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魔王と童話

魔央 「童話とはなんじゃ?」


勇 「桃太郎とかシンデレラとか白雪姫とか。知らない?」


魔央 「いや、知らぬ。」


勇 「まじか。桃太郎ってのはね・・・(中略)・・・。」


魔央 「なるほど?それで犬とサルとキジはどうなったのじゃ?」


勇 「さあ、幸せに暮らしたんじゃない?」


魔央 「畜生どもが金銀財宝貰ってもしょうがあるまい。そもそも、あいつらキビ団子しか貰っとらんぞ?リスクとリターンの配分がおかしい。こんなん誰が命懸けでついていくというのじゃ。」


勇 「まあ、童話って子供向けの話だから、そういう現実的なところは流そうよ。」


魔央 「今時3歳児でもこんなん納得せんわ。せめて、団子には麻薬と猛毒が入ってて、麻薬が切れるたびに激痛が襲うから桃太郎について行かざる得ない、くらいの理由が欲しいぞ。」


勇 「子供向け物語にどでかい悪意ぶち込むのやめてね。せめてチャームのキビ団子とかにしようよ。」


魔央 「なるほど、そうせい。」


勇 「やだよ。」


魔央 「シンデレラとやらはどうなのじゃ?」


勇 「シンデレラってのは・・・(中略)・・・。」


魔央 「それは、シンデレラは大丈夫なのか?」


勇 「は?どういう意味?」


魔央 「教養も作法もない大人が、いきなり城で生活じゃぞ?実家も助けてくれんのじゃぞ?」


勇 「結婚に反対する親戚のおばちゃんみたいな意見だね。」


魔央 「よう考えれば、王子にしても一回こっきり会っただけの相手ではないか。しかも、顔すら憶えとらんようじゃて。」


勇 「そこら辺の細かいことはあいまいにしようよ。」


魔央 「わしなら人の忘れてった靴を持ち歩いて探してくる人間なぞ願い下げじゃ。」


勇 「そんなこと突っ込みだしたら、ガラスの靴なんて履いたら割れちゃうとか出てきちゃうし。」


魔央 「魔法で強化しとるのじゃろ?」


勇 「ぐうのねもでん。」


魔央 「白雪姫とは?」


勇 「白雪姫ってのは・・・(中略)・・・。」


魔央 「路上の死体に無断でチューする変態ではないか!この世界の王子はろくでもない奴しかおらんのか。」


勇 「白雪姫、死んでないんじゃないかな?」


魔央 「死んでなくても悪いわ。」


勇 「たしかに。」


魔央 「そもそも、何日も転がってたんなら、めっちゃ口臭いぞ!」


勇 「いや、死んでるわけじゃないから。」


魔央 「あほか、死んでないからならなおさらじゃ。お前は封印されたことがないから知らんのじゃ。一週間目とか自分でもビビるぞ。口内菌なめるな。」


勇 「なんて、無駄な経験値だ。」


魔央 「結ばれた後も、毎回チューするたびに、『こいつ一番最初チューしたとき、めっちゃ口臭かったな』とか思われるんじゃぞ。」


勇 「もー、王子匂いフェチかもしれないだろ。」


魔央 「お主はそれがこの物語の最適解だと思うのか?」


勇 「・・・・・。だからさ、こういうのガチで考察するのやめよ?」


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― 新着の感想 ―
[良い点] あまりの展開に笑ってしまいました。 なるいほど、これが、「なろう小説」なんですね。 大変に勉強になりました。 また読みたいです。 [気になる点] ありません。
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