初めての街
お久しぶりです。今日からまた週で書いていくつもりですが諸事情によりお休みをいただくことが今後もあるかもしれません。その時は画面越しに生暖かい目で見てください。
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「ほれ。ここがこのボルクドの街の関所じゃ」
凱旋門の何倍ですか?って感じのでかくてゴツい門がそこに建てられていた。更に言えば、街全体を囲んでいるのであろう高い塀がずらりと陳列していた。
「おい!ボーッと突っ立ってないでいくぞい」
「おっ、おう」
なんか俺が田舎者みたいでやだな。俺はもっとスゲー文明社会で暮らしてたんだぞ!
「手頃な人間は居ないのかのぉ」
言い方よ。てかこいつみたいな変人と一緒に居たら俺まで変人扱いされそうでやだな。
「おっ、暇そうなのがおるじゃないか」
手頃な人間を見つけたらしくコクは門の近くに居た門番に駆け寄ってく。こういうときはジジイ口調を抑えて穏便に話を進めてくれよー。
「そこの門番さんいいかな」
「何だ」
「は?」
誰だ今の爽やかインテリ系みたいな透き通った声は!
「この少年とこの子の使役獣を街の中に入れてあげたいんだけど」
もしや、コクなのか?ひょっとしてコクなのか!見た目と合わないジジくさい喋り方がようやく板についたと思えば、なんだこの顔と滅茶苦茶しっくり来る喋り方は!合いすぎる上に中身があんなのだって分かってるからキモい!
「ふむ。そこの少年とその魔獣を入れる分には大丈夫だ。」
あっまじ?割とすんなりいけるもんだな。
「だが身元の保証をしてもらわねば街に入れることはできない」
デスヨネー。
見知らぬガキと魔獣をこんなごっつく固めた街に入れるわけにはイカンよなー。
「ギルドカードはあるか?」
「それならこれを」
そういって顔面詐欺野郎は、クリーム色に輝く名刺のようなカードを門番に渡した。
「えっ⁉これって」
カードを見た途端門番さんがめちゃくちゃ驚いてあたふたしてる。何渡したんだこのジジイ。
「あの〜これって本物ですか?」
急に敬語になった。マジで何渡してんだこいつ。まぁギルドカードって言ってるし、冒険者ギルドのカードなんだろうけどさぁ。
「あぁ。正真正銘俺はコクだ」
「そっそうですか〜。でしたらこちらで手続きを〜」
「あぁ。ついでにギルド長にもあっておきたいんだけど、アモンは健在かな?」
「あっえーと。アモンさんは…」
「父は…アモンは一昨年亡くなりました。
ワオ美声。
「あっ!ファルンさん!」
「何、ファルンとな?」
え、そのファルンさんとやらは有名人なのか?
まだ門の影で顔が見えないんだ
「現在はその娘である私がギルドマスターの座についています」
‼…何…だと………!
「そうか。あやつはすでに逝っておったか」
「ですがお久しぶりですねコク様」
ピコピコ動く耳に、
「そうじゃな、もう10年ぶりかのぉ」
「というか口調が素に戻ってますよ」
横に揺れる尻尾と、
「ああ、すまない。しかしアモンが死ぬとは」
「ええ。痕炎で」
美しい毛並みを纏う顔。
「それか痕炎か...英雄アモンの次の旅路に幸があらんことを」
「お気遣いありがとうございます。ところでそこの少年は?」
そこには、隻眼の犬の騎士が居た。
恐らく獣人なのだろう。俺は別にケモナーというわけではない。そういう絵はたまに嗜む程度だ。しかし自分の目の前に立つ鎧を着た二足歩行の犬の獣人は、
「お…る」
心が荒んでいながらも微かの休息として見たものの、そのストーリー性と声優の素晴らしすぎる演技でドハマりしたアニメに登場するヒロインの一人、犬獣人のファルに
「なんて?聞こえないぞペア」
あまりにも推しに似てた。
「推せる!」
「え、うるさ」
通常時の声の三倍ぐらいの声を出したら引かれた。
おい、純粋に引くなクソジジイ。さすがの俺でもメンタルってものがあるんだよ?
「取り敢えずこっち来いインテリ詐欺師」
「なんじゃその不名誉な呼び名」
「いやさ、この世界って獣人といんの?」
「いるぞ。獣人だけでなく亜人種は多く現存するぞ」
ふーん。つまり俺が推せる感じの人がいっぱいいるわけだ。
ビバッ異世界!
