたちも熱気がこもってきた。狩りの本能だろうか。元気に逃げるやつほど追いかけたくなるという。


 しかし我輩には、帰りを待つ妻が二人もいるのだ。


「捕まってたまるか! というかおばばめ、せっかく我輩が主人公らしい主人公をやるはずだったのに、余計なことを」

「ひょえひょえひょえ、おばばだって参戦するよー、今日はそのために登場したんだよー」


 おばばが箒を振り回して自己アピールした。よくみたらいつもより化粧が濃い。これではピエロだ。


「……まさか自分からゲームのなかに入ってくるとは」

「おばばもねぇ、たまには人気者になりたいんだよ。だったら流行中のゲームに登場すれば、すぐに人気者に!」


 だが外のプレイヤーたちがこんなことをいった。


『このしわくちゃのポケモンはいらない』『っていうかポケモンか?』『バグだな。運営に連絡しよう』


 おばばがキレた。


「こぉらー! おばばをバグ扱いするなぁ! おばばだって一生懸命生きてるんだぞい!」


 おばばはポケモンみたいにぴょんぴょん跳ねながら怒ると、あっさりとイタズラ魔法を解除。我輩とおばばは元の世界に戻った。


 おばばは箒の柄尻をガンガン床に叩きつけた。


「まったく、最近の若いやつは礼儀がなっとらん! もっと老人に優しくせんかい!」

「イタズラばっかりやるお前がいうな。…………ところで園市は?」

「あ、忘れた」

「ダメだろぉおおおおおおおおお!」


 ――ちなみに園市だが、アメリカの美人女子大生にゲットされて、たいそう可愛がられていた。


 なんだか腹が立つから、しばらく救出しないことにした。自業自得みたいなものだな。

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