6 れいわ新選組
◇党の概略
2019年の4月1日に新元号「令和」が決まると同時に俳優の山本太郎氏によって創設された歴史の新しい政党です。
警察白書で「極左暴力集団」に指定されている革命的共産主義者同盟全国委員会(通称:中核派)から支援を受けていると言われ、政治に詳しい層からは警戒されている傾向にあります。
また、「牛歩戦術」などあまり意味が無いながらも目立つパフォーマンスが多い政党です。
2024年4月にFLASH編集部が「次期首相になって欲しくないのは誰?」と言うアンケートで党首の山本太郎氏は2位の小泉進次郎氏に倍以上の差をつけて圧倒的1位に選ばれた経験もあります。
しかし、そのような状況下においても2021年には国政政党の一つの大きな基準とも言える「5議席」をクリアし、現在は衆議院3議席、参議院5議席(どちらも第7党)とコアな支持層を固めていると言えます。
◇政治改革
・政治とカネの問題の関係者を招致して解明を行う「調査特別委員会」を設置する
・企業団体献金の禁止を法制化
・供託金制度を廃止し、誰でも政治にチャレンジできる環境を作る
・小選挙区制ではなく、選挙区内でのより多様な意見が反映される選挙制度を目指し、比例代表制の強化などを含めて検討する
・立候補休暇制度を法制化し、経験豊富な社会人が政治家を目指すことのできる環境を整備する
・公文書管理の在り方を根本的に見直し、恣意的な廃棄や改ざんをなくします。そして徹底的な情報公開で、議会と行政、そして司法を透明化します。
⇒ 20点
ほとんど公約に無かったので、一番上以外は公式ホームぺージから引っ張ってきました。
政治改革と言うより選挙制度改革(ちょっと的外れな)がメインと言う感じですね。
供託金を廃止することは今年7月の東京都知事選挙のポスター騒動を見ると大変危険だと思います。 総得票のうち10%以上の得票をすれば返金されるのでむしろ良い制度です。
供託金無しで“立候補休暇制度”を作ると悪用されて“働かない人”が出るのは間違いなしで「見えていない政策のドッキング」と言えます。
比例代表制度強化よりも衆議院における中選挙区制度復活の方が良いと思います。
また共同代表である大石氏に1500万円の出所不明の寄付金や450万円の不記載などの問題があり、山本氏はそれについて現状言及が少ないです。
もしかすると政治資金に関する改革を積極的にはしたくないのかもしれませんね。
◇経済政策
・消費税の廃止
・季節ごとの10万円の支給
・国民健康保険料や介護保険料などの社会保険料を引き下げる
・高校卒業まで所得制限なしで一律1か月に3万円支給
・保育費や給食費、子どもの医療費などを無償
・財政法4条廃止、PB黒字化目標廃止(選挙公約には無いが党のホームページにはあった)
⇒ 100点
財政法4条廃止の上での積極財政と減税、社会保険料減免の全てを満たしている公約と言う、
経済的政策に関してはほとんど“満点”と言わざるを得ないです。
代表の山本氏と積極財政派の論客とのコラボをしている動画がYOUTUBEで数多くあるために、「正しい貨幣観」があるのかもしれません。
ただし、「責任の無い立場」だから言えているという事もあるとも言えます。
ある程度の力を持った時に「変節」が無いかどうかよく見ていく必要があるように思えます。
◇安全保障
・農産物の価格保障を国が行うことにより、農業従事者の所得の引き上げを目指す
・原子力発電所や関連施設は即時、使用を禁止
・2030年までにエネルギー供給の70%を、再生可能エネルギーでまかなうことを目指す。
そして2050年までのできるだけ早い時期に再生可能エネルギー100%を達成する
・自民党の改憲4項目、「自衛隊の明記」「緊急事態条項」「合区の解消」「教育環境の充実」は、現行法の運用や改正で実施可能であり、改憲は必要ない
・北東アジア非核地帯条約の創設を目指し、地域の安全保障対話を促進する
・日米地位協定の見直し、日米合同委員会の廃止
・「対米追従外交」から脱却する。日本と米国が平等な主権国家同士の関係を築くために、日米間のこれまでの密接な友好関係は維持しつつ、アメリカ追従の外交政策を見直す
⇒ 40点
対米から脱却については賛同したいところですが、一体何でどう守るのか? と言う点については不透明と言えます。
憲法を不用意に変える必要が無い(特に緊急事態条項は危険)ということについては賛成したいです。
エネルギーに関して「再生可能エネルギー100%」と言うのは不可能です。
気候や気象条件に大きく左右される電源が多く、不安定な供給になってしまうので、火力発電が最低でも不可欠になるからです。
机上の空論が混ざっており心配になってしまいます。
◇社会保障
・「最低保障年金」を導入し、低年金、無年金者の生活を支える
・200兆円にのぼる「年金積立金」については、国債やグリーン債の購入に充てるほか、段階的に年間一定額ずつ取り崩して年金支給額に上乗せする
・すべての人に、個人単位・無条件で、お金を給付する所得保障政策「ベーシックインカム」についても、既存の社会保障制度での受益を損なわないことを前提に導入できるかどうか慎重に検討する
・年間3兆円の財政投資で介護従事者の給与を月10万円引き上げ、介護の現場で働く人を増やす
⇒ 80点
ほとんどが党のホームページからの引用ですが、
財政法4条廃止を前提としているのであれば実効性を担保できると思いますので、
なかなかの政策ラインナップだと思います。
それだけ「財政法4条」が財政出動政策の足枷として絶大な機能を果たしていると言えます。
◇その他の政策
・農業保護法案(種子法、種苗法)の復活
・外国人優遇政策推進
⇒
公式ホームページにある種子法廃止の見直し、種苗法改正の見直しの政策についてはあまり触れているところすらないのですが、大いに賛同できます。
一方で外国人の包括的な権利を規定する法律を制定の推進、
各種学校である外国人学校 (朝鮮学校含む)を教育費無償化対象に加える、
川口市での外国人(主にクルド人)に対する取り締まり強化をする条例に対して反対するなど、外国人に対して過度に保護する(日本人逆差別)施策を推進しているところが懸念点として挙げられます。
(不透明な献金が多いと言われておりそれらが外国人からではないか? と言う疑念が存在しているが、“外国人参政権“は公約には無いためにギリギリのラインと言えます)
ただ、(党勢が拡大した際の実効性は怪しいものの)真っ当な政策も多く、コアなファンが付くのも納得の内容だと言えます。
次の党からは衆参合わせて5議席未満のいわゆる「泡沫政党」であり、
いつ解党、他党に吸収されてもおかしくはなく、影響力としてはほとんど無いと言えます。
「よほど政策がヒットした場合」に限って投票することが望ましいと考えます。