「なんでそんなこと知りたいのかしら」
俺が感傷に浸っていたら、ドスの利いた声でモミジが聞いてきた。
「そりゃあお前さん俺が獣人とかそういうのが好きだからだよ」
「なるほど、お主あやつに惚れたか!」
「うん。まぁ、近からずも遠からずって感じだけど否定はしない」
「ふぅん」
なんですかモミジさん。その見定めをするような目はなんですか。
「まぁ、あやつはまだ結婚しとらんと思うし街で暮らす間でアプローチせい」
「それは違う」
「よくわからんのう」
俺はアニメキャラにリアコするほどの変人じゃあないしな。
「コク様ー!」
「なんじゃー!」
ファルンさんが俺を呼んでいる!
「何でしょう」
「お主そんな速く走れたか?」
「えー、そちらの少年「ペアです!」…ペア君とペア君の使役獣は街に入れるということでよろしいですか?」
「あぁ。それとギルドに入れておいてくれ」
「…この少年をですか?」
「ああ。こんなでも腕はそこそこたつ。使える魔法も結構多い」
「なるほど」
「それとこいつの齢は16だ」
「ほう。ええっ⁉16⁉私の3っつ下...」
俺そんな若く見えるの?
「わかりました。規定の年齢は超えてるようですし、ギルドには入会させておきます」
「ありがとうございます!」
「じゃあワシはそろそろ帰るわい。じゃあのファルン。またなペア」
「じゃあなコク。またそのうち『スノウ様』に会いにいくよ」
「ヴッ」
最後の言葉がよほど効いたのか、コクはトボトボしながらテレポートしていった。
「それじゃあペア。ギルドに行くぞ」
「ハイッ!」
やべぇ。めっちゃ尻尾触りてぇ。
というか君付け消えた。まあこの歳で君付けは嫌だし…いや、清楚系生徒会長とかにならいいかもな。
「ペア。お前はいくつほど魔法が使える」
「炎系統魔法と獣魔法をちょと」
「そうか、コク様は強いといってたがギルドランクはどのぐらいだ」
「よくわかんないんです。異世界人なんで」
「なるほど。そういうことか」
あれ?もっと驚いてくれていいのに。
「さて、ついたぞ」
「おお!」
なんか西部劇とかでよくありそうな酒場を少し改良して大きめの家みたいにした感じの建物がそこにあった。すげぇ。なんかこうこう言う建物ってロマンがあるよなぁ。俺の中の夏模様が疼いてる。
「ここが、」
「冒険者ギルドボルクド本部だ」
扉を開ける前から聞こえるやかましくも楽しそうな声。武器と防具を持ち合わせた戦士たちがジョッキをもって笑い合う。スゲー!マジで酒場じゃん。というか思ってたより広い。正面のカウンターは受け付けかな?あっ!隣に酒場の方のカウンターもあるじゃん。肉食いてぇ。
「あ、ファルンさん」
「なんだ」
大事な生命線だし。
「モンスターの素材って買い取ってもらえるんですよね?」
「あぁ出来るとも。ギルド右奥に解体所があるからそこで買取ができる」
「わかりました」
「登録と買い取りが終わったら二階にある部屋に来てくれ。私は先に行く」
そう言って二階に上がっていくファルンさん。
ものっそい美人だなほんと。いや俺ケモナーってわけじゃあないんだよ。ホントだよ?だからこっちをなんとも言えない視線で見てくるのはやめてくれるかいモミジさん。
「なぁボウズ」
「あ?」
俺は16ぞ?なに、こっちだと俺ってそんなに子供っぽい?俺身長170はあるんだけど。
「お前レベルはいくつだ」
うわそっち系かよ。めんどくせー
「5だよ」
「なに、5だと?笑わせる。お前みたいなガキはここに来るんじゃねえよ!」
ほらめんどくせー。あるあるだよなーそういうの。
こいつを《鑑定》
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〔ステータス〕
名前:アックス [Lv]16 «Parameter»
種族:人間 [HP]90/90 AGI 15 TEC 15
性別:男 [MP]70/70 DEX 10 LUK 5
年齢:27 [SP]85/85 STR 20 VIT 25
レベルポイント,0
スキルポイント,0
‹使用可能魔法›
水属性魔法
〈スキル〉
悪足掻き 鋼索糸
〈称号〉
蛮かな者
