7 社会民主党
◇党の概略
かつて「55年体制」と言われた下で野党第一党であった日本社会党(1945年創設)が1996年1月に社会民主党(以下社民党)に改称(政治団体として社会党を引き継いでいる)した社会民主主義系統の思想を持つ政党です。
改称前の社会党時代末期の村山内閣で日米安全保障条約や原子力発電の肯定、自衛隊の合憲という大方針転換(自民党との妥協)を行ったことが引き金となり、社民党は民主党と新社会党に分裂しました。
現在は衆議院1議席(沖縄選挙区)、参議院2議席(どちらも比例)のみの議席まで党勢は縮小しています。
このためメディアでは選挙のたびに国政政党要件(①国会議員5人以上②直近の衆院選か参院選で2%以上を得票のいずれか)を満たすことかどうかが毎回の選挙の焦点になる政党になってしまったというのが現状です。
※10月9日のNHKの記者会見と党公式ホームページを参考にしています。
が、党公式ホームページが「スカスカ」な状況で頑張って拾い上げても以下のような状況になっているという事です。
◇政治改革
・政治資金パーティーと企業・団体献金の全面禁止
・政策活動費も廃止し「クリーンな収支報告を実現する」
⇒ 50点
政治団体への相続非課税廃止が無いなど立憲民主党の下位互換と言うところでしょうか。
◇経済対策
・家計支援策として、消費税の「3年間ゼロ」
・大企業の内部留保に4%の課税をし、消費税「3年間ゼロ」の財源にあてる
・中小企業、零細業者を応援。インボイス導入は延期して見直しを
⇒ 30点
おおよそ日本共産党と似たような形で「内部留保に課税」と言う到底できもしないことをしかも「財源」として消費減税を行おうとしています。
◇安全保障
・沖縄・南西諸島の軍事化を許さない
・コメの需給安定・消費拡大、種子法の復活と都道府県条例の制定
・軍事同盟依存から多国間の安全保障体制構築へ転換
・平和憲法の理念の実現
・国連中心の外交政策をすすめ、非軍事面の国際協力を推進
・日米地位協定の全面改定
⇒ 10点
軍事については大変熱く語っているような印象を受けますが、
沖縄に部隊を置かずしてどうやって守るのか?
代替えの展望が全く見えず、到底理解しがたい防衛方針と言えます。
「平和憲法」があったから日本が平和だったのではなく、「相対的に世界一」の米軍が駐留しているから平和だったという事を認識するべきです。
そして、米軍が「世界の警察」を辞めつつあるために自主的な防衛力を持たなくてはいけません(なお、しょうもない武器を買う事は反対ですが)。
農業政策だけは賛同できますが左派政党は大体共通している内容と言えます。
◇社会保障
・地域の医療保健体制の強化
・地域の介護を守る
・障がい者(平等、分け隔てのない共生社会を目指す)
・生活保護、生活困窮者支援
⇒ 評価不能(20点ぐらい?)
具体的な内容触れておらず何となく綺麗事を並べている印象を受けました。
◇その他の政策
・選択的夫婦別姓制度や同性婚の法制化
・憲法9条の改正反対、
・定住外国人に地方参政権を!
⇒
詳しいことは以前も似たようなこと書かせていただいたので省略しますが、
社民党全体の印象の雑感ですが、多くのところにおいて共産党と大差が無く(防衛はむしろ劣る)、
それなら現在の政治改革において一定の成果を挙げている共産党の方が存在意義があるのではないか? とすら思えてしまいます。