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カントウ士アレ  作者: 金子ふみよ
第一章
12/13

出立するアレ

 ゴビという植物の独占的栽培、及び不法な品種改良。それがカツヨウの効果を飛躍的に絶大にさせ、ゴダンの勢力拡大に一役買っていた。しかも、不当な売買でかなりの利益を上げていた。さらには売買する品はワンランクもツーランクも品質を落とした粗悪品だったという。カツヨウに効果があるというのを伏せており、あくまで滋養強壮に役立つというのが謳い文句だったらしい。それらの開発費や研究費を賄うために財政・税制・公共福祉を犠牲にしていた。

 あの医務室でイイから淹れてもらったのもそのゴビのお茶だったという。それが、カツヨウが使えないアレにはヒョウゲンギホウの予想外の効果だったり、ゴカンの完成だったりしたわけである。きっかけはドーピングだったとしても、すでにゴビを摂取しなくても、アレはヒョウゲンギホウもゴカンも実施できる。もうコツはつかんだのだ。

 アレがゴビに着目した理由は他でもない。記録文書類の添削と、同僚とのメッセージのやり取りである。それくらい頭が回るのがアレである。それにもかかわらず、ヨウゲンからの出立の際、落ち着きのないイイに

「どうした? 腹の具合でも悪いのか?」

 と言う始末。交友が短いとはいえ友人との別れを惜しんでいる、その気持ちを汲み取れないのか。イイから一喝で反撃されても、

「また会おう」

と屈託なく言いやがるあたり。イイがあきれるほどである。


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