18 修業はまだまだ続く
パワーアップ回続編です。
今回めちゃくちゃ短いです。
すみません。
今、悠人がいるのは、黒いタマゴこと”舞い降りる黒水晶”に巨大ビームを打ちまくられる地獄を体験した草原地帯。
周囲には生物の影は無く、絶好の探索日和だ。
――とはいっても、すぐに逃げられるように洞窟の入り口からは絶対に離れないと心に決めているが。
これまでゴブリンもどきやコボルトもどきを倒し続けたおかげで、魔力や気力なども増し、力も上がった。
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魔力:1203
気力:2565
霊力:4988
特異能力
セーブ&ロード
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ここに来た当初と比べるとずいぶん上がったものだ。
この草原地帯に来たのは、この向上した力と広い地形を利用して新しい情報体を手に入れるためだ。
まずは『形状:ゴブリンもどきの牙LvΩ』と『材質:石LvΩ』で石製の円錐を作る。
そして、それを地平線の彼方に目がけてシュートッ!
その瞬間、強烈な破裂音が耳元で響き渡り、悠人は衝撃波で弾き飛ばされた。
「ごふぅッ!」
吹き飛ばされた悠人は仰向けの状態から起き上がる。
こんな感じで、おそらく悠人の投擲速度はすでに音速を超えている。
衝撃波が起こったのは、石の速度が音の速度を超えたからだ。
広い草原の中、これほどの速度で投擲すれば、これまでよりも速く、長い射程の情報体を手に入れられる。
しかしこれでは衝撃波が邪魔をして速度は落ちるし、情報体の取得速度も落ちるからな。
――ああ、だったらこれを使えばいいか。
石製の円錐に、『空気LvΩ』と『透過LvΩ』を読み込むことで衝撃波が発生しないようにする。
『空気』の情報体は、周囲を保存すれば簡単に手に入った。
――さて、ピッチングの時間だ。……LvΩ一つじゃ物足りないから、複数ほしいところだなあ。
◇◇◇
あのゴブリンもどきの特性を覚えているだろうか。
戦闘時だけ肉体の強度が異様に増す、あの力である。
悠人はゴブリンもどきを戦う傍ら、観測眼系の技を使い魔力、気力、霊力を観察することでついにその理由を発見した。
ゴブリンもどきはどうやら、体内の気力を使用することであの力を使っているらしい。
体内の気力を練り上げ、圧縮しつつそれを体表面と肉体表層部に巡らせる。
骨や筋肉などもそのとき気力で保護しているようで、それによってあの肉体強度を維持しているようなのだ。
そして、それを参考にして開発したのがこちら。
草原の草から大量に取り揃えた『気力LvΩ』に、『肉体LvΩ』、『接続LvΩ』、『収縮LvΩ』、『調整LvΩ』、『圧縮LvΩ』、『放出LvΩ』、『強化LvΩ』、『収束LvΩ』を使用してその力を疑似再現した技――
――その名も<氣闘術>
試しに使ってみたところ、この技はすこぶる使い勝手がよく、肉体の強度以外にも、力や敏捷性も増強してくれることが分かった。
ただし、大量の情報体を使用するため、魔力と気力の消費が激しく燃費が悪い。
ここぞという場面以外では使わない方がよさそうだ。
できればこの気力の動きを体で覚えて、情報体を使わずともゴブリンもどきのように自力で発動できるようになりたいところである。
現在の能力値
魔力:1203
気力:2565
霊力:4988
特異能力
セーブ&ロード
技
<石の一撃>
<石の衝撃>NEW!×10
(『音速直線LvΩ』NEW!+『形状:ゴブリンもどきの牙LvΩ』+『材質:石』)
…円錐形の石をマッハ3で打ち出す。
衝撃波を放ちながら直進するが、
弾丸は破壊困難な上、速度低下が起らないため高い破壊力を持つ。
従来のものと比べ、射程も1kmまで伸びている。
<巌の身体>
<氣闘術>NEW!
(『気力LvΩ』×いっぱい+『操作系情報体もろもろ』)
…身体能力が大きく向上する。
所謂、魔力以外の全ステータスUPのバフ。
しかし燃費が悪い為、使用は慎重に。
使用時は瞬間的に音速(340m/s)レベルの移動が可能になる。
<虚ろな身>NEW!
(『空気LvΩ』NEW!+『透過LvΩ』NEW!)
…対象は大気をすり抜けるようになる。
空気抵抗無効。超音速でも衝撃波が発生しない。
基本は<氣闘術>と併用して発動する。
しかし使用中は呼吸が出来なくなるので、注意。
<外傷治癒>
<魔の観測眼>NEW!
…魔力を可視化する。
以前のものと違い、情報体を消費しない。
<気の観測眼>NEW!
…気力を可視化する。
以前のものと違い、情報体を消費しない。
<霊の観測眼>NEW!
…霊力を可視化する。
以前のものと違い、情報体を消費しない。
お読みくださりありがとうございます。
今回でパワーアップ回はおそらく終了です。
次回から探索再開すると思います。




