2 火葬場6
「フタビ?お前焼かれるんだな?・・・なんていうか、さ。惨めだよなぁ?人間ってさ。人は人に依存しなきゃ生きていけないんだよ。依存しなきゃ生きていけないクセして、依存したらしたで争いを起こして。争いで粗削りに命の数が減ると余った資源を奪い合ってそれがまた争いを生む。お前は依存される側だったよな?お前がもし、あと1年長く生きたなら、俺はお前みたいな、善良な精神を持ちながら勉強が出来ない。ただそれだけの理由で貶められる奴らが恵まれる社会を創って、お前をリーダーにしてやった。今社会にいる精神の腐り切った奴らを全員一掃排除して、精神で人間を選び、そいつらを優遇して必要性のある
勉強のみを教え教育し、一切の社会が腐敗していく要素を根から断つ。そんな完璧に穢れのない世界を、お前にプレゼントしたかった。
・・・フタビ。もしいつか会うことができたなら、それまでに俺はそんな世界を創って、お前にプレゼントするから。だから、それまで・・・
サヨナラ」
炉の準備はできたらしい。断熱性のある壁の向こうで死屍を灼くべく、炭が緋色の炎で仮装していた。
ゆっくりと柩はその中へと喰われていく。
燃えて、かつて命のあった肉塊は灰燼へ帰す。
灰は散り、そして地へ還り再び命を生む。
繰り返すことが命なのだとすれば、きっと。
フタビは命の一部として在るべき姿に還っただけなのだろう。