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ミリオタが桃太郎に転生した!

作者: 河童技研

本来ならこのサイトの冬の童話キャンペーンに応募しようとおもったのですが、『変な桃太郎』という岩太郎様の作品に影響を受け、桃太郎関連で何か書いてみよう、という軽いノリで書きました。

岩太郎様の作品は、私のブックマーク内に有るので是非とも読んで見てください。


 あっ。どうも、皆さん。自分は桃田、三郎という、どこーにでもいる高校生です。


 強いて他のクラスメートと違うところを挙げるなら自分はミリオタって所だなぁ。


 あっ、ちゃんと友達はいるよ?


 ロリコンの友達とか、リア充に過剰な殺意を向ける友達とか、ゲームで国内トップ3にはいってる友達とか。


 あれ?皆変人だぁ。まあ自分もそれに毒されてるんだけど。二次元に堕ちたし、ロリコンになりかけた(もうなっちゃったかも···)。


 まあそんなことはどうだっていいんだ。重要な事じゃない。


 現在、自分は何かに閉じ込められています。


 とっても狭いです。


 しかもなんかフルーティーな匂いがするし···


 あっ。なんか落下してる?


 

  ザバアアアアン!


 水かなんかに落ちたのかな?


 浮いてる感がすげぇ。


 何処行くんだろうなあ。


 

 数年後···



 いやいや、そんな経ってないわ!


 

 ザワザワ···


 おや?なんか話し声が聞こえますね。


 なんだろう?


 お婆さん(おやおや、大きな桃じゃのう。家に持って帰って美味しくいただこうかのぅ。)


 意地悪お婆さん(ダメだ!この桃は私が先に見つけたのだ!誰にもやらん!)


 

 ···ゑ?


 どーゆー状況デスカ?


 桃?


 え?え?


 落ち着け自分!


 おちけつ!おちけつ!


 素数を数えるんだ!


 1.2.3.5.7.11.13···よし!


 取り敢えず今の状況を整理しよう!


 ·自分は何かに閉じ込められている

 ·桃の匂いがする

 ·何かに閉じ込められて流れている

 ·お婆さんの話し声


 

 ···桃太郎?これ?


 おや?よく見ると桃(?)の中に手紙が···


 Dear 桃田三郎さん

 

 突然ですがあなたは死にました。いえ、私が殺しました♪すいませんでしたー♪どうです?すごいでしょう!私達神レベルになるとですね、死を自覚しないまま殺す事もできるんです!


 えーと、貴方を殺しちゃった訳ですが、単なる暇潰しです。


 ただ、母に怒られちゃいましてね。こうして仕方なく転生させてあげたんです感謝しやがってください♪そんで今日から貴方は桃太郎です。


 それとラノベ好きの母からチートもつけるように言われたので渋々あげてやります。


 じゃあそーゆーことで、ダスヴィダーニャ!


      世界一可愛い女神様、メイラより


 

 ···なんという事でしょう。怒りを通り越して呆れしか感じないではありませんか。


 だだしウザさだけは物凄い感じる。


 そして桃太郎に転生かぁ。


 転生するなら剣と魔法のファンタジーな世界で美少女とイチャイチャしたかったぜ···


 まあいい。チートがもらえたのならそれでいい。


 鬼ヶ島で無双しまくってやるぜぐえへへへへへ


 

 あっ。持ち上げられた!


 お婆さん(ああ儂の桃が···)


 意地悪お婆さん(お黙り!先に見つけたのは私だ!)


 ···どうやら意地悪お婆さんがひろちゃったらしい。


 あれ?意地悪お婆さんなんて桃太郎に登場したっけ?


 意地悪お婆さん(ぐえへへへへへwこれでやっとまともな食べ物が手に入った!これで毎日雑草ばかりの生活からおさらばだ!)


 ···おうふ。そんなに生活に困窮してたのか、意地悪お婆さん···。同情しちまうぜ。


 意地悪お婆さん(さて、割るか。うん?まずい!包丁なんてとっくに質屋に売っちまったんだった!)


 えええええええええ!


 やっとこんな狭いところから出られると思ったのに!

 

 腹も減ってきたしなぁ。


 ···桃、食うか···。


 ムシャムシャ。うん。うまいな!これ!

