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エピローグ②

そして次の日。

 私はグラス・ベル・キャブズのエリコ様と知念さんとヒメゾノさんとアキヒトと千場君と徳富さんと七人で新宿に向かった。

『素晴らしいことを思いついた、新宿で待っている、約束のチケットだ』

 ロカさんはそんな書置きと演劇のチケットを知念さんのジャケットのポケットに入れて、いつの間にかホテルから姿を消していたのだった。新田に新宿に行って楽しんでくるようにショウコは言った。「ニシキのシエルミラがあるから大丈夫」

「うん、ありがとう、明日には必ず帰ってくるから」口に出して約束したのは、ニシキちゃんのシエルミラに甘えて、大坂へ続くレールの上の列車に乗らないようにするためだ。

 私はエリコ様の箒の後ろに乗って新宿へ飛んだ。他の人たちは列車でゆっくりと新宿へ向かう。そして新宿駅で合流して、ロカ劇場へ。

 そして私は一生で三度目の演劇を見た。『ノベルズ』を見て私は泣いた。徳富さんは隣で号泣していた。千場君は静かに寝ていて、アキヒトは終始ぼんやりとステージを眺めていた。前の列にグラス・ベル・キャブズの三人が座っていて、エリコ様は面倒くさそうにヒメゾノさんにポップコーンを食べさせてあげたりしていた。知念さんは途中で加わったウェイトレスのリホさんの手をずっと握って離さないでいた。

 閉幕。カーテンコール。スタンディングオベーション。劇が終わる。

 ああ、終わってしまったんだ。

 エリコ様と知念さんの計らいで、私は劇団の女優さんたちと記念写真を撮ることが出来た。ポスタにサインもしてもらった。エリコ様と知念さんにもサインをしてもらう。徳富さんもサインをもらうために楽屋の中を歩き回っていた。徳富さんとは凄く仲良くなった。徳富さんと別れてしまうのも寂しい。

 そういえば楽屋でロカさんには会えなかった。なんでも帝国ホテルの一室に籠っているらしい。素晴らしいことを思いついて、また煮詰まったのだろうか。面白いと思う。それで凄く楽しい物語が出来上がるんだ。とても面白いと思う。さて。

 楽屋を出て、新宿ロカ劇場を出て、本当にお別れだ。

「またな」アキヒトは私を犬のように撫でる。

「うん、またね、アキヒト」私は笑えていたかな。

エリコ様は徳富さんに抱き付いてキスしていた。

「スナオ、私たちはずっと」

「うん、ずっと友達だよ、エリコ」

「……ん?」エリコ様は首を傾げた。

「あ、もうこんな時間、」徳富さんは腕時計を見て慌てた。アキヒトと千場君の背中を押しながら言う。「二人とも早くいかなきゃ、列車に乗り遅れちゃう、じゃあね、みんな、楽しかったよ!」

なぜか放心状態のエリコ様は小さく手を振って、そして三人の姿が消えたところで三歩進み出て叫んだ。「と、友達ってどういうことよぉ!?」

 それから私たちはホテルに向かった。名前は朱羽ホテル。新田ホテルの系列で、小さいが真空管シャンデリアもロビィに設置されている。メイド服はこっちの方がずっと派手だ。部屋はすでに予約済みだ。ウェイトレスのリホさんはホテルに泊まれると聞いて喜んでいる。ロビィのソファに四人を待たせ、私はフロントのカウンタまで歩いた。列が出来ていたのでその後ろへ並ぶ。すぐに従業員の一人が駆け寄ってきた。私の顔を知っていたのだろう。

「フエコお嬢様、」名札を見ると彼女が支配人のようだ。名前は牧野。同じ支配人にしても美作とまるで違う。とてもおっとりとした二十代前半の淑女だ。「ああ、やっぱり、お嬢様でしたか、美作から連絡をもらった時は驚きましたよ」

「仕事を増やしてごめんなさい、」私は微笑んだ。「あ、余計なサービスとか、そういうのはいらないからね、すぐに戻る予定だから」

「いえ、そんなわけには、ああ、それより、お部屋のご予約と別に、先ほど美作から連絡がありまして」

「なに?」

「あの、私、文系なので、いまいち美作が言っている意味がよく分からなくて、一応メモは取っておいたのですが、分かりますか?」牧野はメモをスーツの内ポケットから取り出し、私に渡した。

「なんだろう?」私はメモの綺麗な字を読む。量は多くない。一瞬で意味が分かる文字の量。私は読んでしばらく頭の中が真っ白になって、牧野に「お嬢様?」と声を掛けられて、それで正常に戻ることが出来た。「牧野、電話を貸してっ」

 私はフロントのカウンタから新田ホテルに電話を掛ける。

『はい、こちら、』

「嘉平?」

『あ、お嬢様ですか?』

「うん、ショウコに変わって」

『はい、すぐに』

『フエちゃん?』ショウコはすぐに出た。

「ショウコ、本当なの?」

『ええ、私は目が見えないけれど、ニシキが見てくれたわ、工場の様子を見るためにカスミに深く潜ってもらって、それでカスミがトライオードを拾って来て、それは触っても反応しなくて』

「全部?」

『きっと全部だってカスミは言ってる、カスミのパープゥっていう魔法は密閉された空間を全て水で満たす、そういう魔法らしいの、だからきっと、』

「……ショウコ、私、」私の中のクラクションが鳴る。「大坂に行く!」



……。


……。


……。


ああ、終わってしまった。ついに完結していましたした。


新田クラクション、真倥管レクティファイア。


いかがでしたでしょうか? 感想お待ちしています。


あまり読んでくれている人、いないみたいだけど。最後まで読んでくれた人、愛しています。愛のテーマを捧げます。


皆、これを読んでどんな気持ちになるんだろう。全く想像ができません。


皆さんの好きなキャラは誰ですか? いろいろ、感想くれると嬉しいです。


私の一押しは知念ちゃん。現実で一番好きなタイプかな。まだキスしたことないタイプです。ガードが鉄壁なんだよね。悩むなぁ。


とにかく、完結です。ニシキの黄金色があなたにも見えますように。

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