二十一ノ罪 地天激動大戰② インフェルノ
ウリエルの力によって人々は姿をどんどんと変えていく。
「こ、これで俺達は悪魔達を殺せばいいんですねぁぁあああアアア……ギャァァァアアア!!!」
やがて人々は己の事を優秀だと謳っていた者達とは思えない程に醜い化け物へと姿を変貌した。
『フハハハハハ……!!愚かな人間どもよ!お前たちのその醜い姿、実によく似合っているぞ!醜い者には醜い姿。実に滑稽だ』
ウリエルの言葉には耳を貸さず人外の化け物となった者達は一斉に傑達、sin僟隊の元へと向かった。
人間の意志があるのかないのか、元人間の化け物共は我先にとsin僟の元へ向かう。
何体もの地鳴りに周りの建物を崩れ、地面にもひびが入り、ものの数分で街の地形は跡形もなく変化した。
sin僟隊は臨戦態勢に入り、襲ってくる天獸を迎え撃つ。
天獸共は身体を引き裂かれ、見るも無残な姿になっていった。
だが、傑のサタスが天獸を裂いても裂いても、天獸は向かってくる。
「夢魔!頼む!」
「は、はい!」
天宇 夢魔のsin僟・アストは今様色の粒子をばら撒いた。
春の散り際の桜のような儚く綺麗なその粉は、興奮している獣二体を魅了する。
やがて、その二体は同じ仲間であるはずの天獸へと攻撃を始め、終わりの見えない攻撃の中に少しの隙が生まれた。
「喰らえ!!」
サタスの胸からは赤黒い光線が発射され一筋の道が創り出される。
道の先には天使・ウリエルが待ち構えており、傑はサタスを走らせた。
———が。
あと少しの所で目の前から天獸の波が濁流の様に押し寄せてくる。
理性の無い獣にされるがままの傑を助けようと他のメンバーは天獸を退けようとするが、圧倒的な天獸の数になすすべもなかった。
そこで、橋姫は亜久良にとある提案をする。
上空を飛ぶルシイドがぶら下げているのは橋姫のsin僟・レヴィーであった。
「亜久良!ここ!ここでゆっくり降ろして!」
「なぜ私がこのような役目を……」
レヴィーは蛇の鞭をサタスの頭上へと垂らす。
「傑!これに捕まって!!」
天獸の波に押されながらもサタスは地面に流されまいと脚を埋め込み抗う。
揺れる蛇の鞭をしっかりと捉え、なんとか天獸の群れから脱することに成功した。
救出に成功したレヴィーとルシイドはサタスを安全な位置に降ろすとそれぞれの持ち場に着く。
レヴィーは蛇の鞭を掴んだサタスの情報を解析し、鬼狼ノ鉤爪を模倣。
そのまま、周辺の天獸の討伐を開始し、ルシイドは他メンバーを援護するため後方に下がり能力上昇を掛ける準備をする。
『さぁ、もっと楽しもうよ!!ニンゲン!!俺と最高の戦いをしよう!全てを終わらす気でさぁ!!!』
ウリエルはさらに空高く舞うと自身が所持している槍を天高く掲げる。
『今からこの地は、業火となる』
槍の先には深紅の熱球がサタスの五倍はあろう大きさへと変わった。
ウリエルの直下にあるビルは溶け、アスファルトの道は土砂の様に崩れ、正に天災と呼ぶにふさわしかった。
「何かヤバそうな雰囲気!!うちのベルグラであの炎吸い取る!」
ベルグラの腹部が大きく開き、深紅に染まった炎を深い闇へと誘おうとする。
しかし、幾層にも重なった炎の層は厚く火球が縮小される様子は微塵もない。
それでも諦めずに己の今できる最大限の力を使って抑え込もうとする童子に白狐が声をかける。
「童子!!お前はそのまま炎を吸い取り続けろ!!亜久良!俺を奴の方へ飛ばしてくれ!!」
白狐のsin僟、グリモンは右手をかざすとそのままグリモンの背中へと向かって行く。
その様子に驚いたDr.アンフェールは思わず白狐に問いかけた。
「白狐!貴様、どうするつもりだ!グリモンの能力は‘‘奪取‘‘!奪われた者の能力は使えなくなるんだぞ!」
「黙ってみてろって……」
グリモンは視線の先にいるベルグラへと向かって行く。
グリモンの能力は相手の能力を模倣するのではなく奪取。
もし、ベルグラにその能力を使った場合、ベルグラは力を無くし只の空を飛ぶデカい的にしかなりえない。
グリモンも最大限に暴食の能力を最大限に使えるようになるわけではない。
そんなアンフェールの不安を他所に白狐はとうとう能力を発動した。
「小鬼乃強奪!!」
‘‘もう駄目だ‘‘と思ったアンフェールだったが、白狐の真の狙いはその先であった。
ベルグラのその先……。
そこにはウリエルが放とうとする深紅の火球があった。
「俺のこの力でお前のその偽太陽を奪ってやるぜ……!」
『やれるものならやってみろよ!!』
白狐の機体は業火によって表面が焼けただれていく。
それは正にこの世の理では説明できない程の熱さであることを表していた。
やがて、膨大なエネルギーを有する火球はグリモンとベルグラを弾き、さらに膨張を続けた。
そんな様子を見てウリエルは因縁のある白狐をニヤリと嘲笑いニヤついた。
そして、淡々とした声で発す。
『天空ノ業火』
槍を上空へ突き上げるとその勢いで深紅の熱球は空中へと飛び分裂を始める。
そして、分裂した熱球は地面へと落下をし、その光景はまるで真っ赤に輝く流星群の様だった。
範囲は東京全域へと広がり、辺り一面燃え盛る火の海へと変えた。
大地は割れ、隙間からは溶岩が溢れだし天変地異とでも呼ぶべき光景となった。
「ごめん!うちのsin僟じゃ火の玉を吸い込むのに限界があった!」
「チクショウ!俺のsin僟でも歯が立たないのかよ!」
「あの量はどうしようもない!!クッソ!アイツ、とんでもないモノを隠してやがったな……!」
深紅の火球の群れは泥のようにビルを溶かし、天獸の群れにも躊躇なく向かう。
当然sin僟隊の面々にも容赦なく襲いかかる。
それは正に世界の終末を象徴するかのような光景であった。
『アハハハハハ!!さぁ!燃えろ!燃えろ!燃えて無くなってしまえ!今日までお前たちが生きてきたこの歴史は、俺の前では一瞬の出来事でしかない!』
第21話読了ありがとうございます!
今回で今年の更新は終わり、次回2026年1月5日に第22話を更新予定にしております!
先週から始まった新章「地天激動大戰篇」はいかがでしょうか?
東京の地が地獄と化してしまいました。
果たして、sin僟隊の面々はどう乗り越えるのか?
皆様次回第22話ご期待ください!




