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sin僟・ザイガ  作者: HEiTO
25/26

二十五ノ罪 地天激動大戰⑥ 囚われた夢

 ―――同日 同時刻。


(あれ、私今まで何してたんだっけ?)


(ここは……、学校……?)


それは、今から約4年前の、夢魔が中学2年生だった頃の記憶であった。


「なぁ、天宇 夢魔、可愛くね!?」


「わかる!!マジ可愛いよな!!」


それは放課後の教室で、自分の話をしている同級生の男子たちの会話だった。

他愛もないと思っていたその会話に聞き耳を立てると、恐ろしいほどに吐き気を催す不快極まりない会話が聞こえてきた。


「まじで一回()らせてくれねぇかなぁ!!」


「わかる!!俺も一回ヤらせてほしい!!ケツでもいいからさぁ!」


夢魔は腹から何かが込み上げてくる感覚に囚われ、思わず地べたにへ垂れ込んでしまう。

その音に気付いた男たちは急いで外に出ると床で動けなくなっていた夢魔と視線が合った。


「もしかして……聞いてた……?」


—————————————————————————————————————


「も、もうゆる……し……て……」


「まだまだ、ちゃんと俺達が満足しないと終わらないよ?」


「ほらこっち、手が止まってる。ちゃんと握ってよ」


「ここ、擦るの気持ちい~」


「ほんと、夢魔ちゃんって顔もいいし、体もいい身体してるよね~」


「やめて……ください……」


「なんで?こんなに濡らしちゃってるのに……?ほんとにやめていいの?」


「はい……お願いします……」


「お願いしますってことはもっとやっていいってことだよね!」


「ち、ちが……ぐぉぷぁ!」


「夢魔ちゃんがいけないんだよ?思春期の男子たちの会話を盗み聞きしちゃう夢魔ちゃんが」


「そうだよ。あんなところにいるのがいけないんだ。夢魔ちゃんがいなかったらこんなことにはならなかったんだよ?」


(そうだ……私が、いけないんだ……。私が早く家に帰らなかったから……。私が忘れ物を取りに行かなかったら……)


夢魔は性に溺れたケダモノに身体を好きにされる中で自身の行いを悔いた。

自分が今この状況になったのは自分のせいなんだと。

自分に言い聞かせるように。


「もし誰かにバラしたらどうなるかわかってるよな?」


「一生お前は俺達から逃げられなくしてやるからな」


次第にケダモノたちはいつもの無邪気な少年のような口調ではなくなり悪魔に取りつかれたかのように変貌していた。

—————————――――――――――――――――――――――――――――

それからどのくらいの時間が経ったのか、気づけば周りには誰もおらず夢魔だけがただ一人トイレの床で寝そべっていた。

辺りは暗く、人の気配がない校舎を一人ゆっくりと歩く。

道中、頭の中に浮かぶのは先程の地獄のような景色。


苦く、痛く、不味く、吐き気がするような記憶が渦の様に廻る。

身体の節々は筋肉痛とは程遠い感じたことのない痛みが走り、その痛みは心の奥まで響く。


(誰か助けて……)


帰れば誰か助けてくれるのか。

帰宅したとき、両親は自分の事を心配してくれるのだろうか。

暗闇の中一人で帰路についた娘に両親は何を思うか。


夢魔は考える。


そんな事を考えているうちに彼女の前には実家の玄関が現れていた。

彼女は意を決してそのドアノブに手を掛ける。

ゆっくりとドアノブを捻ると明るい食卓が彼女を待っていた。


「おかえり、夢魔」


「おかえりなさい、今日遅かったわね。なにかあったの?」


その家庭の眩しさに夢魔は思わず涙した。


しかし、その眩しさは単なる幻でしかなかった。


「ネェ、男トッタノ?」


「!!」


夢魔が目を開けるとそこには今までと違う異様な目をした父親が自身の上に覆いかぶさっていた。


「ネェ、男ト犯ッタノ?」


その異様な目をした父親は何度も同じ質問をしてくる。

あまりの恐怖に返答することができない夢魔は思わずその恐怖に負け顔を横に何度も振った。


「ウソ。ダッテ、夢魔ノ身体カラ男ノ匂イガスルモン」


「誰?誰?ダレダレダレだれだれダレダレ?」


「ダレ!?」


「夢魔の身体は俺のモノなのに。夢魔を好きにできるのは俺だけなのに。夢魔をこんなに好きでいるのは俺なのに。夢魔の事愛しているのは俺だけなのに。夢魔は俺のモノなのに」


「夢魔の《《初めて》》は俺が貰おうとしたのに!!!!!」


「同級生か……?先生か……?もうこれからは外に出ちゃだめだよ?夢魔はパパのモノなんだから。パパの目から離れたところに行っちゃいけないよ?夢魔はこれからパパと一生一緒に居るんだからね」


そして、夢魔は次の日から学校に通うことはなくなり、自身の事を寵愛とは呼べぬ狂った愛情を注ぐ父親と過ごすこととなった。

毎夜毎夜、妻が寝静まると部屋に父親がやってきては夢魔を犯す毎日。

次第に感覚も、抵抗も無くなっていき、実の父親にされるがままの夜を過ごす。


やがて、父親と母親の関係は崩れ、母親も夢魔の事を娘とは思わず一人の泥棒猫として扱い始めた。


「この阿婆擦れが!アンタ自分の父親に何手を出してんの!?あんたを育ててきたのはどこの誰なのよ!恩を仇で返す気なの!?」


「ヤメロ!俺の夢魔に何をするんだ!」


「返して!私の旦那を返してよ!!アンタなんか生むんじゃなかった!」


「お前!何を言うんだ!夢魔は生まれてきてよかったんだ!私の可愛い可愛い夢魔を産むんじゃなかったなんて言うな!」


「殺してやる……お前を殺してやる……」


包丁を持った母親はその鋭い先端を夢魔へと突きつける。


「や、やめろ!やめてくれ!」


その刃は、夢魔の代わりに身を挺して守った父親の胸を突き刺していた。

床にはゆっくりとどす黒い血液が滴り落ち、辺り一面に錆びた鉄の匂いが広がる。

父親はゆっくりと膝を突き夢魔に一瞥をするでもなく電源が切れた機械人形の様に動かなくなった。

パニックになった母親は状況を把握したのか急いでその包丁を引き抜き、自身の首へと突き立てた。


夢魔の周りには正に地獄のような光景が広がっていた。

25話、読了ありがとうございます!

今回は夢魔メインの話となります!

結構ハードな内容だと思いますが、夢魔がどのような人生を歩んできたのか、最後まで見届けてくれたら幸いです!

次回、26話どうぞご期待ください!

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