始まり。
少し暗い小説でございます。死ネタ注意。
「…へへっ。」
嫌に赤過ぎる液があふれ出す傷口を手で押さえ、赤とは対照的に真っ青な彼は笑った。
最後まで、私のために笑った。
やけに赤い空だった。
「…。私、私…」
どうする事もできず、彼の頬を触った。
冷たい。
少しでも、私の体温を感じ取って。
きつく、きつく抱きしめる。
それに答えようとびくつく彼に答えなくていいのだと頷いた。
どんどん硬くなっていく。
ああ、死んだのだ。
彼は私のために死んだのだ。
…でも、私は。
私は、彼の気持ちに答えられなかった。
自分のハチマキをはずし、彼の傷に巻いた。
代わりに、彼のハチマキを私の額に強く、強く締めた。
彼はずっと私の事を好きでいてくれたのに。
私はずっと見て見ぬフリをして。
彼はずっと私を守ったのに。
私はずっと、ずっと自分で自分を守ってると勘違いして。
こんな最悪な私なのに、彼はずっと私を追いかけてくれた。
「…。」
まだ平気だ。
まだいけるかもしれない。
立ち上がり、彼の持っていた冷たい銃の銃口を私の額に押し当てる。
なぜかは分からないけど、こうしたらやり直せるような気がした。
引き金を引き、彼の硬直してしまった手を硬く握り締めた。
私の打った銃声は、誰の耳にも届かず、安らかに消えていった。
どうだったでしょうか?
暗いデスヨネ…。




