二十ノ罪 地天激動大戰① 選別
地上と地獄、両方の人類から忌み嫌われ存在となったsin僟隊の面々は変わらずにいつも通り人類の為に動いていた。
その中には、天使との戦闘で受けた傷が完治した白狐の姿もあった。
「俺達相当恨みを買っているらしいな」
「それにしても、白狐が何とか無事に帰ってきてくれてあたしたちは嬉しいよ!!なっ!傑!」
「あ?あぁ……」
橋姫のおおらかな笑顔とは反対に傑は何か曇った表情を見せていた。
「神嶌……。いや、傑。俺はまだお前を越したとは思っていない。だから、これからの天使達との戦いで必ずお前を追い越してやる。そんで、お前が持っているモノ(俺が持っていないモノ)を俺が全部手に入れてやる。だから変なとこでくたばんじゃねぇぞ」
改めて白狐は決意を傑に表明する。
見返りを求めない友人・強い精神性・驚異の戦闘スキル(自分が持っていないもの)を持っている彼を越えるために。
その言葉に傑は嬉しそうに口角を少し上げ、白狐の前に拳を突き出す。
それに応えるように白狐も拳を突き出した。
そこに、げっそりとやせ細った童子が3人の前に現れた。
「おい!童子!どうしたその姿!いつものあの美しいフォルムはどこいった!?」
「皆、ごめんね……。うちのせいで、こんなことになってしまって」
sin僟隊が人類の敵と勘違いされたあの戦いの事を思い詰めていると察した面々は童子に優しい言葉をかける。
「気にするな。童子。お前は何も悪くない。それに俺達は悪魔の機械に乗って戦ってるんだ。人類の敵って思われても仕方ない」
「そうだよ。それにあたしたちはアンタのおかげでこうして生きている(?)無事にこうしてまた戦うことができてるんだし。何よりアンタの地元を守ることができたんだから!」
傑や橋姫の言葉に童子は涙を流す。
「あ、ありがとうぅぅ~……!うちもみんなに感謝してるぅぅぅ……。うちがあのまま暴走してたらあの町も、うちも、皆もどうなってたかわからなかったからぁぁぁ~!!と、止めてぐれで、ありがどおおおおお!!!」
ダムが決壊したかのように、童子の目、鼻、口から涙や鼻水、涎が垂れ流れる。
その様子を見た傑は「おいおい……」と苦笑し、童子の頭を撫で慰めた。
そんなやり取りも束の間、突如として基地内にサイレンが響き始める。
モニターには地上の映像が映し出され、そこには白く赤いラインが入った人型の姿が映っていた。
「あれは……天使!?」
—————地上
『人々よ。俺の名前はウリエル。神 ゼウスの申し子の一人で神界軍 第五席の天使である。これからお前達にはこの世界で生きる価値があるかどうかを問う。自身で生きる価値があると思う者たちは名乗りを上げろ。この俺がお前たちを救ってあげよう』
その言葉に周囲の人間は一斉に声を上げた。
自分は助かりたいの一心で他者の言葉に耳を貸さず、我先にと。
「天使様!!俺を救ってくれ!俺は会社で物凄い営業成績を残している!!そんな俺が死んでしまって使えないゴミみたいな部下が生き残ったら、会社はおろかこの国の経済まで終わってしまう!」
「いいえ!!生きるのはこの私よ!!男なんて仕事をするだけで何の苦労もせずダラダラと生きている!!それに比べて、女は痛い思いをして子供を産んでそして仕事もして国の経済を支えている!それなら女である私の方が優秀で世界の為になっているじゃない!生き残るべきはこの私よ!!」
「何を勝手なこと言うな!男より力が弱くて組織の幹部にもまともになれない女が好きかって言ってんじゃねぇよ!生きるべきは、社会のために役立つ力を持った男が生きるべきなんだよ!!」
急いで地上に現れたsin僟隊だったが、天使の周りには既に大量の人で溢れかえっており、手を出せない状況であった。
「俺はこの腐った世界を直してやっているんだぜ!ヒヒ……。芸能人や政治家の不祥事を俺は叩いて罰してやっているんだ!俺がしないと、他の奴にはできないことを俺がやっているんだ!天使様ならわかるだろ?今この世界の人間は腐ってるって……!世直ししなきゃならないって!だったらこの俺を生かすべきだよなぁ!!」
「家の中で有意義な時間を他人を叩くことに使っているクソみたいな人間には生きる価値なんてねぇだろ!!そこにしか存在価値を見出せていないならそれは死んだも当然だろうが!!俺達はな、死ぬほど働いて、死ぬほど稼いでんだ!お前達とは価値が違うんだよ!」
「私はこの国の為に働いているのだ!私がいなくなればこの国はどうなる!?破滅の一途を辿ることになるぞ!だから私は生きる必要がある!生きてこの国を誰にも負けない強国にする必要があるのだ!」
「これが天使。やはり私の予想通り、あの巨大なロボットは悪魔の兵器だったのですね……!これで証明されたでしょう!私の考えが正しかったのだと!やはり私は間違ってなどいなかった!私は、貴方達のことを理解しています!私は最後までかのノストラダムスの予言を信じ続けていました!やはりこの世界は粛清されるべきだと!!」
「醜くっ……!どいつもこいつも……。自分が生き延びると言わんばかりにわらわらと集まって自分達のエゴ論争……。ほんと滑稽だよな~。人はいつかは死ぬ。それが今か未来かって話なのにさ。」
「ぼ、僕はこれまで誰にも迷惑をかけることなく生きてきました。社会の為に何を言われても真っ当に働いてきました!だから僕は、僕だけはどうか救ったすけてください!」
好き勝手に自身の存在をどれだけ優秀かを他者と比べ語る。
そんな光景に傑達は唖然としていた。
『は~い、皆さんの思い、ちゃんとわかりましたよ。しかし、お前たちを救うには一つ条件がある。それは、あそこの悪魔を俺が今からオマエ達に渡す力で葬り去ってくれること。それができる人間でないと救うことはできない』
ウリエルの言葉にその場にいる人間は全員返事をする。
『よし、じゃあ、力を授けよう』
ウリエルは人々に手をかざすと、そこにいる人たちは段々と様子が変わり白く大きくボコボコと音が鳴り姿を変えていく。
皆様お久しぶりでございます!これからは毎週月曜更新にしていこうと思っています!
ところで、第20話読んでいただけましたでしょうか?
今回から新章「地天激動大戰篇」に突入します!
以前の戦闘から人類の敵となってしまったsin僟隊、これから彼等はどうこの状況を打開していくのか!
次回第21話是非ご期待ください!




