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魔王とメタフィクション

魔央 「【メタい】とはなんじゃ?」


勇 「うーん?例えば、俺らがなんかの小説のキャラクターだったとして、読者や作者の都合に合わせた言動を意図的にする事・・・かなあ?」


魔央 「わしらのこんな会話を誰が求めようというのか。」


勇 「いや、こんなどうでもいい会話が小説になるわけがないでしょ。物語にするんだとしたら向こうの世界での大戦の話でしょ、普通。」


魔央 「それだと、わしが負ける話になるから嫌じゃ。」


勇 「人類向けだとしかたないんじゃない?」


魔央 「もうひとつ質問じゃ。【エタる】とはなんじゃ?」


勇 「エタる?」


魔央 「そうじゃ、エタるじゃ。エタる。動詞ぞ。」


勇 「え?魔王の知りたいやつなのかどうかわからないけど、ゲームとか漫画とか小説とかの続きを作らずに放置するみたいな意味じゃなかったかな?ネットスラング?」


魔央 「おおそういうことか!それっぽい!さすがじゃ。」


勇 「知りたい言葉で良かったよ。」


魔央 「お前は何でも知っておるな。前世の賢者職のようじゃ。勇者にしておくのはもったいない。本当に頼りになる。」


勇 「ほめ過ぎだよ。なんでそんな妙な単語が出てきたの?」


魔央 「メタノールとエタノールの違いを調べていたら行きついた。」


勇 「そうはならんだろ。てか、何でエタノールとメタノールの違いを最初から尋ねん。」


魔央 「そんな頭の良さそうな事訊いたところで、どうせ答えられんだろ?」


勇 「さっきの絶賛はなんだったのか。」


魔央 「気にするな。学校の勉強がすべてではないぞ。」


勇 「成績悪い前提かよ。おまえん中で俺、どういう評価になってんの?」


魔央 「スマホの次くらいに便利。」


勇 「失礼か。」


魔央 「何故だ?絶賛したのに。魔界では『美味しそう』の次くらいの誉め言葉だぞ。『便利』って。」


勇 「こっちでは人に使ったら割と不愉快な言葉だよ。あと、『美味しそう』も絶対人に言っちゃだめだよ。」


魔央 「だいたい、『スマホ』なんかこの世界で一番素晴らしい物だろうに、それと比べてるんじゃから誉め言葉であることくらい感じ取らんかい。」


勇 「物と人を比べてる時点でだめだからね?」


魔央 「この世界の文化は他人の感性に不寛容すぎる。」


勇 「文化以前に、言われてる本人の気持ちは大切にしようね?」



エタるぞ!

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