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sin僟・ザイガ  作者: HEiTO
第三章 地天激動大戰篇
29/33

二十九ノ罪 地天激動大戰⑩ 強欲VS炎の熾天使

 夢魔&橋姫VSサキエルの戦闘開始から2分後―――。

 白狐とウリエルによる因縁の対決の幕が切って落とされようとしていた。

 先の戦闘で白狐の突然の覚醒により、敗れたウリエル。

 彼は自身の自尊心を大きく傷つけられたと感じ、再度、白狐に勝負を挑む。


 しかし、白狐の機体であるグリモンは傑が夢魔、橋姫を救いに行くためにサキエル、ミカエルの追撃防ぎ、更にはウリエル含む三体と戦闘を行ない、既に満身創痍の状態であった。

 右腕、左脚部は破壊され、到底今から天獸はおろか、天使であるウリエルとまともに戦える状態ではないことは火を見るよりも明らかであった。


『そんな状態の機械に乗ったままで、お前は俺に勝てる気でいるのか?』


「あぁ?勝てるね……」


 その言葉が、ウリエルの逆鱗に触れ今、白狐VSウリエルの戦いの幕が切って落とされた。


「なんだと……?ふざけんなよ!!この下等な獣以下の存在がぁぁぁ!!」


 ウリエルは右手に持つ神槍をグリモンへと振り下ろす。

 だが、その片腕片足となった姿でもしなやかな身のこなしで強欲のsin僟は避け、次の攻撃を受けないように距離をとる。

 破損個所からは火花が散り、頭部のデュアルアイも光源がチカチカと切れかかっている様子を見せる。

 しかし、操縦桿を握る白狐は思いのほか冷静に、呼吸を整え眼前の敵に手中していた。


『一撃避けたからって、調子に乗るなよ!!』


 ウリエルが地面に神槍を突き刺すと、コンクリートは溶け、土がマグマのようにボコボコと音を上げる。

 土はやがてマグマと化し、マグマはやがて花火のように噴き上げ、グリモンまでの道筋に断続的に向かって行く。

 グリモンはその攻撃すらも、後方に下がることで回避するが息つく暇もなく第二、第三のマグマが襲い来る。


『どうしたどうした!?ずっと逃げてばっかじゃ俺は倒せねーぞ!さっきまでの生意気な台詞はどこいったんだよ!「勝てる」だぁ?お前は俺には絶対に勝てねーんだよ!』


「俺は、お前には勝つ。勝って、神嶌傑という男を俺は超える!」


『俺が、あの人間より、劣っているって言いたいのか?』


「……」


『ふざけるんじゃねぇぞ!!人間風情が!!』


 ウリエルの《《感情》》は喜怒哀楽の喜と怒を行き来し、白狐へ一方的な攻撃を加える。

 

『ずっと逃げてばっかでつまんねーぞ!!正々堂々戦えよ!口だけか!』


 止まることを知らないウリエルの猛攻。

 地面から噴き上がる断続的なマグマに紛れ、ウリエルの神槍が一撃一撃、鋭く突き刺そうとする。

 虚を突くその戦法に、白狐はコンマ一秒反応が遅れ、グリモンの左肩に神槍がかすめた。

 だが、白狐も負けじとその一瞬の隙を見つけ残っている右脚でウリエルの腹部へ強烈な前蹴りを決め、ウリエルは下がり、グリモンもその反動を使い後方へと距離をとることに成功した。


 だが、所詮は片足での攻撃。

 身体を支える下半身に力が入っていないと、打撃技というのは余程、力の差がある相手ではない限り、効くことはない。

 今回のグリモンの蹴りも軸足となる片足が破壊されているため、結局はsin僟そのものの重さで押し蹴った‘‘力のない蹴り’’と言っても過言ではなかった。

 当然、そんな攻撃はウリエルには毛頭効く筈もない。


『そんなに距離ばっかとって、俺と戦うのがそんなに恐ろしいか?そんなに死にたくないか?安心しろ。俺は天使だ。生物を殺すのには慣れている。お前が苦しまないように一瞬で楽にしてやる』


 ウリエルはその華奢な腕で自身の身体の倍以上ある神槍を軽々と左手で持ち上げ先端をグリモンへと向ける。

 腰は深く、どっしりと落とし、右脚は前方へ、左脚は後方へと位置を変える。

 空いた右手は目先の敵に照準を合わせる為、指先を神槍の先端へと添えた。


 中心から左手、左脚、右手、右脚に力を分散させる。

 しかし、その分散はこれから行なうウリエルの行動においては必要不可欠で、分散させることで本来の力が弱まるどころか強力な一撃になるとても重要な行動であった。

 

 言わば、これがウリエルにとっての全身全霊の渾身の一撃であった。


『良かったよ。‘‘禁断の果実(コイツ)’’を使う羽目にならなくて。帰ったらゼウス様に怒鳴られるどころの騒ぎじゃなくなるだろうけどな……』


『あぁ、それと……。お前はずっと逃げてばっかだったからもう逃げられないようにさせてもらおうか』


 ウリエルは照準を定めていた右手を裏返し、人差し指だけを伸ばす。

 その人差し指をクイッと上にあげると、グリモンの周りを囲むように炎の柱が地面から姿を現した。


『さぁ、これで逃げ場は封じられた。お前がもう助かるすべはない。この俺が直々に俺の手で殺してやるからな……』


 再度、構えを直し右手で正面のグリモンに照準を合わせる。

 逃げ場は無く、絶体絶命のピンチを迎えていた。

 しかし、我喜屋 白狐の目には諦めない闘志の炎が燃え、彼自身。どこか勝機を感じ取っている様でもあった。

 

(俺は絶対に勝つ……!)


 白狐の気持ちにグリモンは静かに呼応する。


 ———勝ちたい。


 その言葉は、グリモンに宿った‘‘強欲グリード’’を刺激していた。

29話読了ありがとうございます!

今回から、白狐VSウリエルの再戦が始まります!

前回の戦闘で、白狐の強欲の強さで負けてしまったウリエル。

今回は全力を持って、白狐を倒しに来たが、果たして白狐は立ち向かうことは出来るのか

次回30話どうぞご期待ください!

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