 

 あっ。そういやチート!チートの事忘れてた!


 えーと?「ステータスオープン」


 「兵器召喚」二次大戦まで

 「人員召喚」上に同じく

 「言語習得」古典国語、鬼語、犬語、猿語、雉語



 ···あっ(察し)


 チートですね。うん。桃太郎の時代っていつだっけ?紀元前3世紀だったっけ?


 二次大戦の兵器っていってもいっぱい有るからねぇ。


 あっ。銃剣召喚すればこの桃、割れるんじゃね?


 よし、三十年式銃剣、召喚!


 よし、これで桃を割れる!


 ブスッ!スゥーーーパカッ!


 ようし!割れた!


 意地悪お婆さん「ひいいいいい!桃から刀がああ!ウワッ!割れた!中から人が!」


 あちゃー。驚かせちゃったか。


 意地悪お婆さん「きゃああああああああ変態!!!!」


 ···ゑ!?


 あっ。やべっ、服着てねえ!えーっと!


 ナチス親衛隊の軍服召喚!自分に着せるように!


 ふう···。てゆーか意地悪お婆さんの悲鳴、ちょっと可愛かった···ってゑ?



 そこには16~18歳位の、ボサボサの白髪ロング、ボロい着物を着た美少女がいた。



 は?え?え?意地悪「お婆さん」だよね?


 意地悪お姉さん「なん···だと···?桃から変態が出てきたと思いきや、見たこともない服を着た男が···!」


 表記が「お婆さん」から「お姉さん」に変わっとるし···


 まあいい。取り敢えず自己紹介でもしとくか。


 三郎 「どうも、桃田三郎です。驚かせてすいませんね。あと変態じゃないです。極めて普通の男子高校生です。」


 意地悪お姉さん「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」


 三郎「ハッキョーセットやめい!てか何で知ってんだよ!」



 ···数分後。


 

 意地悪お姉さん 「ほうほう。気がついたら桃の中にいた、というわけか。」


 三郎 「そーそー、そーゆーこと。」


 意地悪お姉さん「まあいい。取り敢えずその入っていた桃を持って私の家に来るのだ。早くまともな食べ物を食べたい···」


 三郎「ほいほーい。」



 桃田三郎と意地悪お姉さん、移動中···


 

 意地悪お姉さん「ボロい家だが入ってくれ。」

 

 意地悪お姉さんの家はお世辞にもいい家とは言えなかった。しかしきちんと整理整頓されていた。


 三郎「ほぉ。すげえ、昔の家だ。」


 意地悪お姉さん「そんな事はいいから早く桃を割って···。」


 三郎「おう、ソーリー。ほいっ」


 スパンッ!


 意地悪お姉さん「おお!見事な桃だなぁ!では早速いただくとしよう!」


 ドタドタドタドタ·····


 意地悪お姉さん「何だ、騒がしいな。」


 あ、鬼だ。そうか。桃太郎の世界だったね。ここ。


 鬼「グルアアアアア!金目の物寄越せやぁ!ゴルァ!」


 ヤクザかよ。もしくはチンピラ?


 意地悪お姉さん「ひいいいいい鬼ヶ島の鬼ぃ!馬鹿なぁ!お前らは勇者桃太郎によって滅ぼされたはず!?」


 え?もう桃太郎出てきたことあんの?


 鬼「ククク···偶然にも生き残った我等が祖先が鬼族は復興したのだ···!憎き勇者桃太郎が死亡し数百年···再び我等のもとにひれ伏すがいい!軟弱な人間ども!」


 へぇ。鬼族も大変だったんだねぇ。


 意地悪お姉さん「この家には金目の物など何もない!お引き取り願おう!」


 そうだね。雑草ばかりの生活だったらしいしね。


 鬼「ククク···。残念だがそうは問屋が大根おろさんぞ。そうだな。貴様、身なりこそ貧しいがなかなかの美女とみた!」


 『大根おろさんぞ』ってwww


 ってうん?こいつ意地悪お姉さんを鬼ヶ島に誘拐する気か!?


