かわいい
✼
[私はあんたの願いを叶えるために電話してたの!]
「えまじ」
[マジも大マジ。感謝しなさいさいよね!]
「ありがとうございますクレア様」
[は?]
あっやべ。やっぱ名前は端折っちゃだめか〜
[……今、なんて言った]
「いっいや〜なんて言ったんでしょうね〜」
[もう一回]
「はい?」
[もう一回!『クレア様』って!]
「クレア様……?」
[ん〜〜〜〜〜!]
めっちゃ喜んでる。やばいかわいい。
[そっそうねつっ次は……]
なんとなくわかったから言って見る。
「クレア」
[きゅぅ]
すっすごい!さっき電話の件の怒りが癒やしに変換された!
「そんでクレア、俺のお願いの方は……」
[あぁうん、お願いね。ちゃんと獣神に取り次でおいたわよ]
まだニマニマしそうで可愛いけど、
「獣神?」
[ええ。その名の通り獣の神様よ。『次そっちに送る子を動物で囲んどいて』って言っといた。それと一緒に召喚士系のスキルも頼んどいたから]
「それはありがたい」
[召喚士ってわかる?]
「まぁニュアンスはわからんでもない」
[じゃあもういいわね。そろそろ転生の準備をしないt
「あ待って」
[何よもう]
「向こうでの言葉とかって」
[あぁそれなら大丈夫。スキルとして異世界人全員にあげてるから]
なるほどね。ああそういえばこれも聞かなきゃ。
「それと」
[なに]
ちょっと不機嫌そうだが大事なことだ。
「地名とか教えてくれない?色々知っておいたほうがいいし」
[それもそうね。それじゃあ大まかな内容は教えておくわ]
「ぱちぱちぱち〜」
[あなたが今から行く世界の名前の総称は特にありません]
「というと?」
[あなた達の世界の定義ってせいぜい地球上の国とかの総称でしょ?だからあなた達の世界は『地球』といえる]
「ほうほう」
[あっちは地球と違って天文学とかはそんなに進んでないの。それに地球よりも遥かに大きいから大陸名しか決めてないの]
ほうほう。
[そして3つの大陸と沢山の諸島から成り立っているの]
なるほどなるほど。
[人間大陸 クレルス大陸、魔大陸 メイシード大陸。そして獣大陸 レオル大陸]
「うん。覚えれる自信がない!」
[そこらへんは慣れよ、慣れ]
「ご教授ありがとうございました!」
[はいじゃあ転生にいくわy
「あっ!あとさ」
[なによ!]
「なんかこう、異世界特典とかない?」
[はい?]
いや〜なんだかんだ言ってゲームやらマンガはそこはかとなく嗜んでたし、お約束な展開にはドキドキもワクワクするお年頃なんでね。異世界特典とかは燃える。
「ほら、ラノベとかアニメとかでよくあるじゃん」
[でもあんたには環境の待遇を
「どうしてもだめなのか?」
[な”ッ!]
自分でやっててどうかととは思うがこうなりゃヤケだ!
「というか生まれてくる場所の待遇は獣神様とやらに頼んだんだろう?クレアからは何もくれないのか?」
[う〜しょうがない、わかったわよ!あげるわよ]
「やったぜ!」
折れたクレアかわいい。
[いくわよー]
上の方から赤っぽくてポワポワしたのが降ってきた。おぉなんか温っかい。
[称号とスキルと加護を一つずつあげたわ。ありがたく受け取りなさい!称号は私の炎系統魔法が使える称号。スキルは鑑定系のやつ。それも一番高いやつよ!それと加護の方は《炎神の加護》。とってもすごいんだからね!]
「能力の詳細は?」
[自分で確認なさい]
「は?」
[頭の中で鑑定対象を思い浮かべてみて。そして唱えなさい鑑定と!]
じゃあ自分を 自分を...あれ?顔とか今ないけど自分とは?
ええいままよ!自分を《鑑定》!
ブゥン
おおなんか出てきたぞ?
