魔王と外来種
魔央 「外来種とはなんじゃ?」
勇 「日本の外からやって来た動物とか植物の事かな。ミドリガメとかブラックバスとか。」
魔央 「何故差別をする。地球はひとつじゃぞ?」
勇 「日本の周りには海があるからね。鳥とかはともかく、川魚とか虫とかは普通入ってこれないじゃん?」
魔央 「鎖国ということじゃな。」
勇 「だいぶ違う。」
魔央 「排他的じゃのう。移民にしろ虫にしろ受け入れたらよいのに。」
勇 「それ移民の人を応援してるの?ディスってるの?」
魔央 「応援しとるに決まっとるじゃろ。お前こそ虫をディスっとらんか?」
勇 「そりゃ人間に比べたらディスってるよ。」
魔央 「だから外来種などと言って差別してるおるのか。」
勇 「天敵が居なくて一気に増えちゃう生物とか、日本の生物を全滅させちゃう生物とかがいるから区別してるんだよ。」
魔央 「おおなるほど。それは入ってくるのを食い止めねばならん。」
勇 「おっと意外。そんなことで全滅するほうが悪いのじゃ、とか言いそうなのに。」
魔央 「確かに弱肉強食はしかたないが、住みわけのできるところはきっちりせねばならん。」
勇 「なんだか分かった感じのご意見。」
魔央 「わしも飼ってたペットがデカくなりすぎて手狭になってきたから、自然に放したら大幅な砂漠化を招いてしまったことがあってな。」
勇 「実体験かよ。しかもスケールでかいな。」
魔央 「サラサラモンインゴール王国には悪いことした。」
勇 「この間の話かよ。って、え?サラサラモンインゴール王国を滅亡させた魔界ヤギの話ってそういうことだったの?」
魔央 「そじゃぞ。」
勇 「それ、外来種の問題の典型的なダメなやつじゃねえか。」
魔央 「そういえば、外来種はどうやって海を渡ってくるのだ?」
勇 「何かの荷物に紛れてきたり、心ない誰かがペットを放したりとかかな。」
魔央 「あう。マジ、すまんかった。」
勇 「国家滅亡するから二度としちゃダメだよ。てか、よく考えたら、お前自身が一番やばい外来種じゃねえか。」
魔央 「そういえば。」