 三郎「そうが問屋が大根おろさんぞ!召喚!MG42汎用機関銃!」


 三郎がそう叫ぶとヒトラーの電気ノコギリことナチス·ドイツのMG42汎用機関銃が召喚される。


 鬼「なんだ貴様は!お前に用はない!」


 なんか鬼が叫んでいるが聞こえない聞こえない。


 三郎「死ねぇぇぇゴルァァァ!」


 ズダダダダダダダズダッダダダダダダ!!!


 MG42から大量の弾丸が吐き出される。


 鬼「グワギャアアアアアアア!!!」


 鬼の体に吐き出された弾丸がめり込み、幾等かは体を貫通する。


 あれ?鬼、弱くね?


 三郎「はっ!ザマァ!!」


 はっはっは!鬼など我等が近代兵器の敵ではないわ!圧倒的ではないか!我が軍は!


 意地悪お姉さん「あっあれ?え?鬼、死んでる···?え?え?」


 お姉さん、びっくり。まあそりゃそうだよね。剣とか槍とか弓の時代に二十世紀も後の時代の兵器とか見せられたらそりゃあねぇ?


 三郎「えーっと、じゃあちょっと他のとこの鬼を掃討してきまーす!」

 

 ふっはっはっは!覚悟するがいい鬼どもめ!


 我が近代兵器の前にひれ伏すがいい!


 三郎「召喚『95式軽戦車』5両と戦車兵5両分!」


 よし、これで念願のハゴたんに乗れる!


 やったぜ。


 そして数分後···


 グオオオオオオ···!


 ダカカカカカカ!!


 ドォンッ!!


 周囲は地獄の様な状況になっていた。


 鬼A「うわあああああ!!」


 鬼B「なんだ!てっ鉄の車が火をぉぉ!」


 鬼C「うわあああ死にたくなぁい!!」


 ハゴたんから逃げ回る者、車載機銃で足をやられる者、主砲で吹き飛ばされる者。


 まさに阿鼻叫喚のようである。


 こうして意地悪お姉さんの家の周囲にいた鬼は駆逐された。


 三郎「ふう。ざっとこんなもんかな。」


 はあ、面白かったわぁ。


 まあ生き物を殺す感覚にはなれないが、ハゴたんに乗るのは楽しかった。


 意地悪お姉さん「お、お前···。何者だ?」


 うーん···。高校生の桃田三郎ですが···。


 まあ···取り敢えず···


 三郎「···桃太郎。かの勇者桃太郎の意志を継ぐ者なり···!」


 おっとしまったつい持病の中二病が···!


 意地悪お姉さん「なん···だと···?確かに桃から生まれてきてはいるが···。いや···そうか···。」 


 やっべ。変な勘違いされちった。


 まあいい。


 三郎「と、言うわけで鬼退治に行ってきもーす。」


 あ、吉備団子は?!


 三郎「ねーねー。吉備団子ってある?」


 お姉さん「ない。」


 即答ですかそうですか。


 三郎「じゃあ材料があれば作れる?」


 お姉さん「···たぶん。」


 俯いて自信なさげに言うお姉さん。


 ようし!


 三郎「ちょっと買ってくる。」


 ふふん。鬼どもをさっき殺ったから報奨はたっぷりもらってあるのだ!


 さっさと買って帰宅。


 三郎「これで作れますね!是非お願いします!」


 三郎がそう言うと買ってきた材料を持って台所に向かうお姉さん。


 ···数分後。


 お姉さん「···自信はないが、取り敢えず作ってみた。」


 お姉さんの手には数十個の吉備団子が。


 三郎「どれどれ。味見味見っと。こ、これは···!」


 口に入れた途端、中に広がる甘い味!


 三郎「旨い!なんだこれは!旨すぎる!」


 さらにお姉さんが作りました、という付加価値が···げふんげふん。


 お姉さん「···そ、そんなに美味しいか///」


 俯いて赤くなるお姉さん。


 わあお。可愛い。


 三郎「これで鬼退治は成功したも同然だな、ではいってきもーす!!!」


 デケデケデケ···


 お姉さん「···鬼に拐われそうになった私を救ってくれたし、吉備団子を絶賛してくれた···。あいつ、良い奴だな···///」


 

 そんな訳でお姉さんの家を出発した三郎だが、幾らか問題があった。それは···


 「歩くの怠い。」

 「鬼ヶ島って何処?」

 「喉乾いた。」


 等々。


 三郎「前の桃太郎って凄いんだなぁ。体力有るし。刀で鬼を退治するし。···はぁ。疲れた。休もう。」


 そして道端に寝転がる三郎。


 しかし歩いた疲労のせいか、すぐに寝落ちしてしまった。


 ················


 ???「もしもーし。」


 いつの間にか寝落ちしてしまっていたらしい。


 って誰か話しかけてきているらしい。しゃーない。起きるか。


 よっこいせ。


 ごちん!