___________________________________
名前:無し
種族:人間(霊魂)
年齢:16(享年)
〈スキル〉
鑑定_全 複言語者
〈加護〉
炎神の加護 獣神の加護 ??の加護
〈称号〉
焔神子 獄・召喚士
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「えっとなんか自分のステータスみたいのが出てきたんだけど」
[そう。それはあなたのステータス。そんでそこからさらに鑑定してみて]
焔神子、鑑定_全。あとは獄・召喚士を見てみるか。
加護は知らんの混じってるし後で。複言語者ってのは多分クレアが言ってたやつだよな。
《鑑定》!
ブゥン
……この音消せないかな?
___________________________________
《焔神子》 《鑑定_全》
[概要] [概要]
炎神に愛された者が持つ称号。 全ての事柄を見通す。
[権能] [権能]
全ての炎系統魔法が使用可能。 対象の情報を見ることが出来る。
《獄・召喚士》
[概要]
召喚士系称号の中でも最も高いランク一つ。
微生物から地獄の番犬までを従える。
[権能]
モンスターや動物に行う全てのスキルが使用可能。
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おお!すげぇな!
ん?あれ?
焔神子の欄...
「くっクレアサン?」
[ビクッ]
この娘自分の口でビクッて言ったよ
「あの『炎神に愛された者』とか書いてありますけどこれって?」
[友人として]
「友人?」
[そうよ!友達、フレンド、えふりえんど!あーゆーおーけい?]
これは嘘をついてる人間の声色だ。心が死んでからわかるようになったけど、心が死んで悔やんだのは今日が初めてだ。恥ずか死ぬ。心底顔がなくてよかった。
「そうだね。俺らは友達だ」
[えっへん!]
クレアは当初からだいぶキャラ崩壊したな。可愛いけど。
まぁこれがクレアの本当の姿なのだろう。本心を出してくれて、俺は嬉しい。
「友達ついでに聞いていい?」
[なに?]
「ステータスに知らないのがあるんだけど」
[えっ?どんなの?]
「??の加護」
[しらないわね。でも加護ならバットステータスではないと思うわ]
雑だなオイ。
「それと獣神の加護ってのが」
先ほどちらっとだけ名前は出てきたけど
[あぁレオね]
「レオ?」
[そう。獣神レオ。あなたの生まれ落ちる場所を設定した子。よくできた後輩なのよ!]
えっ?クレアの後輩?どんなだろ?ちょっと会ってみたい。
[でもレオの加護を貰えるなんて。あなたなんかやった?]
「いや?特になんかした覚えは」
[まぁあなた変だし。有り難くもらっときなさい]
「そうだな」
[そういえばどうする]
「何が?」
[名前]
あー。そういや「無し」って書いてたな。
[今の所名前無しになってるけど]
前世の名前は嫌だしなあ。どうしよう。
名前無し。名無し。なし。梨は英語でPear。
「ペアで」
[ペアねりょーかい]
「……ねぇクレア」
[なに?]
「俺ほんとになんもしないけどいいの?」
[いいのいいの!前疲れた分ゆっくりしてきな]
「ありがとう。クレア」
[それじゃあそろそろだね]
うお。下から体ができていく。あっ服は着てる。
それに魔法陣的なやつ。もう転移なのか。
「お別れか」
しんみりくるな。一緒にいた時間は短いけどこう、「愛された者」とかって言われるとこうなんかクルものがあるよな。やっぱり悲しいものだ
[いや会おうと思ったら会えると思うよ?]
な?
「あれ、そうなの?」
[教会に行けば会えると思う]
「そうか。なら、また会おう」
やべー!はじぃ!俺は今日何回生き恥をさらすんだ!
あ、俺死んでたわ!
[それでは」
あ、体ができてきたからクレアの体も見えてッッ⁉!
「ペア。あなたの」
喋り方などから可愛らしい妹系の娘かと勝手に想像していたのだがッッ!
なんというプロポーション!
「次の人生に」
ロングスカートから垣間見える肉付きの良い足!
激しい主張があるわけではないものの安産型と言える腰回り!
祈りのポーズをする細くきれいな腕!
そして腕により際立つ美したわわにに実った双丘!
赤とオレンジ美しいの髪!
圧倒的顔面偏差値で構成された美しい顔!
「幸があらんことを」
その瞬間視界がホワイトアウトした。
❖
「ギャップ萌ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
俺の異世界での第一声はこれだ。
一応クレアちゃんはヒロインの予定
まぁいつ泥棒猫が現れるかな?
アッハッハッハッハッハッハ!