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序章
この世界は、決して俺たちに優しくなかった。
『なぁじいちゃん』
『なんじゃい孫よ』
『なんで俺なんだ?別に他のやつでもいいだろ』
『ダメじゃ、お主でなければな』
『他の道場の人は今戦ってるのに……』
この世界は、決して俺たちを救おうとはしなっかった。
『よく聞け孫よ。もう、ここはどうあがいても落とされる。じゃからこそ、守るものを絞り、生きて未来に繋ぐんじゃ』
『だから、なんで俺なんだよっ!』
『それはな、お主は○○○○○じゃからだ』
『ワケわかんないよ!そんなの言われたって!』
この世界は、決して俺たちを守ろうとはしなかった。
『時間がない。ええから、この中におれ』
『じいちゃん!待ってよじいちゃん!!』
『さらばだ、愛するわが孫よ……願わくば、来世で会おうぞ』
『……っ‼……っ‼』
『さて、あっちの嬢ちゃんも入った頃合いかのう』
この世界は、俺たちから俺たちからすべてを奪っていった。
そしてこの日、人類史は、一つの終わりを迎えた……。