 ???「あいた!」


 つー。なんなんだよ一体。


 そう思って目を開ける。


 ···目の前に美少女がいた。しかも犬耳の。


 髪は若干ピンクっぽくて肩に当たるかどうかというくらいの長さ。身長は150cmくらい。


 ···犬かぁー。


 うん、そうだよね。桃太郎っていったらやっぱ犬猿雉だよね。うん。


 お婆さんが美少女だったしもしかしたら···って思ってたんだ。


 犬「ねぇねぇ。腰のとこにぶらされてる何か良い匂いのするヤツ、ちょうだい!」


 案の定、吉備団子を要求された。まあいいけど。何か美少女の犬耳の娘に吉備団子与えるって餌付けっぽくない?


 三郎「どうぞどうぞ。」


 一つとって掌にのせる。


 犬「じゃあいただきまーす!なにこれ!美味しい!」


 はっはっは。そりゃあそうだろう。何せ現世では岡山県の吉備団子を全制覇した自分でさえ飛び抜けて美味しいと思ったのだからな!


 え?他人が作ったものでお前が威張んなって?すいませんでしたごめんなさい。


 犬「もう一個!」

 

 食べ終えた犬がそう言ってくる。てか欲張りだな。


 まあいいや。食べる姿が可愛かったし。


 三郎「どーぞ。」


 犬「こんな美味しいもの貰ったしモグモグ、何かお礼しないとムシャムシャいけないわね。」


 いや、食べながらしゃべらない!


 お礼はまあ、史実に沿っておこう。


 三郎「じゃあ今からとある所に殴り込みに行くからさ、付いてきてくんない?」


 あえて鬼ヶ島に鬼退治に行く、とは言わないでおいた。いや、吉備団子とられて逃げられたら嫌じゃん?


 え?最低?ふっはっはっはっは。なんとでも言うが良い!我には近代兵器というチートがついているのだ!負けることはないし、道中この娘と仲良くなってあわよくば付き合って貰うという我が崇高な計画があるのだ!


 犬「うん!いいよー。」


 蔓延の笑みのでいう犬。


 やっべくっそ可愛い!


 その後、同じく美少女になっていた猿と雉も仲間になった。


 犬「そういえばさー。三郎ってどこに殴り込みに行くの?」


 雉「確かにねー。気になる。」


 猿「教えてよー。」


 三郎「え?鬼ヶ島だけど?」


 犬、猿、雉「は?」


 三郎「あれ?言ってなかったっけ?」


 嘘です。言ってません。


 猿「聞いてないよー(,,・д・)」


 犬「嘘でしょ···(;゜д゜)」


 雉「やめときなよ。死ぬよ?\(;゜0゜)」


 三郎「あーダイジョブダイジョブ。自分、二代目桃太郎だし。」


 三人 (匹?)「はぁ?!Σ( ̄□ ̄;)」


 三郎「とゆーわけでレッツゴー!」


 三人「·····。」


 

 数時間後。


 もう歩くのが疲れたので途中BT-7を召喚して乗ってきた。三人にすごい驚かれた。


 雉「この海岸をずっと行ったところに鬼ヶ島があるよ。」


 三郎「ほうほう。そういえばさ、鬼の武器って何なの?」


 猿「鬼に襲われた村の人たち曰く、火を吐く棒を持ってたらしいよ。」


 銃ジャナイデスカヤダー。


 犬「何か隊列を組んで火を吐いてた、とも聞いたわね。」 


 あっ。マスケット銃かな?じゃあ勝てるわ。てか鬼ってすごいね。紀元一世紀でもうマスケット銃作ってんだもん。


 まあいいや。当初の計画どうりアレを召喚しよう。


 三郎「大和、武蔵、アイオワ、ニュージャージー、ビスマルク、ティルピッツ、ガングート級、輸送艦と陸軍、召喚!」

 