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弱。え、よわーい。レベルは俺より高いのにステータスひっく。
えー。俺絶対勝っちゃうじゃ~ん。
♢
俺の名はアックス。鉄級の冒険者だ。俺はステータスの中でも防御力が高いため、率先してパーティのタンクをしているが、俺のステータスは周囲の冒険者よりも高くタンクという役割ながらもパーティのリーダーをしてる。
俺はそんな自分に誇りを持っている。そしてこの冒険者社会では弱い者はいらないと思っている。どうやったら弱い冒険者を排斥することが出来るだろうか。答えは簡単。間引きをすればいいということだ。俺は初心者狩りという方法を思いついた。そこからは簡単だった。依頼をするときやプライベートなどといった有事以外は基本的にギルドに居ること。そして新顔が現れたらそのままボコすだけ。それだけの簡単な仕事だった。なのに今目の前にいるこのガキンチョは、
「プッフフフフフフフフ」
笑っている。それも現在進行系で。
「何がおかしいんだよこのクソガキ!」
「いやぁ、お構いなく。プフフフフ」
気持ち悪ぃ笑い方しやがって。
「ああ、すまんなアックスさん」
「なに?どうして俺の名を」
こいつもしかしてすでに下見をしていたのか?もしかしてレベル5なんて嘘なんじゃ。鑑定スキルなんて超希少スキル持ってないし確かめようがないしな。
「まあいい。お前俺と決闘しろ」
「は?」
「お前レベル5なんだろ?田舎出だったら少なくとも7か8はあるべきだ。でもお前のレベルは5だ。足を引っ張るようなレベルのお前はギルドに 、この業界にいらねぇんだよ」
笑いが引いて真剣な顔つきになったじゃねぇか。まあいくら真剣になってもボコボコにするのは変わらねぇけどな。
「分かったらさっさと「ダル」…あ?」
「あ、いやごめん声に出てたか。いやーなんでもないなんでもない。決闘ね決闘。するする。でもさ、ちょっとだけ待ってくんない?対人戦初めてだしなりよりさっきレベル上がったばっかでポイント振れてないんだわ」
「…まあそんぐらいならいいだろう。決闘場はギルドの奥にある。早く来いよ」
「さっと行くわ。さっとね」
そう言ってやつは1時間後に現れた。
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「いや〜モンスターの買い取りと武器の購入で思ったより時間食ってさ、ごめんなアックス」
新スキルの練習をしてたのが大半とかは言えない。というかあのデススパイダーとやらがけっこーな値段で売れたから高めの武器買えたの嬉しい。
「呼び捨てにするなクソガキ」
「俺のことクソガキっていうのやめて」
「断る」
「やれやれ拗ねちゃったか。もう!誰だよ1時間も待たせた奴!」
「…」
うわー!すっごい怒ってるー!こんなにわかりやすくイライラしてる人初めてみたー!建噛んてこんなに浮き出るものなんだなー!親父がイライラしてるとこあんま見たことないしなー。
「おいゼドォ!」
「はいぃぃ!」
やっと始まるのかとでもいいたげな視線の物見客から出てきた頭一つ小さい男。名をセドと言うらしい。ぴょこんと跳ねる動物の耳からはネズミの獣人であることがわかる。
「審判しろ。ルールは“倒れるまで”だ」
「わっわかりました」
アックスに呼ばれてでてきたこのゼドという獣人。どうも使いっぱしりになってるらしい。ズタボロの布切れをまとい必要最低限の防具を身に着けた彼は、孤児という表現が一番近かった。
こういう子を恵まれないというのだろう。限度は関係なく俺も虐待にあってたし、ゼド君には優しくしようk
一瞬の着崩れを、俺は見逃さなかった。布の隙間から見えた打撲痕。物にぶつかっただとか、モンスターにやられたなんてものじゃない。一方的に、一部分に、何回も打たれた痕だ。そこの木偶の坊との掛け合いから点々を繋げる。結論、俺は徹底的にこいつをぶちのめす。
「でっでは、はじめ!」
泥棒猫(犬)(当人に自覚と責任は無い)が現れてクレアさんピンチ!そろそろクレアさん出しますんでちょまち。
ようやくバトルシーンが書けるというワクワクと、自分の表現に誤りがないかが超絶不安。誤字脱字っぽいものがあったら報告して欲しいです。