3 日本維新の会
◇党の概略
橋下徹氏を中心としていた「維新の会」と故石原慎太郎氏を中心としていた「たちあがれ日本」を中心とした勢力、江田憲司氏を中心としていた「みんなの党」を中心としていた勢力などが離合集散し、2017年頃におおよそ今の体制になりました。
衆議院41人(第3党)、参議院20人(第4党)と現在でも“フィクサー”と言えるだけの数を有しています。
元代表である橋本・松井両氏は今も影響力を残しているような節があります。
また「維新の会」創設に関与した竹中平蔵氏の考案している社会保障をすべて取っ払った上でのベーシックインカム(実質的に年金支給額を減らす)を導入しようとしています。
主に「公務員人員・給与削減」などの「改革」を訴え関西地方を中心に勢力を広げてきました。ただ、聞き心地は良いものの国民全体の所得の低下の一端を担っており、国家全体としてはマイナスの政策です。
最近では「大阪万博」、「カジノ」、「兵庫県知事問題」などで評価が下降気味となっています。
自民党とは「閣外協力」をすることも多く、馬場現代表は「第二自民党」を自称したことも(23年7月23日の記事に)ありました。
もともと自民党大阪府連が分裂したために似たような雰囲気があるのもやむを得ないとは思いますけどね。
以上のようなことを考慮に入れた上で、政策をご覧いただければと思います。
※10月3日のNHKの記事や、日本維新の会公式ホームページの「維新八策」より参照
◇政治改革
・企業・団体献金を全面的に禁止する法整備を進める。
・党から議員に支給される政策活動費を廃止。
・旧文通費の領収書公開
・政治団体の資金を親族間で移動することを規制
・政治家本人への罰則強化
・外部監査機関の導入
・議員の報酬を大幅に減らし、一院制も視野に議員定数を大胆に削減
・0歳児選挙権
⇒ 55点
立憲民主党と共通している上4つは評価していいと思います。
ただし、維新の会の大好きな「報酬削減」が盛り込まれているのは個人的には好きではありません。
これについては評価されている方が多いのですが、
どちらかと言うと僕は「報酬に見合った責任を問わせる方法」や「国民が議員を任期途中で罷免する方法」を考えていくべきです。
議員の人数を減らすことや報酬を下げることは「報酬が少なくてもいい特権者」がさらに力を強める結果となり、当選のための費用が下がらない限りは、一般人の参入障壁がまたしても上がっていきます。
0歳児選挙権は「奇怪」とも言える政策で、誰が投票するかで夫婦で揉める可能性がある時点で終わっています。
◇経済政策
・消費税・所得税・法人税の減税を断行し、個人消費と企業投資を促進して経済成長を加速させます。
・労働契約ルールの明確化等による労働市場の流動化
・ライドシェアに象徴される旅客運送業を始めとした既存産業への参入障壁撤廃
・既得権に囚われない大胆な規制改革で産業を成長させ、給料を飛躍的に伸ばします。
⇒ 1点
プラスなだけ甘い評価なのかもしれません。立憲民主党の「極めて経済音痴」よりはマシと言うだけです。
消費税に関しては「8%に統一」と言うのが他の記事でありました。
増税するよりかはそりゃマシですが、
どちらかというと食品の税率を0にした方が効率よく低所得者の恩恵があるので消費税ゼロ以外の減税だとそちらの方が良いと思います。
「労働契約のルールの明確化」は内容次第と言うところです。小泉氏のような「完全撤廃」では逆に低所得者に対する増税になります。
規制は安全と信頼のために存在しているものが多くタクシーの規制緩和はタクシー業界全体では収入低下、一般市民への安全なども問題が発生しかねません。
基本的にはPB黒字化に対して賛成のために景気の良いことを言うとどこかで取られそうなのが懸念点として大きいです。
◇安全保障
・国際秩序を創る外交構想と、国民の命を守る総合安全保障。
・我が国の「積極防衛能力」を着実に強化するとともに、国際秩序の再構築を主導し、防衛・経済・資源エネルギー・食料を含めた総合安全保障を推進します。
⇒ 評価不能
意外にも「安全保障」について具体的に書いてある記事などは少なかったです。
あってもボワッとした書き方のために、実際に行う内容次第で大きく変わってしまう可能性もあるために評価が非常に難しいと思います。
◇社会保障制度
・若い世代に過度な負担となっている社会保障制度を徹底的に見直す。
・世代間格差の生まれない「積み立て方式」などを導入する
・高齢者の医療費の窓口負担を原則3割に引き上げ
・子どもの医療費の無償化にも取り組む
⇒ 70点
現状の年金制度は「持続しちゃいけない破綻した制度」なのにも関わらず無理やり延命させているので、「年金の積立方式」について言及してくれていることはプラスに捉えて良いと思います。
ただ、「現在の高齢者の支給額」や「積み立てた後の金額」についてどの程度のものなのか? その内容次第で点数は大きく上下すると思います。
高齢者の負担増と言うのはちょっといただけないですが――これを前に進めれば健康の維持管理が重要になる世の中になるという事なのでしょうね。
◇その他
・限界が明らかになった中央集権体制を打破
・教育無償化や自衛隊の明記、緊急事態条項の創設など具体的な改正条文案を示し、期限を区切って国民投票の実現を目指す
⇒
「維新八策」にある内容ですが、やはり「緊急事態条項」がメインとして存在しているようです。
この点をプラスと捉えるかマイナスとするかは皆さん次第と言うところです。(僕はマイナスですが)
次の項目からの政党は立候補者数から見ても政権交代の可能性はゼロだとは思うのですが、
自公のみでの過半数割れの可能性もあり得るので、
複数の政党での連立政権入りすれば「影響力を及ぼす」と言う可能性がありますので僕は政党の存在としては無碍にもできないと思っています。
そう言う視点でご覧いただければと思います。