 次の瞬間、沖合いに何十隻という軍艦が出現した。


 三人「······。(゜ロ゜)」


 三郎「ようし、アレに乗るぞー。」


 三郎は内火挺を召喚して口をあんぐり開けたままの三人を乗せ、大和に乗り込む。


 三郎「あそこに見える島へ向かえ!」


 乗組員「はっ機関始動!僚艦にも伝達せよ!」


 そして数分もしないうちに全戦艦が鬼ヶ島を射程に捉えた。


 艦長「全戦艦、目標を射程に捉えたました!」


 三郎「よし、砲撃開始!!!」


 艦長「主砲1~3番、撃てぇ!!!」


 ズッドオオオオオオオオム!!!


 おおすげえ。大和の主砲の音。一瞬鼓膜が逝っちゃうかと思ったわ。


 三人「ふぎゃああああああああ!!」


 あれまぁ。三人とも耳ふさいでなかったのか。


 そりゃそうなるわな。


 ズドオオオオオオオオン!!

 ドム!ドム!ドム!

 ダカカカカカカ!!


 おや。僚艦も主砲、副砲、対空機銃までも撃ち始めた。


 あーあ。鬼ヶ島、大惨事だね。あっ。城っぽいヤツが崩れ落ちた。中にいた鬼さん、御愁傷様。


 さてさて、そろそろ上陸して鬼ヶ島を本格的に占領しますか。


 三郎「上陸を開始せよ!」


 司令官「第一次上陸部隊を上陸させよ!」


 司令官の命令によって輸送艦から上陸用舟艇が降ろされ、部隊が乗り込み鬼ヶ島に向かって進んでいく。


 三郎「さて、自分も行きますか。」


 三郎はそう言ってデッキに出て、大発を召喚しその大発の中に五式中戦車チリを召喚する。


 三人「私達も付いてくよ。吉備団子のお礼。」


 どうやら三人も付いてきてくれるらしい。


 やっと桃太郎らしくなった気がする。


 三郎「よし、鬼ヶ島へ向かえ!鬼どもの要塞を蹂躙してくれるわ!ふっはっはっはっは!!」


 おっといけねぇ。つい本音が。


 犬「これじゃどっちが鬼かわかんないね。」


 三郎「うるせえよ。先に人里を襲った鬼が悪い。だから自分は悪くない。Q.E.D.証明完了。」


 雉「きゅーいーでぃー?」


 ああ。まだこの時代には証明の概念がないか。


 あ、もう鬼ヶ島の海岸が見えてきた。


 三郎「もうすぐ鬼ヶ島に着くぞー。乗り込めー。」


 三人「わーー。」


 一応三人には戦車の操縦、装填、主砲、機銃と全て教えておいた。三人の学習意欲というか未知の物への好奇心、凄いね。軽く引くレベルでマスターしちゃったよ。


 等と考えていたらもう海岸が目の前に。


 三郎「正面開け!上陸開始!」


 ズザザザザ···ガシャン!


 三郎「戦車前進!」


 犬「あいあいさー!」


 キュリキュリキュリキュリ···


 キャタピラが軋む音を立てながら進むチリ。


 と、そこに


 鬼「うおおおおおお!」


 先程の艦砲射撃を運良く生き残った鬼達が銃剣を着けたマスケット銃を手に突っ込んでくる。


 三郎「猿!右30度、敵集団!砲塔旋回!雉!弾種榴弾!装填急げ!」


 雉「よいしょっと。装填完了!」


 三郎「撃ち方用意!···撃て」


 猿「はっしゃーー!」


 ズドォォン!!


 わお。木端微塵だ。


 三郎「猿!良くやった!偉いぞ!」


 猿「えへへぇ///」


 犬·雉「むぅー···」


 こうして三郎率いる上陸部隊は島のおよそ九十パーセントを僅か三時間で占領し、残りは鬼の王がいる城(戦艦の主砲が命中し辛うじて原型を留めている。)のみとなった。


 三郎「鬼の王の城に殴り込みじゃぁ!」


 三人「おおー!」


 ドカドカドカドカ···バキン!


