30 魔力系攻撃に対する防御
お待たせいたしました。
ビームの試し打ちを終えて、草原からクリスタルの洞窟に戻った悠人。
悠人はとあることを考えていた。
悠人が今までまともに受けた攻撃の中で、明確にダメージを受けたのは二つ。
コボルトもどきの火炎と、”漆黒の母蛇”・”舞い降りる黒水晶”のビームだけだ。
他の打撃や斬撃は、悠人に明確なダメージを与えることはできなかった。
この二つは、いずれも明確な魔力攻撃である。
つまりこれは、悠人の持つ身体防御系の力がある技。
<巌の身体>と<氣闘術>は、魔力系攻撃に対する防御力が低いという事だろう。
という訳であれば、これからの戦いを考えて魔力系攻撃に対応できる防御系の技を開発するべきだろう。
まずは<氣闘術>と同じように魔力を操ることで能力を全般的に上昇させる。
今までは、魔力を緻密に操作して身体能力を強化するようなやつがいなかったから、何も参考にすることが出来ずに発想止まりだったが、膨大な魔力を操る”舞い降りる黒水晶”そして”漆黒の母蛇”を見たことでそれも可能になった。
――――これを<魔闘術>と名付けよう。
あとは<魔を拒む魔>を改良しよう。
いや、用途ずつに二つに分けようか。
これを参考に、盾のように使用する技と、鎧のように全身に纏う技を開発しよう。
盾のように使用する技は、<魔を拒む魔>を改良すればそれでいいだろう。
一定領域に魔力力場を形成することによって魔力の流れを捻じ曲げ、魔力系攻撃を弾く技。
これはもう十分、盾の役割を果たせる技だ。
ただ、魔力の消費量が膨大なため、そこを改良しよう。
無駄な部分を取り除き、力場の範囲を問題ない大きさまで小さくする。
また、周囲から魔力を集める仕組みをもっと効率化した。
これで<魔を拒む魔>の魔力消費を五分の一以下にすることが出来た。
次は鎧のように纏う技だが。
圧縮させた魔力を体に纏わせ、それを魔力力場へ変換させることで魔力攻撃を体表を滑らす様に逃がすことが出来る。
また、『防護LvΩ』『魔力LvΩ』『肉体LvΩ』の情報体を使って魔力から肉体を守る。
これを並列発動することで、魔力攻撃から完全に守れるようにする。
魔力攻撃にはこれまでえらい目に合わされたからな。
できる限りの防御を積んでおく。
――――これの技名は……<堅牢たる魔絶>にしよう。カッコいい。
◇◇◇
これまで、魔力系と気力系で分けて技を作った訳だが、魔力と気力を合わることはできないのだろうか。
別々に技を作るより、もしかしたら効率が良くなるかもしれない。
……そう思って実験してみたのだが、どうにもうまくいかなかった。
魔力と気力は反発しあうというか、反応すると予測できない複雑な動きをするようになる。
霊力を仲介させると少しは抑制されるが、それでも二つは混ざり合わないし、複雑で良く分からない挙動を行った。
これは難しいか。
しかし、実験として『浸透LvΩ』『接続LvΩ』『融解LvΩ』『圧縮LvΩ』などの駆使して強制的に魔力と気力を融合させてみた。
するとほんの少しの魔力と気力の混合物は、対消滅の様な反応を起こし、凄まじいエネルギーを放って大爆発した。
やばいと思った瞬間、悠人はその場から音速で逃走したため、傷は受けなかったが肝が冷えた。
……これは、下手をしたら自爆しかねないが、上手く使えれば化けるかもしれない。
しかしこれを上手く使うには予測不能の動きをする魔力と気力を完全制御する必要があるのだが……
いや、情報体があれば優先的に制御できるので、不可能ではないのだが。
しかし今持つ情報体では繊細な制御は不可能だ。
それをできるようにするためには、新しい、かつ大量の情報体が必要だろう。
魔力や気力の流れを曲げるための情報体だったり、分離したり、接合したり。
緻密な制御をするためには、ほんの僅かな挙動でも違えば、違う情報体を使う必要があるから、全ての情報体をLvΩにするためにはどれだけの試行回数が必要になるのか……
これは少しずつやっていくしかないだろう。
さすがに、すぐには無理だ。
取り敢えずこれで、足止め用攻撃、本命攻撃、魔力系防御、気力系防御が揃えられたわけだ。
これで十分だろう。
次は、魔力、気力、霊力などの基礎能力値を上げるために狩りに行くとしようか。
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