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俺、異世界に行ったら結婚するんだ。  作者: 雨音緋色
異世界に行っちゃいました‼︎
11/34

初めての感覚は突然に……

 風呂から上がり部屋に戻ると、豪華な食事と浴衣に着替えたノウンが待っていた。


「あれ、ノウンもここに泊まるのか?」


「ん?私と主様は家族なんだろ。共に寝泊まりするのは当たり前じゃないの。それよりどう?浴衣似合うかな?」


 くるくると回るノウンはその裾から見える筋肉さえ無ければ浴衣美人とも言える姿をしており、風呂上がりで少し赤くなった顔が艶やかで何とも言えない色気を醸し出していた。


「あ、あぁ。似合うぞ。素敵な浴衣姿じゃないか」


 若干顔が熱くなった俺はノウンを直視できず、顔を背けたまま返事をする。何これ、凄いエロゲ感するんだけど?!


「そう、ありがとね主様。隣、座ったら?」


「お、おう。お言葉に甘えて」


  少し離れて座った俺は、女の子座りでこちらに体を傾げるノウンにドギマギしながら真正面を見据える。ヤバい。凄く良い匂いがする。あ、俺の体からもする!これだよね、きっとこれだよね?!


「どうしたの主様。そんな顔を赤くして。……かわいい」


「は、はひっ?!な、何を言ってるんだねチミは?!」


 耳元でクスクス笑うノウンに驚き、声が上擦る。な、何なのこれ?!彼女いない歴=年齢の俺には際どすぎるアプローチなんだけど?!

 少しずつ距離を詰めてるのか、ノウンの長い髪が肩にかかる。熱を感じる程近くに寄り添ってきたノウンはそのまま腕を絡めようと手を伸ばしー


「待て待て待てゐ!!!!我のご主人にハニートラップかける輩は御用だ!!」


「ッチ。残念っ」


 恐らく魔法で作り出したのか、御用と書かれた提灯をぶら下げたまおの介入によってその距離感は失われた。当然俺は、大人の階段に一歩足を運びかけたその状態が非常にもどかしくなり、その悶々とした気持ちをまおに当てることで発散する事にした。


 数分後。


「ごめんなひゃい……」


「絶許」


 10m以上ある天井付近に吊るされたまおは泣きながら豪華な食事を楽しむ俺らを眺めていた。

 その後机をずらしたノウンはそれぞれの布団を取り出し横に並べる。が、どちらが俺の隣に来るかの言い争いを始めた。ちなみにコバルトは布団ではなく草を集めて鳥の巣の様な形にした寝床な為、その話し合いには不参加だった。


「だいたい今日参入したばかりのノウンさんが主様の隣なんて変ですよ!」


「いやいや、それを言ったら契約すらしてない落魄れ閣下の方が隣は似合わないよ。私は主様と家族なんだよ?」


「わ、我は心ではいち早く契約してますし?!それに我は家族を越えて最早祖先ですし?!」


「うわー。こんな祖先要らねぇ……」


 的確に言葉を返すノウンに対し涙目で抗議するまお。何というかうん。大人と子供の差を感じる位には態度が違う。まぁ歳的にはまおの方が断然大人なはずなんだが。


「はぁ……そんなに言い争うなら俺の左右で寝れば良いじゃないか」


「確かに。けどそれだと閣下に何されるかわからないよ?」


「うん、こいつは外で寝かそう」


「おかしい!三日三晩共にしてる我より今日参入したノウンさんの方が信頼が厚いですよ?!」


「何を分かりきったことを。ちなみに俺の中で現在このメンツを家族に例えると、父コバルト姉ノウン、隣の家によく忍び入る野良犬まおだ」


「我がペットですらないですよそれ!」


 俺の例えに苦笑するノウンは、俺が敷いた布団にぴったりとくっつけて大きめな布団を敷く。そして家族認定を受けれなかったまおは泣きながらコバルトの横に布団を敷く。あ、コバルト一瞬嫌な顔したぞ。見てしまったぞ、あの愛嬌豊かな顔が一瞬だけしけた顔に変わったのが。


 その後、部屋の明かりを消した俺らは修学旅行の様な雰囲気で中々寝付けないのか、潜ませた声で話し始める。


「そう言えば。ねぇ主様。何で私が姉だと思ったの?」


「ん、さっきの話か?そうだなぁ……」


 咄嗟にでたのが姉だった。とは言えず暗い中で緑に輝く瞳で見つめるノウンを見る。その少し不安げな表情は何とも言えない可愛さを出しており、再び俺の心臓は高鳴りを始める。


「……一つは頭の良さかな。身長も俺よりは大きいけどそれは種族の問題だからどうでも良いとして、誰よりも冷静に言葉を選べる姿が姉みたいに感じた。あとは何だろ。ノウンみたいな姉が欲しかったからかな?」


「へぇ……ありがと。主様は兄弟いないの?」


「いや、下に双子の妹と弟が。と言っても殆ど話さないからな。ほぼ居ないと同然だよ」


「そうなんだ……ねぇ主様?」


 ノウンはそこで言葉を切りグッと近づいてくる。指が触れ合い顔にノウンの息がかかる程近づく。おかしい。さっき握手した手と同じはずなのに今凄く女の子の手だよ?!


「私ね、主様と色んな旅をして色々経験したいからついて行く事にしたの。さっきはあんな感じの事言ったけどもし主様が危険な状態がだったら私も主様を守るからね?」


「お、おう……ありがとな」


 出会ってその日に愛の告白かと思ったけどそんな簡単にいきませんでした。人生の馬鹿野郎。

 と言うか色々な経験であんな事やこんな事を考えてしまった俺は主に下半身が危険な状態になっており、その荒ぶる魂をチン……もとい鎮魂する為に必死に先程のまおの姿を思い出す。あれ、何故だろうすぐに治まってきた。


 結局、そのまま寝息を立て始めたノウンは美人な顔立ちに相応しい程安らかな寝息を立てており、思わずその寝顔に見惚れてしまう。ヤバい、ノウンに優しくされただけで若干好きになりかけてる。俺こんなにチョロいのか……。あれ、けどあっちでイビキかいてるロリフェイスの自称女の子にはどんなに優しくされても苛立ちしか出てこないぞ……これが存在価値の差なのか……。まぁいい。とりあえず寝ようー


ー翌朝。


「おはよ、主様……」


「お、おう……」


 寝れませんでした。

 いやいや、この子ズルいんですけど?!寝ようと思った瞬間寝返りうって腕にひっつくとかズルいんですけど?!必死に羊周回させてたら小さく「ん……」って声漏らすのとか超ズルいんですけど?!こんなのチェリーボーイの俺に耐えれるわけがないだろ!!ちなみにノウンの胸は柔らかいよ!やっぱ女の子だよこの子!!

 ラッキースケベを発動しつつも目と体が冴えてしまった俺はフラフラしながら起き上がり、立ち上がろうとした所で動きを止める。下はこれ以上出せない!正しく見せられないよ状態だよ!!

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