 けたたましく靴の音を鳴らし、脆くなった城門を蹴り破る三郎。


 三郎「鬼の王は居るかぁー!」


 三人「おるかぁー!」


 ノリがいいね、君たち。


 三郎「人里襲ったオトシマエつけろやゴルァ!」


 ノリでヤクザ口調で言う三郎。


 その視線の先には···


 鬼の姫「ひいっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」


 ぼろぼろになってうずくまるまだ小さな鬼の姫がいた。


 三郎「あれ?何か思ってたのと違う···。」


 三郎が想像していたのはアニメとかRPGとかに出てくるTHE·ラスボスって感じのイカツイ魔王的なヤツである。断じて小学生並みの鬼の姫ではない。


 犬「ねえあそこに倒れてるデカブツは?」


 犬の指すところには三郎が想像していたようなイカツイ魔王が倒れている。上半身に46cmの大穴を開けて。


 猿「あれが鬼の王だよね。」


 雉「うん、偵察した時威張り散らしたのがコイツ。」


 ·····。


 四人「鬼の王呆気ねぇー!」


 四人同時にきれいにハモった。


 三郎「え?嘘でしょ?砲弾一発で死ぬの?」


 驚く三郎。


 猿「鬼ヶ島に上陸した時点で死ぬって···」


 雉「昔話の勇者桃太郎と私達の先祖みたいな私達の活躍が···」


 犬「嘘でしょ···」


 各々鬼の王への愚痴を漏らす。


 三郎「ねえ、君。あれってもしかして、その···君のお父さんだったりする?」


 鬼の姫に尋ねる三郎。


 姫「いいえ。鬼は十年に一回、力比べして代表を決めるのです。私は昔の王家の末裔でただのお飾りです···」


 三郎「···そうか。それで、これからどうする?」


 犬「別に決めてないなあ。」


 猿「行く当てもないし···」


 雉「私達、野宿だったしねぇ。」


 おうふ。野宿でしたかそうでしたか。


 三人「とゆーわけで拾って!」


 ···ふぁあああああああ!?


 三郎「え?何でそーなるの?」


 犬「あんな美味しい吉備団子で私達を手なずけた三郎が悪いの!」


 猿「そうだそうだー!責任をとれー!」


 雉「もう野宿は嫌!」


 三郎「そうは言いましてもね。家が無いんですよ。家が。」


 これは事実だ。今の自分はお姉さんの家に居候してるし。


 猿「ね!ここ鬼ヶ島なんだしだしお宝とかないの!?」


 さすが猿。強欲だねぇ。てかどストレートに言いやがったよ。


 猿の剣幕にビビる鬼の姫。かわいそうだからやめてやれよ···


 姫「い、一応くにの運営のために幾らかは···どうかそれで勘弁して下さい···」


 うわあ。カツアゲを見てるみたいだ。これは酷い。


 猿「だって!これで家建てれるね♪」


 雉「おめでとう!」


 犬「ぱちぱちぱち。」


 家に居座る前提かよ···。


 しかし、美少女三人と同居とはなかなか···


 三郎「ようし!良いだろう!」


 三人「わーい!」


 姫「あ、あの私もお願いできませんか?」


 ここでまさかの立候補。


 三郎「いいけど何で?仲間の鬼の所の方が良いのでは?」


 姫「···録にご飯も貰えないし、いじられた人なんてどうでもいいんです。」


 うわあ。暗い過去を掘り下げてしまったらしい。


 三郎「うん、わかった。よし、帰ろう!」


 

 こうして桃田一行は離れ際に鬼ヶ島に核爆弾を仕掛け、鬼の姫に「今までの怨み!」と爆破させ、鬼ヶ島はこの星から姿を消した。


 お姉さんの家に戻った三郎は兵器チートで要塞を召喚し、国土を統一しながらお姉さんと犬、猿、雉、鬼の姫と共に幸せに暮らしましたとさ。


 めでたしめでたし。


 ···余談だが、三郎の統一した国家は後に世界各地を暴れまわり、ついには地球をも統一したという。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 桃太郎に現代兵器持ち込む発想はすごい。 [気になる点] どんな進化の仕方をしたら犬猿雉が獣耳っ娘になるんでしょうか。 [一言] 鬼が島制圧後とか猿、雉の餌付けとか見てみたいので出来れば連載…
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